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1.2Lハイブリッド登場 プジョー5008へ試乗 大人も許容する3列目 家族の要望を満たす新世代

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1.2Lハイブリッド登場 プジョー5008へ試乗 大人も許容する3列目 家族の要望を満たす新世代

シャープでバランスの良い3代目5008の容姿

バッテリーEV版が先行していた新型プジョー5008だが、1.2Lハイブリッドも英国へ上陸。プラグイン・ハイブリッドも2025年に登場予定で、7シーターSUVとしてプジョーが抱く期待は大きい。

【画像】1.2Lハイブリッド登場 プジョー5008 競合クラスのSUVと写真で比較 全145枚

近年の欧州では、ワンボックスのMPVは下火傾向。SUVがそのユーザーを補完しており、英国ではダチアやキア、ヒョンデといった銘柄のモデルが売れている。5008は、そこへ食い込むことが狙われている。

プジョーが5008の強みとするのが、開放的で実用的な車内空間と、ハンサムなスタイリング、優れた操縦性や動的能力、エネルギー効率など。果たして、主張どおりなのか試乗で確かめてみよう。

少し野暮ったい雰囲気の初代だったが、2代目で大胆に刷新。この3代目では、さらにスタイリッシュな容姿を得ている。シャープなライン構成で、ルーフの長い箱型ボディが、バランス良く仕上がっている。

プラットフォームは、プジョー3008も採用する、ステランティス・グループのSTLAミディアム。全長は4790mm、全幅が1890mm、全高が1690mmというサイズだ。英国では7シーターのみの設定だが、一部の市場には5シーターも用意される。

ドアを開くと、広々とした車内空間が出現。大きなモニターと上質なインテリアに、目が奪われる。エアコンは3ゾーン。アンビエントライトやバックカメラなど、装備も充実している。

大人も許容する3列目 余裕のある荷室

2名がけの3列目は、身長180cm程度までなら窮屈ではない。スライド式の2列目を後ろに寄せない限り、膝前にも余裕はある。2列目のシート下につま先を入れられ、姿勢も快適。エアコンの送風口やSUBポートはない。

2列目は、中央の席がやや犠牲になっているが、両サイドの快適性は高い。シートは座り心地に優れ、前後方向のゆとりも充分。パノラミック・サンルーフを組んでも、フレームの圧迫感はない。ISOFIXのチャイルドシート金具は、外側の2脚へ備わる。

運転席側は、ペダルの配置がやや窮屈かも。ブレーキペダルの位置が手前すぎ、右足を高めに持ち上げることになる。

運転姿勢は、プジョー特有のもの。小さなステアリングホイールが低い位置にあり、賛否は分かれるだろう。筆者は、操舵しやすいように感じる。

内装の素材は上質でありつつ、ファミリーユースへ耐える堅牢さも漂う。ダッシュボードを覆うグレーのクロスは肌触りが良く、そこから立ち上がるインフォテインメント用とメーター用、各21インチのワイドなモニターパネルがカッコいい。

荷室容量は、3列目を使った状態で348L。たたむと916Lへ広がる。

インフォテインメント・システムは、トップ画面の項目が多く目移りするものの、グラフィックはクリアで反応は良好。アップル・カープレイとアンドロイド・オートには、標準で対応する。

モニターパネルの下には、カーナビやエアコン、運転支援システムなどのショートカットが用意されている。位置を覚えれば、素早く操作できそうだ。

動力性能は必要充分 満員時は物足りないかも

今回試乗した1.2Lハイブリットは、3気筒ガソリンターボエンジンと、6速デュアルクラッチAT内に電気モーターが組まれた構成。駆動用バッテリーは0.9kWhとなる。電気だけで走れる距離は1km程度でも、エネルギー効率を高めている。

最高出力は135psで、最大トルクは23.4kg-m。0-100km/h加速を11.3秒でこなし、最高速度は197km/hがうたわれる。

公道を走らせてみると、動力性能は1705kgの車重へ必要充分。高速道路の合流車線では、短距離で加速を終えられる。とはいえ、これはプジョー308にも載るシステム。複数名の大人や相応の荷物が加わると、物足りなさを感じそうだ。

パワフルさをお望みなら、プラグイン・ハイブリッドを考えたい。最高出力は194psへ上昇し、電気だけで77km走れる。

少なくとも、3気筒エンジンのフィーリングは素晴らしい。登用期間の長いユニットだが、洗練され静か。鋭い加速を求めると少しにぎやかでも、高速巡航時にノイズが目立つことはない。6速ATとの相性も良く、変速は気付かないうちに終わっている。

操縦性も、大きめのSUVとしては素晴らしい。カーブを積極的に攻めればボディは外側へ傾くものの、だらしなくなることはない。

ステアリングホイールは低い速度域で軽く、5008をひと回り小さく感じさせる。速度域が高くなると重みが増し、安心感が高まる。反応はダイレクトで正確だから、車線の中央も維持しやすい。相当な速度で曲がれば、アンダーステアが出るとはいえ。

ユーザーのニーズをくまなく満たす実力派

ドライブモードは3種類。エコ・モードでは、アクセルレスポンスが優しくなり、エアコンの効きも抑えめになる。スポーツ・モードは、ステアリングやダンパーが引き締まる。コンフォート・モードが、5008 ハイブリットのベストだろう。

乗り心地はしなやかだが、やや落ち着きが足りない印象。市街地の速度域では、19インチの大きなホイールでも、タイヤのサイドウォールが厚く充分に快適といえる。 段差などを超えると、車内でノイズが反響し、実際より揺れが強く感じられた。

高速道路では、風切り音が大きめ。ロードノイズも小さくないが、このサイズのSUVでは避けがたいものではある。燃費は、今回の平均で15.6km/L。カタログ値より劣るが、悪い数字ではないだろう。

英国では、同等装備のライバルより残価設定型プランの月払い額が小さい。8年間か16万kmまでの保証を付帯できるのも強みだ。

大きめのファミリーカーを検討するユーザーのニーズを、くまなく満たす5008。エキサイティングなプジョーではなくても、洗練され高効率なパワートレインと実用的なキャビン、正確な操縦性や運転のしやすさで、多くの人の共感を得るはず。

もう少しのパワフルさや、乗り心地など、気になる点はゼロではない。それでも、7シーターのSUVとして実力は高い。

◯:ダイレクトで安定したステアリング 広く実用的なキャビン 洗練された3気筒エンジン
△:やや快適性で劣る3列目 直感的とはいいにくいインフォテインメント・システム やや物足りない動力性能

プジョー5008 ハイブリット(英国仕様)のスペック

英国価格:4万860ポンド(約785万円)
全長:4790mm
全幅:1890mm
全高:1690mm
最高速度:197km/h
0-100km/h加速:11.3秒
燃費:18.6km/L
CO2排出量:122g/km
車両重量:1705kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:135ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

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みんなのコメント

2件
  • tondemo310
    CX-80より200㎜短いが、6気筒縦置きと4気筒横置きの差を考慮すると、キャビンは同等と考えられる。幅は同じで背は低い。
    日本では全長4710㎜のアウトランダー、しかもPHEV(床が高くなる)に3列シート車を設定している。が、写真を見ただけで「絶対に座らない」と思わせる。フランス人はどうかしらないが、ドイツ人なら卒倒するだろう。もちろん欧米仕様に3列シート車は無いはず。
    アウトランダーは問題外として、此奴は「大人も許容する」とは、なかなか作文が上手い。CX-80は「3列目もおもてなし」だ。記者が同じか違うか知らないが。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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