■ハイパーフォースは次期GT-Rなの? 分析してみた
ジャパンモビリティショー2023で世界初公開された日産「ハイパーフォース」。その後「名古屋モビリティショー」での展示を経て、12月8日から大阪で開催される「第12回大阪モーターショー」でも展示されます。
注目度が高いハイパーフォースですが、そのワケは誰もが「次期GT-R」をイメージすることですが、正式にはアナウンスされていません。
果たしてハイパーフォースは、次期GT-Rなのでしょうか。
【画像】「えっ…!」 ココが新型GT-Rぽい! 匂わせデザインを画像で見る!(50枚以上)
東京モーターショー改めジャパンモビリティショーが閉幕してから約1か月が過ぎました。ここでは出展モデルを少し冷静になって分析してみたいと思います。
今回は日産が事前発表なくサプライズでお披露目したコンセプトカーがハイパーフォースです。
国内外メディアが「次期GT-R」のコンセプトモデルだと紹介しています。
ただ、日産はこのクルマを「次期GT-R」だと一言も語っていませんが、それを匂わすヒントはシッカリと語っています。
そのヒントをいくつか見ていきましょう。
(ヒント1)
「日産ハイパーフォースは究極のドライビングプレジャーを追求しながら、日常での快適性を兼ね備えた次世代の高性能スーパースポーツカーです」
現行GT-R(R35)のコンセプトは、いつでも、どこでも、誰でもそのパフォーマンスを体験できる「マルチパフォーマンススーパーカー」であり、その実現のために「究極のドライビングプレジャー」を追求しながら、進化・熟成が行なわれています。つまり、商品コンセプトは不変と言うわけです。
(ヒント2)
「最新技術による、圧倒的な走り」
歴代GT-Rを振り返ると、その時代で最も優れたメカニズムを採用。
第1世代(ハコスカ/ケンメリ)なら「S20」、第2世代(R32~R34)なら「RB26DETT+アテーサE-TS」、そして第3世代(R35)なら「VR38DETT+DCT+独立型トランスアクスル4WD」などが挙げられます。
ではハイパーフォースはどうでしょうか。
1000kWの出力を生み出す高出力モーターと全個体電池の組み合わせ、更に進化した電動駆動4輪制御技術(ADVANCED e-4ORCE)と、日産の経営ビジョンのひとつつ「電動化」の究極のカタチが提案されています。
(ヒント2)
「レーシングテクノロジーを採用した。最新の空力マネージメント」
R35 GT-R NISMOのエアロダイナミクスは空気抵抗を増やすことなくダウンフォースを引き上げる形状となっています。
この辺りは日産ワークス集団「NISMO」が長年培ってきたレーシングテクノロジーがリアルにフィードバックされています。
ハイパーフォースでは、NISMOレーシングチームと共同開発の空力設計で、フロントカナード、フロントフェンダーフリップ、リアウイング両端には可変式のアクティブエアロ(可変式の空力デバイスを採用。
その意味では7代目スカイラインの「GTオートスポイラー」以来)に加えて、空気の流れを制御するプラズマアクチュエーターと、最先端の技術が採用されています。
(その3)
「スポーツ走行と快適な長距離ドライブをこの1台で」
そもそもGT-Rは、GT(グランドツーリング)カーであるスカイラインにR(レーシング)の性能を注入したモデルです。
その考えは今でも不変ですが、R35の2014モデルからGTとRの比率を分けた事です。
要するに基準車ではGTの部分、NISMOではRの部分を際立たせたセットアップを採用しています。
ここに関しては開発責任者(当時)の田村宏志氏は、「本来は一本のベクトル、一本のソリューションでできれば最高ですが、値段的にも乗り心地的にもコイルバネを使っている以上は難しいです。フル油圧アクティブサスでなら何でもできるかもしれませんが、今は現実的ではありません」と語っています。
では、ハイパーフォースはどうなのでしょうか。
サスペンションとスタビライザーは走行中でも画面上で簡単に調整できる世界初(2023年10月現在)のシステムを採用しています。
それを活かし、サーキットなどで意のままにクルマを操りながら最高のパフォーマンスを発揮できる「Rモード」と、どこまでも快適に走れる「GTモード」の2つのドライブモードを設定。
要するにR35で採用されたセットアップスイッチ(トランスミッション/ショックアブソーバー/VDC)を統合した進化版と言うわけです。
■果たして次期GT-Rはいつ出るのか? ポイントは「20年周期」
このように色々分析してみても、間違いなく否定的なコメントが付くのは明らかです。
その原因はアニメの世界からやってきたかのような個性的なスタイルです。
日産は「グループ5のシルエットフォーミュラをオマージュ」と語っていますが、SNSを見ていると、「ハリボテ感満載」「タケヤリデッパ」、「子供の工作」と、とにかく言われ放題。
これは同じコンセプトカーながらリアル感満載の「マツダICONIC SP」とは対象的です。
ただ、日産はこれらの意見に対して想定内どころか「してやったり」でしょう。それはなぜか。それは登場時期がまだまだ先だからです。
GT-Rの歴史を振り返ると「20年周期」で登場している事が解ります。
第1世代(ハコスカ)は1969年、第2世代(R32)は1989年、そして第3世代(R35)は2007年に登場しています。
実は第3世代は、当時CEOだったカルロス・ゴーン氏が「早く出せ!」と言うトップダウンにより2年前倒しになったと言います。
つまり、本来は2009年に登場予定だったのです。そこから20年後つまり2029年が次期GT-Rの登場時期と言うわけです。
ハイパーフォースには全個体電池が搭載される予定ですが、日産の長期ビジョン「Nissan Ambition 2030」で「2028年度までに 自社開発の全個体電池を搭載したEVの市場投入を目指す」と語っています。
新聞・経済誌は「全個体電池はゲームチェンジャー」と語りますが、ハイパフォーマンスだけど価格も高いためいきなり普及とはいかず、価格が高い付加価値を持つモデル、日産のフラッグシップとなるGT-Rからと考えるのが素直でしょう。
仮に現時点でリアルなコンセプトモデルだと、デザインには鮮度があるので5年後が辛くなってしまいます。
だからこそ、今は良くも悪くも“飛んだ”モデルで雰囲気だけを伝える…と言う方法を選んだのでしょう。
まぁ、そういう意味ではハイパーフォースは本の行間を読むと言った見方しないと、その本質は解らないのかもしれません。
ただ、ひとつ明らかなのは、ハイパーフォースの存在により「GT-Rの歴史は今後も続く」と言う事がハッキリした事でしょう。
2029年まであと4年ちょっと、それまでR35を進化し続けるのか、それとも一旦小休止するのか、その辺りも気になる所です。
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カッコ悪すぎ
日産の車はブサイクばっかり