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スバル・WRX S4比較ガイド【注目10車vs対抗車・8】

掲載 更新
スバル・WRX S4比較ガイド【注目10車vs対抗車・8】

車種別・最新情報 [2022.05.31 UP]


スバル・WRX S4比較ガイド【注目10車vs対抗車・8】

現行スバル車インプレ大全【1】新型WRX S4

“推し”ポイントで徹底比較!! 注目10モデル vs 対抗車
年度も替わり、2022年モデルの全容が見えてきた。そこで今回は今注目の10車をピックアップ。それぞれの長所である“推し”ポイントを、そのポイントに対抗しうるライバル車との比較を交えて解説。そのクルマの良さを具体的に浮かび上がらせてみよう。

●文:川島茂夫

今回の注目10モデル!!
1 TOYOTA RAV4
2 SUBARU フォレスター
3 HONDA ヴェゼル
4 TOYOTA ヤリス クロス
5 SUBARU レガシィ アウトバック
6 MITSUBISHI アウトランダー
7 TOYOTA ノア/ヴォクシー
8 SUBARU WRX S4
9 NISSAN ノート オーラ
10 TOYOTA アクア


注目10モデル【8】SUBARU WRX S4

●価格:400万4000~477万4000円
SGPの第2世代プラットフォーム+FA24型最新2.4ℓターボなど、スバルの最新メカニズムを積極的に投入。先代以上にスポーツセダンとしてのキャラが強まった。内装意匠の向上に加えて、上位モデルのEX仕様には大型タッチディスプレイ&アイサイトXなどが備わるなど、ドライバーの負担を軽減する装備も追加。ツーリングカーとしての資質も優秀だ。

スポーツ一辺倒にあらず
バランスの良さも見逃せない
 外観を見るとインプレッサ時代も含めて歴代WRXの中でも「やる気満々」という印象だが、決してストイックなユーザー限定のハードコアなマシンではない。
 パワートレーンはBRZから展開しているFA型2.4ℓのターボ。ミッションはCVTを採用する。MTの設定がないのはスバル好きには不満かもしれないが、手動変速時は変速比固定の8段変速ミッションとして振る舞う。シャシーはハード面ではレヴォーグと姉妹車の関係にあり、STIスポーツ系にはZF社製電子制御ダンパーを採用するが、サスチューンはWRX専用となっている。
 ハードなスポーツ走行も視野に入れたモデルであり、サーキットをハードに攻め込んでも破綻はなく、限界をトレースさせるような走り方でのコントロール性がいい。それはWRXにとってある意味で当然の結果なのだが、すべてを捨て去って成し得た結果でもない。
 一般的には硬い乗り心地だが、荒々しくて普段使いは辛抱というほど酷くもない。電子制御サス仕様でコンフォートを選択すれば刺激的な突き上げも少なく、良質な高速ツアラーの乗り味が楽しめる。
 2.4ℓターボは実用性と高性能車らしい昂揚感ある加速性能をバランスよく融合させている。大トルクに乗せて回転を抑えた走り方では微妙な速度コントロールも容易な余力を、スポーツ系モード選択や手動変速ではキレのいい高回転の加速が楽しめる。キレイに纏まりすぎて迫力を欠くとも言えるのだが、乗りこなしよりもアレンジ能力を軸とした柔軟なドライバビリティが好印象だ。
 フォーマル志向のセダン派にはオススメしにくいが、クルマ趣味に興味のない同乗者にも嫌われないくらいの汎用性を備えたスポーツセダンを求めるなら、きっちりと嵌るタイプ。見た目以上にスウイートスポットの広いモデルである。


WRX S4の【推し】!!/ツーリング性能の高さ
快適な走りも求めるならば
電子制御サス仕様で決まり
 標準サス仕様でも高速ツアラーとしての十分な資質を備えているが、ツーリングを主目的に考えるならば、乗り心地の落ち着きなどで気になる部分もある。その点、電子制御サスのSTIスポーツRは、ツーリング時の走りの質感でもトップレベル。スポーツ走行時の性能も標準サス仕様を上回るので、ツーリングとスポーツのどちらを主目的としても、STIスポーツRなら満足度が高い。


