現在位置: carview! > ニュース > ニューモデル > 【IS、極まるか?】レクサスIS 現行世代のビッグマイチェンに触れる  350 Fスポーツ/300hバージョンL 比べて評価

ここから本文です

【IS、極まるか?】レクサスIS 現行世代のビッグマイチェンに触れる  350 Fスポーツ/300hバージョンL 比べて評価

掲載 更新 14
【IS、極まるか?】レクサスIS 現行世代のビッグマイチェンに触れる  350 Fスポーツ/300hバージョンL 比べて評価

改良新型レクサスISとは

text:Shigeo Kawashima(川島茂夫)

【画像】どのパワートレインが好き? 改良型レクサスIS【内燃派? ハイブリッド派?】 全69枚

photo:Keisuke Maeda(前田恵介)、LEXUS

レクサスセダンでは最小モデルであり、コンパクトサイズを活かしたスポーツセダンとして誕生したのがIS。

もっとも、代を経る毎に車体サイズを拡大し、現行モデルでは全長4.7m級となり、コンパクトとも言い難いのだが、FRスポーツならではの操る楽しさを求める姿勢は初代から変わっていない。

このMCは内外装のフェイスリフトと安全&運転支援機能のアップデートなどの変更が加えられているが、見所は走りの熟成。

ニュルブルックリンクでの経験をもとに2019年4月に新設された下山テストコースで走り込みを行い、機械では計測できない人間の感性領域にまで踏み込んだ操縦性を追求。スポット打点の追加などによる車体剛性の向上などのハードウェアの改良も加えられている。

新型には3タイプのパワートレインで全10仕様用意されるが、試乗したのは最もスポーティな350 Fスポーツとラグジュアリー系の最上位となる300hバージョンL。

前者はISのコンセプトそのもの、後者は「小さな高級車」の側面も持つモデルである。

IS350 Fスポーツ どんな感じ?

先代ISには、「IS F」という5LのV8を搭載したスーパースポーツが存在した。

レクサス車のパフォーマンスを象徴するモデルでもあったが、現行RCの登場によりRC Fにバトンタッチしている。現行型にIS Fに相当するモデルは設定されていないのだが、350 Fスポーツにはその精神が継承されているように思えた。

搭載エンジンは3.5LのV6。現行ISでは唯一の6気筒車であり、グレード展開はFスポーツ/2WDのみとなっている。

装着タイヤも含めて外観は他のFスポーツと共通だが、専用OPとしてリア・トルセンLSDを設定し、ISの中でもスポーツ性にこだわった設定。

最大トルクは38.7kg-mにも達するが、ふつうに走らせていると小気味よさは今ひとつ。浅いアクセル開度の穏やかな踏み増しでは初期反応が緩い。

最大トルク発生回転数が4800rpmで、しかもV6なら誉めるべきなのだろうが、ハイブリッド車などの電動パワーアシスト採用車が増えたせいか、相対的に低負荷低回転での応答遅れを意識してしまう。

深く踏み込み高回転を使って加速させれば、最近は少なくなった高回転型NAエンジンの心地よさが溢れ出る。

排気音のエンジンフィールも粗野な部分がなく、非エコ運転ではあるがマニュアル変速を使い中高回転で走らせたくなるパワートレインである。

「F」のようなフットワーク

ストロークを抑えた硬めのサスチューン。限界性能追求というほどではなく、スポーツモデルの良識の範疇である。

感心させられるのは、硬さの中にあるしなやかさだ。

操縦特性は徹底的に弱アンダーステア。タイトターンやアクセルオンなどアンダーステアが強まる力学的傾向には則しているが、その変化幅は少ない。

パワートレインの重みを感じさせる収束感のよさやトラクションを掛けながら前輪をじわりと押し出すようにラインを拡げる感覚がいい。頭の中で描いた走りの設計図どおりに扱えるのはとても楽しい。

しかも、乗り心地の質感が高い。

車軸まわりの微小な動きも含めて揺れ返しが極めて少なく、硬いのに穏やかなのだ。

タイヤの接地面から車体骨格までが一体となって、揺れや衝撃を吸収しているような乗り心地。

段差乗り越えでは相応の突き上げはあるものの、その乗り味はスポーツ車の中でも最良クラスと言っていい。IS Fをマイルドに仕立て直したようなフットワークである。

300hバージョンL どんな感じ?

