1955年1月1日に初代がデビューし、めでたく誕生70周年を迎えたクラウン。圧倒的な存在感や高級サルーンにふさわしい品格で人々を魅了するが、その一方で「保守的なクルマ」という印象が強いことも事実。ところが、そんなイメージを覆す前衛的なクラウンもあったのだ。
文/木内一行、写真/トヨタ、CarsWp.com
70年の間にはいろいろあった!! ちょっとばかり[トンがったクラウン]たち
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■賛否両論を生んだ独創的なスタイリング 4代目
「エレガンツ・クラウン」のキャッチコピーで登場した4代目は、空力にも優れるスピンドルシェイプを採用し、2段形状のフロントノーズが個性的。バンパーもボディの一部としてデザインし、カラードバンパーが採用された
トヨタの最上級サルーンとして、長きにわたってそのポジションを担ってきたクラウン。
それゆえ、常に存在感満点のスタイリング、高級サルーンにふさわしい品格を備えていたが、4代目はそれまでのクラウン像を覆す大胆な姿で登場した。
特徴的なスタイリングで、美しい丸みを帯びたスピンドルシェイプ(紡錘形)を採用。
キャビンとボディの一体感を強調したカプセル形状としつつ、突起物を極力なくしたりビルトインタイプのカラードバンパーを装備することで、先進性とともに優れた空力性能も実現。従来のクラウンとは一線を画すルックスとなっていた。
ちなみに、ボディバリエーションは4ドアセダンのほか、2ドアハードトップやステーションワゴン、バンもラインナップ。「トヨペット・クラウン」から「トヨタ・クラウン」になったのも、この4代目からだ。
ただ、セールスポイントであったはずの斬新なスタイリングは賛否両論を生み、結果的には「不人気モデル」のレッテルを貼られることに。
しかし、今ではその姿から「クジラクラウン」の愛称で呼ばれ、旧車ファンから支持される人気モデルとなっている。
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■V8エンジンをフライングゲットしてライバルを牽制 8代目
爆発的な人気を博し、社会現象にも発展したシーマ。バブル期の象徴として知られる1台だが、同じ時代にトヨタの最高級サルーンとして活躍したのが8代目クラウンだ。
1987年にモデルチェンジした8代目は、シリーズ初となる3ナンバー専用ワイドボディのほか、エアサスやトラクションコントロールといった電子デバイス、革新的なエレクトロマルチビジョンを投入するなど、十分に意欲的なモデルだった。
しかし、前述したシーマの登場により危機感を持ったトヨタは、セルシオに搭載する予定だった4リッターV8の1UZ-FEを先行してクラウンに搭載したのだ。
この至宝のV8ユニットは、大排気量らしい全域にわたって豊かなトルクとパワーを発揮するとともに、シームレスなフィーリングと圧倒的な静粛性を実現。クラウンをさらに上のレベルへと押し上げたのである。
そんな8代目はバブル景気と重なり、ベストセラーの常連であったカローラを月間販売台数で抜いて1位になるほどの人気を獲得。攻めの姿勢が、こうした好結果につながったのだ。
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■クラウンらしからぬ走りを提供する快速サルーンが登場 11代目
クラウンといえばフォーマルなイメージやトラディショナルな印象が強いが、11代目ではより幅広い層を取り入れるべく、新たな路線を模索。従来の「ロイヤル」シリーズに加え、「アスリート」シリーズと名付けられたスポーティグレードが投入されたのだ。
このアスリートの魅力といえば、なんといってもサルーン離れした運動性能だ。
その核となるのがエンジンで、2.5リッター直6の1JZ-GEのほか、ロイヤルには未設定の同ツインターボの1JZ-GTEを搭載。さらに、サスペンションは専用チューニングが施され、前後異サイズタイヤや大径ディスクブレーキも装備する。
そして、専用グリルやディスチャージヘッドライトで外観を差別化し、専用シートやゲート式シフトレバーなどにより、内装もスポーティに仕立てている。
ちなみに、アスリートの名が最初に与えられたのは7代目で、当初は特別仕様車だった。続く8代目でも特別仕様車として登場したが(その後カタログモデルに昇格)、9代目で消滅。そして、11代目では正真正銘のスポーティグレードとして復活したのである。
下手なスポーツカーをもカモってしまうほどのパフォーマンスを持つ、走りのクラウンがアスリートなのだ。
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■高級サルーンの常識を破る斬新なカラーを追加 14代目
アスリートG系をベースに1カ月の期間限定で発売された特別仕様車「ReBORN PINK」は、特別塗装色モモタロウを採用。眩しいほどのショッキングピンクは従来のクラウンのイメージを覆すもので、大きな話題を呼んだ
高速道路のSA&PA、商業施設やスーパーマーケットの駐車場を見ればわかるように、日本ではホワイトやブラック、シルバーといったボディカラーが人気だ。
この傾向はカテゴリーに関係ないが、特にセダン系は顕著。そんな風潮を覆すかのように、14代目クラウンには驚きのボディカラーが登場した。
2013年8月にリリースされた特別仕様車「ReBONE PINK」は、その名のとおりピンクのボディカラーを採用。「モモタロウ」と名づけられたそれは鮮やかなピンクで、オジサン世代は戸惑ってしまうこと間違いなし。
さらに、内装はテリー伊藤氏がカラーコーディネートを手がけ、「PINK SUPRISE」をキーワードに各所にピンクを取り入れている。
また、2015年にはクラウン誕生60周年を記念して特別仕様車「空色エディション」「若草色エディション」を発売。それぞれスカイブルーとライトグリーンのボディカラーが斬新で、それまでのクラウンとは全く違う世界観を表現している。
大型サルーンに、こうしたヴィヴィッドな色味を採用したトヨタに拍手を送りたい。
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■4つのバリエーションで新たなクラウン像を作り上げる 16代目(現行)
クラウンのなかで最も大きく変わったのは、やはり現行16代目だろう。保守的という言葉とは正反対な、革新的と言えるような大きな変身を遂げたのだ。
2022年7月に先陣を切ってデビューしたのが、セダンとSUVを融合させた「クロスオーバー」。スタイリッシュなフォルムとリフトアップスタイルが特徴的で、一直線につながるヘッドライトやテールランプが先進的だ。
続いて登場した「スポーツ」は、エモーショナルなスポーツSUVを目指し、力強さと優雅さを両立させたデザインとスポーティで躍動的なデザインを融合。
「これがクラウン!?」と疑いたくなるようなルックスは、多くの人にインパクトを与えたのである。
クラウン本来の姿である「セダン」は、ニューフォーマルという新たな価値観に挑戦した野心的なモデル。16代目で唯一伝統を守ったバリエーションだが、枠にとらわれないスタイリングは従来のクラウンとは一線を画すものだ。
今か今かと待ち望まれながら、いまだに正式デビューを果たさないのが「エステート」。
11代目以来の復活だが、今度はワゴンとSUVのクロスオーバーとして生まれ変わるもよう。今春発売予定との情報もあり、その全貌が明らかになる日も近いだろう。
かくして、デビュー前から懐疑的な声も多かった16代目だが、イメージチェンジは今のところ成功。新たな層を取り入れ、活躍の場を広げるはずだ。
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みんなのコメント
いやいや、ベストカーさん、クラウンセダンは消滅って言い切ってただろ?
毎度の事ながら、しれーっと無かった事にしてるの?
先ずは、嘘の情報流してすみませんだろ?