寒さに弱いバッテリー…弱くなっていることを見分ける方法がある!
冬はバッテリーが上がりやすい時期であるとよく耳にします。実際、朝にバイクに乗ろうと思っていたらバッテリーが上がっていた…という経験のあるライダーも多いでしょう。
【画像】バッテリーが上がりやすくなる予兆を画像で見る(10枚)
ではいったいなぜ、冬場はバッテリーが上がりやすくなるのでしょうか。理由はいくつかありますが、その中のひとつにバッテリーの構造によるものが挙げられます。
バッテリー本体の中には「電解液(バッテリー液)」と呼ばれる硫酸が入っており、硫酸の化学反応によって電気を発生させています。この電解液の比重は、完全充電時で液温が20℃の時1.28あります。比重とは、水の重さを1とした場合1.28倍の重さがあるということです。
比重はバッテリーの使用状況や気温により数値が変化し、寒くなり電解液の温度が下がると比重が上がり重くなります。比重が上がり電解液が重くなると、化学反応が鈍くなり電気が発生しにくくなるという仕組みです。
また、夏場もバッテリーが上がりやすいという話を耳にしたこともあるかもしれません。これは、電解液の温度が上がると比重が下がり軽くなるため化学反応が活発になり、バッテリーの過負荷によってバッテリー上がりやすくなる…という、冬とは逆の現象が起こるためです。
つまりバッテリーは寒さに弱く、暑すぎても本来の機能を発揮できないというわけです。
なおバッテリーの寿命は2年から3年と言われています。各バッテリーメーカーも3年ごとの交換を推奨していて、長期使用しているバッテリーは化学反応が起こりにくくなります。使用しているバッテリーが何年経過しているかによってもバッテリーの上がりやすさは変わってくるので、確認をしてみる事も大切です。
また普段のバイクの使用状況によっても、バッテリーの劣化の進み具合は変わります。バイクはエンジンの回転を利用して発電し、バッテリーへの電力供給をしています。
つまり、走行することによりバッテリーの充電もおこなっているので、普段短距離しか走行しない場合はバッテリーへの充電が不完全となり、バッテリー上がりの一因となることもあります。
こういったバッテリー上がりは、バイクをよく観察することで予兆を掴むことができます。たとえばバッテリーが弱くなっている場合、ニュートラルランプが暗いまたは非点灯であったり、ウィンカーの点滅速度が遅い、ヘッドランプが暗いなど、灯火類に異変が起こります。
その他エンジンのかかりが悪いなどの症状も出るので、これらの症状が現れた場合はバッテリーの状態チェックや交換が必要です。ちなみにバッテリーが上がってしまうと、セルが回らない、ウィンカーが点滅しないなどの症状が出て、走り出すことができなくなる場合があります。
冬のバッテリー上がりを防ぐ方法とは?
走行不能になる前にできることは、日頃からバッテリーのメンテナンスをしておくことです。メンテナンスをしておくと、突然のバッテリー上がりを防げる上にバッテリーも長持ちするようです。
メンテナンスの方法のひとつとして、充電または電解液の調整という方法があります。バッテリー充電器などを使用しての充電が望ましいですが、充電器を所持していない場合、短距離走行を避けてしっかりと走行することも、バッテリーを長持ちさせる方法のひとつと言われています。
またバッテリーの中に入っている電解液は、少しずつ減っていきます。適切な量に保つことによりしっかりと化学反応を起こして電気が作られるので、電解液が減っている場合には「精製水」を補充することが必要です。ただしバッテリーを3年以上使用している場合は交換することが推奨されます。
しかし、近年のバイクには精製水の補充が必要ない「メンテナンスフリーバッテリー」が装備されていることがほとんどです。
精製水が補充できるタイプのバッテリーは、バッテリー上部に黄色または赤色の小さな蓋が6つついています。蓋が付いていない場合はメンテナンスフリーバッテリーとなり、精製水の補充というメンテナンスは不要です。
なおそのかわり、定期的な充電や適切な時期での交換をしっかりとおこなう必要があります。
※ ※ ※
冬はバッテリーが上がりやすい時期なので、日頃のバッテリーのメンテナンスがとても重要です。出先で走行不能とならないよう、適切なタイミングで交換することも忘れないことが大切です。
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