最近売れているとウワサのシトロエン。5月と7月に登場した最新シトロエンSUV2車に小沢コージ氏が試乗! さらにシトロエンが今売れている、その秘密にも迫ってもらった。
合わせて自動車評論家 鈴木直也氏のVWシャランの試乗も掲載。密度たっぷりで輸入車試乗3連発をお届けする。
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※本稿は2019年9月のものです
試乗・文:小沢コージ、鈴木直也/撮影:池之平昌信、西尾タクト
初出:『ベストカー』 2019年10月26日号
■シトロエン C3 エアクロス SUV 試乗
(9月5日試乗/TEXT:小沢コージ/撮影:池之平昌信)
●期待を超えたキュートさ!
見た瞬間、マジかよ、やられたぜ~と思いましたわC3エアクロス。マシュマロマンのようなふにゃふにゃフォルムに英会話のNOVAウサギもびっくりの仏頂面。
まさにフレンチコンパクトの真骨頂、お堅い威張り系のドイツ車には絶対できないキテレツキュートデザインじゃないスか。こういうのを待ってたんですって俺たちは。
さてC3エアクロス、車名からもおわかりのように中身は現行コンパクトのC3で、プラットフォームは少々古め。
パワートレーンも評判はいいものの古めの1.2L直3ガソリンターボ+6AT。ピークパワー&トルクは110ps&20.9kgmと普通だし、WLTCモード燃費も14.7km/Lと特別凄くない。だからさほど期待してなかったんだけどまずは個性派デザインがピカイチ。
全長4160mm、全幅1765mmと、日本でも取り回しがしやすいコンパクトなボディサイズが特徴
実用性も傑出した出来で、ベースのC3に比べてさほどデカくなってない全長4.16×全幅1.765mのコンパクトボディなのに高さは1.63mへ大幅拡大。
ホイールベースも70mm伸びて驚くほどの高効率パッケージに進化している。
身長176cmの小沢が背を起こし気味に前後シートに普通に座れ、ロングスライドのリアシートを後ろにした状態でもラゲッジは410LとVWゴルフより広く、前にすれば520Lと超巨大! ヘタなワゴン顔負けの使い勝手なんですわ。
ベースのC3よりも70mmホイールベースが延長され、充分な居住性を持つ
走りも予想以上で、路面に応じて駆動力を自動調整するグリップコントロール機能とセットの17インチのオールシーズンタイヤを履いてたためか、当たりは硬めだけど全体にしなやか。トルク感も思ったよりあってキビキビ走る。
先進安全もクラス最高じゃないけど被害軽減ブレーキやパークアシストはひと通りついてるし、なにより輸入車にして259万円スタートとリーズナブル。この可愛さが気に入ったら絶対買いですわ。
シートに合わせたファブリックをインパネにも使用。温かみのある内装だ
■C3エアクロスSUV SHINEパッケージ主要諸元
・全長×全幅×全高…4160×1765×1630mm
・ホイールベース…2605mm
・車両重量…1310kg
・エンジン…直3DOHCターボ
・排気量…1199cc
・最高出力…110ps/5500rpm
・最大トルク…20.9kgm/1750rpm
・トランスミッション…6速AT
・サスペンション 前/後…ストラット/トーションビーム
・WLTCモード燃費…14.7km/L
・価格…297万円
■価格…259万~274万円(パッケージOP車は+23万円)
■C5 エアクロスSUV
(9月5日試乗/テキスト:小沢コージ/撮影:池之平昌信)
●難解気味な今のシトロエン流SUV
かたやC3エアクロスよりふた回り大きいミディアムSUVがC5エアクロス。
こっちはちと難解気味かもね。クチの上手いモテ系次男に対し、イマ風だけど少々小難しいこと言いそうな長男って感じ。
なぜなら創立100年を迎えたメモリアルモデルであり、C3エアクロスと合わせてシトロエン初のSUVの筆頭モデルってことでプライドを多めに背負ってる気が。
それが窺えるのはまず見た目。2014年発表の新しいシトロエン流キテレツキュートを生み出したC4カクタスのデザインを受け継ぐもののより複雑化。
プラットフォームをプジョー3008と共用するミディアムクラスSUV。テールゲートは電動式
サイズは全長4500×全幅1850×全高1710mmと、高さ幅のわりに短めで扱いやすくていいけど、フロントマスクは二重構造。
上の睨み目がヘッドライトかと思ったらポジションランプで本物は下。難解です。かたやC4カクタスで有名になったエアバンプというサイドのディテールも簡略化して付いてるけどわかりにくい。
