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Sクラスや7シリーズではなくレクサスの「LS500h」を選ぶ理由

掲載 更新 210
Sクラスや7シリーズではなくレクサスの「LS500h」を選ぶ理由

 1989年のレクサスブランド創設に合わせて登場した「LS」は、レクサスのフラッグシップモデルとして、常に最新、最良のクルマづくりを続けてきた。とくに静粛性と乗り味に関しては、国産車でもトップレベルをキープしてきた。ところが、最近では同じレクサスブランドの「ES」が新しいシャーシなどを手に入れたことで進化が著しく、一部の開発関係者は「LS」よりも「ES」のほうを推す声が出てきたほど。

 そこで「LS」も2020年の大幅改良でかなり大がかりな手直しを受けた。そればかりか、毎年のように改良を重ね、常にレクサスブランドでのトップの座を守る努力をしている。2020年末にはパワーユニットやサスペンションの仕様を変更し、造り込みの高さをアピール。2021年末に発表された2022年モデルでは、リアサスペンションメンバー取り付け部のプレース形状を変更し、剛性を高め、チューニングを行なった。これでリアの接地性は向上した。

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高度運転技術支援「Advanced Drive」を実用化へ

 高度運転技術支援では、Advanced Driveの実用化を目指した。パノラミックビューモニターや運転席からの死角を最小限に抑えるデバイスを盛りこんた。こうした装備や装置は、2023年モデルになり、さらに進化している。Advanced Driveというのは高速道路や自動車専用道路の本線上の走行を支援するシステムのこと。ナビに目的地を設定すると、交通状況に応じて車載システムが、車線・車間維持分岐、車線変更、追い越しなどを認知、判断、操作するというものなのだが、自動運転レベル2の範囲で行なわれるので、操作中の責任はクルマではなく、運転者なのだ。

 実際に、試乗車でいくつかの操作を試した。例えば車線変更。隣の車線への変更だが、セットして、高速の渋滞路では、結構ギリギリに近いタイミングで車線変更を行なったことがあった。おそらく、入りこまれた後ろのクルマはブレーキを踏んだはず。このあたりの判断はクルマが行なうが、チューニングのむずかしさを感じた。ちなみに、Advanced Drive装備車は、フロントフェンダーにカメラが内蔵されているので、外からでも判別できる。



 ミラーも後続車との接近位置を把握しやすいように、ミラー内に接近時の伴走するクルマとの距離が判りやすいように、横線が鏡面に入れるなどの改良が施されていた。また、隣りのレーンを走行するクルマが、こちらの死角領域に入ったとき、死角走行で走り続けることを回避する意味で、自車を減速させる機能も付いた。これは実際の試乗中にも有効だった。

 今回、試乗したのは「LS500h Executive Advanced Drive」。4輪駆動のハイブリッド車だ。車両価格は1796万円。いまや、メルセデス「Sクラス」やBMW「7シリーズ」よりも高額車だ! パワーユニットはV6、3.5ℓのガソリンエンジンとモーター1基を組み合わせている。出力はエンジンが299PS、モーターは180PS、トルクは356Nmと300Nmだ。

最新、最高のクルマづくりを実践

 ちなみに「LS」には「LS500」もラインアップされている。こちらはV6、13.5ℓガソリンエンジンにツインターボを搭載、422PS、600Nmの性能を発揮する。さらに細かく解説すると、同じV6、3.5ℓエンジンだが、ハイブリッド用の排気量は3456cc、ツインターボは3444ccで、エンジンは別物。クルマの性格に合わせて開発しているのだ。

 Mレンジでのマニュアルシフトはパドルレバーで行なう。ドライビングモードはノーマル/スポーツ/スポーツ+/エコ/カスタムで、メーター、パネルの左側のダイヤルで選択。メーターパネル右側のダイヤルは、トラクションコントロールとスノーモードだ。

 ノーマルモード/Dレンジで走り出す。スタート時の動きは、数値からの想像より、ややトルク感が小さい。走り出してからのモーター走行では、機械的な作動音も耳に入ってくる。それでも走り出してしまえば、アクセルレスポンスは鋭く、加速も十分。0→100km/h加速も6秒台を計測したので、ラグジュアリーな4ドアサルーンとしては十分に速いといえる。

 ハンドリングは、ノーマルモードではやや重めの操舵力だが、高速域での接地感に若干の不安があった。高速ではスポーツモードを選択したほうが安定感がある。ただし、乗り心地はゴツゴツ感はやや強く、路面のザラつきも感じられる。

 試乗車のタイヤは2022年末の改良時にオプション設定された245/45R20のランフラットタイヤ、ブリヂストン「トゥランツァT005A」を装着。オプション価格は13万2000円。「LS500h」のタイヤはベースグレードも含めて、すべてランフラットタイヤが装着される。

 居住空間に関しては、7代目デビューから変わっていない。このクルマにとって特に大切な後席はやや高めの着座位置で、背もたれもリクライニングする。頭上のスペースはあまり余裕もなく、身長165cmまでが快適なサイズだ。床面中央のトンネルは大きめなので、左右2名乗車がおすすめ。もっともセンターアームレストの下の座面にクッションはないので、左右1名ずつがノーマルだ。



 ということで、レクサス「LS500h」は、最新、最高のクルマづくりを実践し、その内容もかなり高級、ラグジュアリーになってきたが、個人的にはまだ「ES」系のほうに軍配を上げたい。

■関連情報
https://lexus.jp/models/ls/

文/石川真禧照 撮影/萩原文博

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みんなのコメント

210件
  • どうしても日本企業につぶれてほしくてたまらないクズのたまり場といえばカービューしかないよな!
  • すごいねーv6 13.5Lのエンジンかw
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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