上級グレードのSTIスポーツRのサスペンションは、モード切り替えで減衰力とストローク量を変更できる、ZF製の電子制御ダンパーが組み合わされる。

2.4ℓ水平対向4気筒ターボ(FA24型)は、275PS/38.2kg・mを発揮。トランスミッションも変速効率を強化したスバルパフォーマンストランスミッションを採用。

【推し】の対抗/SUBARU レヴォーグ
WRXよりもツーリング適性は高い
 1.8ℓターボ車が選べること以外はWRXのマイルド仕様と考えてもいい。特にツーリング用途では、操縦感が多少マイルドになるため、相性はこちらの方が上ともいえる。サス仕様はWRXと同じなので、ツーリング目的なら電子制御サス車がオススメだ。


レヴォーグも、WRXとほぼ同等の性能を持つ。こちらは2.4ℓターボ車に加えて、1.8ℓターボ車(177PS/30.6kg・m)も選択可能だ。

WRX S4の【推し】!!/4WDセダンの頼もしさ
卓越したシャシー性能もWRXの強み
あらゆる路面で抜群の相性を持つ
 セダンは重量の管理や配分、前後フレームの剛性配分などに優れることもあって、前後輪で駆動力を伝える4WDスポーツとの相性がいい。WRXは第2世代のSGPの採用などもあって、常時駆動を売りとするモデルの中でも抜群の性能を持つ。フォーマルな佇まいや快適性をセダンに求める向きにとっては、WRXは少々異端に映るかもしれないが、全輪駆動がもたらす走りは唯一無二といってもいい。


常時駆動の恩恵は、オンロードでも強く実感。コーナー時はもちろん、直線でも抜群の安定感をもたらしてくれる。

エンジンとの協調制御を盛り込んだスポーツ変速制御により、キレのある変速フィールを獲得。MT車のような変速感覚も実現している。

前45:後55を基本としながらも、走行状況に応じて前後トルク配分をコントロールできるVTD-AWDを搭載。これもWRXならではの武器だ。

【推し】の対抗/AUDI A4
4WDスポーツを求めるならクワトロだが……
 穏やかな乗り味と落ち着いた高速操安性は快適な高速長距離走行に最適だが、WRXの最高価格車と同予算でもFFのベーシックモデルしか選べない。AWDのクワトロモデルこそ本領発揮だが、WRXと同等を求めるにはどうしても予算が高くなってしまうのが難点だ。


A4に搭載される「クワトロ」は、前40:後60を基本に路面状況に応じて70:30~15:85まで可変する、本格的なフルタイム4WDシステムだ。

WRX S4の【推し】!!/最先端の運転支援
より高性能な
アイサイトXまでカバー
 マニアックなスポーツモデルながら上級設定の「EX」系には最先端の運転支援機能を備えたアイサイトXが標準装着される。高速道路渋滞時ハンズオフやカーブと料金所での自動速度制御、ドライバー異常対応システム等が備わり、ツーリング時の安心感を高めてくれる。


最新世代のアイサイトは標準仕様でもステレオカメラ&ミリ波レーダーで周辺センシングを行う優れもの。アイサイトXなしでも基本性能は十分高い。

【推し】の対抗/NISSAN スカイライン
ハイブリッド車限定というのが玉にキズ
 高速道路ハンズオフなどを含む高度運転支援システムのプロパイロット2.0をオプション設定。ただし、ハイブリッド車に限定されるのが泣き所だ。


WRX S4の対抗車一覧

SUBARU レヴォーグ

●価格:310万2000~477万4000円
プラットフォームはWRX S4と同世代型だが、レヴォーグは1.8ℓターボ車を選ぶこともできる。


AUDI A4

●価格:473万~649万円
2ℓのガソリンターボ車も、ディーゼルターボ車もクワトロモデルを選択することが可能。


NISSAN スカイライン

●価格:435万3800~644万4900円
ハイブリッド車の生産終了がアナウンスされるなど、今が入手できる最後のチャンスかも?

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