一方、インテリアはカクタス流の板チョコのようなデザインを踏襲したシートが秀逸。この世代からシトロエンはアドバンスコンフォートという新コンセプトを導入して、シート自体、今までにない低反発マット的素材を二層で装備。
ソフトで確実にサポートするシート。後席は独立した3座でスライドが可能
座り心地は上々。足回りにもこれまた往年のファンしか知らないシトロエン独自のハイドロサスペンションを模した、プログレッシブ・ハイドローリック・クッションなるダンパーを装着。
これがなんともいえない船のような乗り心地で、往年のシトロエンの走りを思い出します。
荷室スペースは通常時で580L、最大1630Lを確保
ついでにパワートレーンは今のフランス車らしく2Lディーゼル+8ATでこれがパワフルかつネットリしていていい。
まさに昔の難解さをほどよく併せ持つ今のシトロエン流SUV。乗り手は選びそうですが個性の塊は面白い!
楕円型ステアリングとデジタルメーターが特徴的なインパネ。カーナビは23万2000円のオプション
■C5エアクロスSUV SHINEブルーHdi 主要諸元
・全長×全幅×全高…4500×1850×1710mm
・ホイールベース…2730mm
・車両重量…1640kg
・エンジン…直4DOHCディーゼルターボ
・排気量…1997cc
・最高出力…177ps/3750rpm
・最大トルク…40.8kgm/2000rpm
・トランスミッション…8速AT
・サスペンション 前/後…ストラット/トーションビーム
・WLTCモード燃費…16.3km/L
・価格…424万円
■価格…424万円
■クリーンディーゼル搭載ミニバン VW シャラン TDI 試乗
(9月3日試乗/TEXT:鈴木直也/撮影:西尾タクト)
ディーゼルゲート事件によって遅れたスケジュールを取り戻すかのように、日本市場におけるディーゼルモデルの投入が活発化しているVW。
パサート、ティグアン、トゥーランに続いて、ついに本命ゴルフ、そしてシャランにもTDIモデルが登場。その試乗会が実施された。
日本でスマッシュヒットとなるか?
このページではシャランTDIのインプレを報告するわけだが、ちょっとその前にシャランについておさらい。
シャランは欧州ブランドで数少ないスライドドア付きの7人乗りミニバンである点に存在意義がある。
現行モデルは2010年デビューだからちょっと「薹(とう)が立っている」のは否めないが、それでも国産ミニバンとはまったく毛色の違うキャラは唯一無二。
国産に比べてインテリアは質実剛健でそっけないが、逆にしっかりした手応えのステアフィールや揺るぎない接地感のある足回りも、これまた国産にはない味わいだ。
そんなシャランをこれまでは1.4Lダウンサイズターボ(150ps/25.5kgm)で走らせていたわけだが、そこに2Lクリーンディーゼル(177ps/38.8kgm)が搭載されたのだから、その効果はまさに歴然。
ゴルフ搭載の2Lディーゼルエンジンから27ps/4.1kgmスペックアップしたエンジンを搭載する
1.9tの車重をものともせず軽快に加速するTDI仕様のドライバビリティは、やっぱりガソリンTSI仕様より格段に力強い。
そういう意味では、シャラン本来の魅力を大いに高めるグレード追加といえる。
2列目シートと3列目シートを倒すと容量が2297Lに拡大する。フラットなラゲッジスペースになるのも魅力だ
ただこのシャランTDIが国産ミニバンユーザーを振り向かせる魅力があるかというと、残念ながら疑問。
500万円台の国産ミニバンといえばアル/ヴェルの上位機種で、このセグメントのユーザーは、押しの効くエクステリア、広く豪華な室内、豊富なアミューズメント装備などが関心事。
質実剛健なシャランの“芸風”を好む人はかなり少数派だ。熟成されたいいクルマなんだけど、ニッチな存在といわざるを得ないですねぇ。
3列目シートにもカップホルダーが(しかも2個)ついている。豪華さはないが、使い勝手にもしっかり配慮されているぞ
■VW Sharan TDI 主要諸元
・全長×全幅×全高…4855×1910×1765mm
・ホイールベース…2920mm
・車両重量…1900kg
・エンジン…直4DOHCディーゼル+ターボ
・排気量…1968cc
・最高出力…177ps/3500-4000rpm
・最大トルク…38.8kgm/1750-3250rpm
・トランスミッション…6DCT
・WLTCモード燃費…14.0km/L
■価格…529万6000円
■売れてるシトロエン、その理由は?