ISの基本グレード展開は標準仕様/Fスポーツ/バージョンLの3タイプ。

冒頭で述べたとおり、ラグジュアリー系上位の300hバージョンLはレクサスブランドならではの贅を楽しむモデルである。

ただし、快適性重視で選ぶタイプとは言い難い。

パワートレインは2.5L 4気筒を核にしたスプリット式ハイブリッド。

クラウンに採用されたシステムと比較するとエンジンが一世代古いタイプになるのだが、電動でドライバビリティを作り込めるハイブリッドでは動力性能面のハンデはほとんどない。

低負荷域からペダルコントロールに自然な加減速追従で扱いやすく、品のいいパワーフィールを示す。静粛性も良好であり、先進的なプレミアムセダンを実感できる。

ただ、フットワークの洗練感はイマイチ。車軸まわりの振動が目立つ。

硬い骨格に緩い関節というか、長く大きな入力ではしなやかなのだが、細かな凹凸ではサスやタイヤが個別に揺れる感じなのだ。

同型登場時に比べるとかなり改善され、殊更に挙げるほどではないのかもしれないが、350 Fスポーツの出来がよかっただけに気になった。

「買い」か?

高精度高性能な内燃機の素の味を楽しめるのは大きな魅力だが、WLTC総合モード燃費は10.7km/L。市街地モードでは7.0km/Lである。

エコ性能を考えると躊躇う気持ちもあるのだが、IS350 Fスポーツが洗練を伴う良質なスポーツセダンなのは間違いない。

ISのコンセプトの象徴であるとともにレクサスFスポーツを代表するモデル。ツーリング&スポーツ性能にこだわるユーザーならば650万円の価格は納得できるはずだ。

IS300hバージョンLは、スポーティもコンフォートも少々中途半端な印象が強いが、時代性と言う点では同クラスでもトップレベルのWLTC総合モード燃費18.0km/Lを達成。

持続的エコの時代性を備えたプレミアム&スポーティセダンである。環境とクルマ趣味の両立という点では高く評価できる。

どちらもスポーツ性を軸としたクルマ趣味が必要なモデルだが、選択の分かれ目はISらしさへののめり込み具合。

のめり込むなら現行型のラストスパートという感覚の350 Fスポーツの一択である。

改良新型レクサスIS350 スペック

レクサスIS350 Fスポーツ

価格:650万円
全長:4710mm
全幅:1840mm
全高:1435mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):10.7km/L
CO2排出量:217g/km
車両重量:1660kg
パワートレイン:3456cc V6
使用燃料:ガソリン
最高出力:318ps/6600rpm
最大トルク:38.7kg-m/4800rpm
ギアボックス:8速オートマティック

改良新型レクサスIS300h スペック

レクサスIS300hバージョンL

価格:600万円
全長:4710mm
全幅:1840mm
全高:1435mm
最高速度:-
0-100km/h加速:-
燃費(WLTC):18.0km/L
CO2排出量:129g/km
車両重量:1690kg
パワートレイン:2493cc 直4+モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力(エンジン):178ps/6000rpm
最大トルク(エンジン):22.5kg-m/4200-4800rpm
最高出力(モーター):143ps
最大トルク(モーター):30.6kg-m
ギアボックス:電気式無段変速機

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
FDJ2がMIDホイール一色に! 公式ワンメイク化でドリフトシーンに新時代到来!!…大阪オートメッセ2025
レスポンス
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
【特集】レッドブルの非情なドライバー育成……しかし彼ら以上にドライバー育成に注力してきた存在はゼロ
motorsport.com 日本版
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
前の車との「車間距離」めちゃ大事! でも運転中「どうやって」測る!? 「高速」や「一般道」で適切な車間を取る方法とは
くるまのニュース
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
まるでリアルRPG!? 目指せ鈴鹿8耐優勝! レーシングライダー石塚健が新チーム立ち上げを発表
バイクのニュース

みんなのコメント

14件
  • ここんとこレクサス推しの記事多いが3500ccがトップグレードて世界基準で見ても遅れてるだろ。
    HVの方が売りなのは分かるが燃費にしてもエンジンのデカさにしても恥ずかしいレベル。
  • レクサスの内装ってお金かけてる割に厚ぼったいというかダサい。
    先進性を前面に押し出すのか、重厚感のあるリッチな路線でいくのか
    迷いを感じる。レクサスらしさレクサスのフィロソフィーはこの内装で行く!
    といった気概がない。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

481.0850.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.0970.0万円

中古車を検索
ISの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

481.0850.0万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

13.0970.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村