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ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?

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ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?

 ホンダと日産の統合にはいろいろと不明点がつきまとう。その一つが両社のプレミアムブランドの存在だ。ガチのライバルであるアキュラとインフィニティの未来はいったいどうなるのか? 今ある情報をもとに2社の行方を予想してみた!!!

文:桃田健史/写真:Acura、Infiniti

ホンダ日産統合で激変? ガチのライバル[アキュラ]と[インフィニティ]の未来はどうなる?

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■不透明感が漂うアキュラとインフィニティの未来

次期スカイラインとも言われるインフィニティのビジョンQe。このクルマも統合の余波を受けるのか?

「ホンダと日産が経営統合へ」。年末になって大きなニュースが飛び込んできた。報道が先行して、その後にホンダと日産が「検討の可能性はないとは言えない」といったニュアンスで報道を否定しない、といった状況になる。(本稿執筆時点)。

 両社は3月、「自動車の電動化・知能化時代に向けた戦略的パートナーシップの検討」を開始したと発表した。これまで、次世代技術や一部車種の相互補完など、さまざまな分野での協業についてワーキングチームを作って協議してきたというが、その詳細は開示されていない。

 そうした中、日産は上期決算で経営不振が明らかになり、グローバルでの人員削減が大きなニュースとなった。一方、ホンダは直近で、次世代e:HEV(ハイブリッドシステム)の事業・技術説明会を報道陣向けに開催したばかりだった。

 そんなタイミングでのサプライズとなった、ホンダ・日産、さらに三菱自動車を巻き込む経営統合の報道。これにより、気になるのがプレミアムブランドであるアキュラとインフィニティのあり方だ。

 日本には未導入のアキュラとインフィニティだが、北米市場を中心にグローバルで人気が高い。それぞれが、ホンダと日産と車体やパワートレインを共有化しており、ホンダ・日産の経営統合の影響をもろに受けることになる。

 ただし、グローバル市場におけるプレミアムブランドの状況を鑑みると、現時点ではアキュラもインフィニティも「将来に向けた出口が見い出せない…」といった状況にあるように思える。特に、レクサスが将来事業計画としてEVシフトを大きく打ち出している中で、アキュラやインフィニティの未来に対して、ユーザーや販売店から見ると「先行き不透明」という印象がある。

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■アキュラが先行した日系プレミアムブランドの歴史

アキュラは日系プレミアムブランドの先駆けとして1986年に北米で事業を開始した

 ここで改めて、日系プレミアムブランドの歴史を簡単に振り返りたい。

 先行したのはアキュラだった。ホンダは北米市場において、ホンダブランド全体の「半歩上」にアキュラを位置付けた。ホンダブランド全体の上位に位置するのではなく、ホンダ本来の商品性に上質さとスポーティさを盛り込んだ、「半歩上」というイメージで、その筆頭が「インテグラ」だった。

 こうしたホンダの動きに対して警戒感を持った、北米トヨタのアメリカ人幹部らが、トヨタ本社にトヨタ版プレミアムブランド創設の必要性を粘り強く説明したという経緯がある。

 当時、筆者はホンダ、トヨタ、日産が北米事業の拠点としていたカリフォルニア州ロサンゼルス周辺で3社の関係者と意見交換する機会が多かった。そうした中で、トヨタのアメリカ人関係者は「(トヨタ本社は)大きな岩のようで最初はびくともしなかったが、一度動き出すとその速度は急速に増した」という表現を使っていたことを思い出す。

 こうしたアキュラ、レクサスの動きと並行するかのうように、日産もインフィニティ新設を協議したものと考えられる。

■新規参入が続くプレミアム市場

プレミアム市場には新規参入が続く。こちらは韓国ジェネシスのGV80

 このようにして始まったアキュラ、レクサス、インフィニティだったが、商品としての実態は事業開始の初期は、ほとんどのモデルがホンダ、トヨタ、日産の既存モデルの改良に留まった。

 そのベンチマークとなったのは、ドイツ勢だ。メルセデス・ベンツ(当時はダイムラー)の「C」、「E」、「S」クラスと、BMWの「3」、「5」、「7」を後追いするイメージだ。アメリカのメディアでも、こうした商品軸で日独プレミアムの比較試乗を取り上げることが少なくなかった。

 その後、90年代後半から2000年代にかけて、北米市場でSUVシェアが一気に拡大し、プレミアムブランドでも収益性の高いSUVに、デトロイト3(当時のビック3)やドイツ以外の欧州系、さらに韓国系が参戦するという図式になっていく。

 そこに、SUVとセダンのクロスオーバーにもモデル展開が派生し、各プレミアムブランドのモデルラインアップが増えていったのだ。

 さらに、超プレミアム系が参戦して来る。2000年代のポルシェ「カイエン」を皮切りに、2010年代に入るとベントレー、ロールスロイス、ランボルギーニ、さらに2020年代にはフェラーリと、プレミアムSUV(クロスオーバー)の超高級化が加速した。

■抜本的なブランド改革が必要

インフィニティのモデル群。ホンダ日産の統合が有益であることを願う!

 こうした従来型の自動車ブランドの進化とは別領域として、大きな存在となったのがテスラだ。2010年代半ばの「モデルS」「モデルX」で日系プレミアムからユーザーが流れ、さらに「モデル3」「モデルY」の登場で一気に潮目が変わった。

 そのほか、世界最大の自動車大国となった中国では、政府主導のEV事業拡大路線の中、プレミアムEVブランドが乱立し、生き残りをかけた熾烈な戦いを繰り広げているところだ。

 このように、アキュラとインフィニティが誕生した80年代後半から90年代に比べて、現在のプレミアムブランド市場は様変わりしていることが分かる。その上で、アキュラとインフィニティ、抜本的なブランド構造改革が必要なのだ。

「渡りに船」とまでは言わないが、ホンダと日産の経営統合は、アキュラとインフィニティそれぞれにとって有益なものになることが予想される。

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みんなのコメント

8件
  • qph********
    ホンダと日産って最近は共に北米市場優先のデザインで地元日本を置き去り。エンジン開発は両社共に優秀なのに電動化のあらぬ方向を目指しているから相乗効果でユーザーの期待を裏切る結果へ向かわなければ良いけど。
  • キュー兵
    アメリカではまだしも、ヨーロッパで返り討ちを食らって、そそくさと逃げてきたインフィニティブランド。やらない方が良いと思う。
    それならば、日産ブランドの質を上げたほうが良い。
    外人さんから見たら、今や日産は安普請の代名詞らしいね。
    ASEAN地域の方が言ってたよ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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