(TEXT/小沢コージ)
●成功のカギはちょうどいいレベルの難解なオシャレさ!
久々に日本でも好調なシトロエン。コンパクトのC3で比べると、旧型の平均月販台数が55台だったのが新型は168台に3倍増。
全体では今年2019年上半期の販売台数は4年前の2015年上半期に比べて83%増! もちろんいまだ年間3000台レベルでドイツ勢には敵わないけどね。
とはいえ右肩上がりなのは事実で、ぶっちゃけそれは個性化の成功であり、小沢言うところのキテレツキュートデザインであり、ほどよく難解なクルマ作りが受けてるから。
●日本でのラインナップ(1) C3エアクロスSUV
BセグのC3をベースにしたSUVとして今年7月に日本上陸。価格は259万~274万円(パッケージオプション車23万円高)
というのもシトロエンと聞いて誰もが「低燃費」とか「アウトバーンの走り」とか「磐石の美しさ」は求めないじゃないですか。
シトロエンといえば、かつての傑作DSやGSや2CVが持ってた個性のデザインであり、難解な作りが勝負。今はソイツがほどよく戻って来てるんですね。
●日本でのラインナップ(2) C5エアクロスSUV
従来のC5の実質的な後継モデルとなるミドルクラスSUVで、日本では今年5月から発売。価格は424万円で、ナッパレザーパッケージオプション車は36万円高
秘密は2014年にルノーから電撃移籍した辣腕経営者のカルロス・タバレス。
一説によると、例のカルロス・ゴーンが幾ら待ってもトップに引き上げてくれないので、堪えきれずに移ったらしいけどコイツが大成功。そしてタバレス路線の象徴が、2014年登場のC4カクタス。
残念ながら日本には限定で数100台で入っただけだけど、コイツが超斬新。
●日本でのラインナップ(3) C3
シトロエンの新世代デザイン第2弾のBセグメントハッチ。いわばシトロエン版トヨタアクア。全長4m弱のコンパクトハッチでエンジンはエアクロスと同じ1.2L直4ターボ。新世代シトロエンの象徴C4カクタス譲りのデザインが最大のキモで、仏頂面デザイン、エアバンプがカワイイと日本でも大人気。222万~246万円
NOVAウサギもビックリの仏頂面マスクや板チョコとも称されたドアサイドの「エアバンプ」なる衝撃緩衝材はコイツが源流。
革ジャンの肩パットの如きファッションセンスで、最新シトロエンのキテレツキュートさや難解オシャレがギュッと詰まってたわけ。
●日本でのラインナップ(4) グランドC4スペースツアラー
多彩なシートアレンジが可能な7人乗りミニバン。かつてグランドC4ピカソの名前で売られてたフレンチ7人乗り3列シートミニバン。全長はやや短めだがシトロエン版エスティマみたいなもので、先取りした仏頂面マスク、フランス車らしい柔らかい乗り心地が売り。途中でディーゼルも追加。。格は377万~447万5000円
そのほかシトロエンのDSモデルを独立させて「DS」ブランドにしたり、新作DS3にガソリン車とEVを作れるプラットフォームを投入したりとヤリクチは斬新。
自動運転系にも積極的だし、キモは新CEOと打ち出した新路線が当たってるからなんですな。
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