最近はe-POWER戦略で販売台数などでも躍進を見せている日産。しかしよく考えてみると「新型車」はなかなか登場してこない。例えばかつてミニバン界の頂点に君臨した、Lサイズミニバンのエルグランドはすっかりライバルのトヨタアルファード/ヴェルファイアの陰になっている。
それもそのはず2015年に3代目になったアル/ヴェルに対して、エルグランドは2010年以来モデルチェンジはなし。こんなことからも「国内で売る気があるのか?」といった声が販売現場からも聞こえてきているようだ。月に200店舗以上のディーラーをめぐるという遠藤徹氏が現場の生の声を聞いてきました。
文:遠藤徹/写真:ベストカー編集部
ベストカー2018年4月10日号
■今の日産ディーラーに"売れる"車種は3車種しかない!!
首都圏の日産系列店を回り、ディーラーマンから話を聞くと、メーカーの日産に対する不満が日増しに強くなっていることがうかがえる。それは大きく分けると商品のクルマ作りの姿勢と情報の遅さ、固い秘密主義に対するものだ。
クルマ作りへの批判はこのようなものだ。
「古いモデルをいつまでも売らされ、ライバル車との競争力がダウンし、売れゆき不振に陥っている車種が多い」(首都圏プリンス店)。売れる車種は登録乗用車だとノート、セレナ、エクストレイルの3モデルだけで、あとはリーフを除き月販500台以下にとどまっている車種がほとんど。
「ジューク、エルグランド、キューブ、マーチなどはマーケットニーズが高いからフルモデルチェンジして新型に切り替えれば必ず売れゆきが復活し、月販3000台以上の量販モデルにできるのに古いモデルのままにしているから、ますます売れゆき不振にならざるを得なくなっている」(同)とぶちまける。
ちなみに現行モデルの発売はジュークが2010年6月、エルグランドが同年8月、キューブが2008年11月、マーチが2010年7月であり、7年以上も世代交代しておらず、マイナーチェンジ、一部改良、特別仕様車の設定など小幅の手直しですませている。これではライバルとの競争力が弱くなり、販売不振に陥るのは当然である。
タイ産のマーチは登場時こそ話題になったが、あまりにもイメージが薄くすでにライバルとの差は大きく開いてしまった
最悪なのはマーチである。現行モデルから国内産ではなく、タイで組み立て輸入する方式に変えてしまった。「最終的な完成検査を国内に持ち込んで行うので、品質的には問題がない。コストが安く、価格設定上は優位な面もある」(日産)とコメントしていた。
ところが、新型車を発売開始後、最初はまずまずの売れゆきだったものの数年で頭打ちになってしまった。国内で生産していれば月販5000台以上が売れるヒットモデルになっていたはず。
これまでタイからの輸入モデルはトヨタ、ホンダ、三菱自動車の例があるが、成功したケースはほとんどない。品質の問題というより、クォリティに対する商品イメージの悪さということだろう。
■徹底した秘密主義が客との信頼関係を崩している
情報の遅さ、固い秘密主義については新型車の事前説明に関する対応である。トヨタやホンダだと毎年の年末や年明けに販売店に1年間の商品投入計画のあらましを説明する。
そして個々のニューモデルについては3~4カ月前に発売月日や商品概要、戦略を説明し、販売マニュアルをネットで配信。1カ月前には車両&オプション価格を提示し、予約販売をスタートする。
日産も同じような態勢を組んでいたが、2~3年前から変わってしまった。「毎年年度初めに半期ぶんの商品計画を通達するのをやめてしまった。情報が漏れているのを営業トップが問題視したらしい」(首都圏日産店店長)と指摘する。
「2月28日に発表、3月1日に発売したセレナe-POWERは1カ月前に発表、発売日が提示され、2月16日から価格が決まり、事前の注文が取れるようになった。これまでとは異例の短さであり、それまではいっさい情報が流れてこなかった」(同)と不満顔を見せる。
セレナe-POWERはメーカーからディーラーに情報が伝わったのは発表のほんの2週間前だった。こんな状態では賢い消費者をつなぎ留めておくのは難しい
情報が遅く、秘密主義が強調されるとユーザーからの問い合わせに応えられず、ティザーキャンペーンが打てず、ライバル他社との競争が削がれる一因にもなる、といったデメリットが生じる。
◎証言1=首都圏日産プリンス店店長
「日産の商品政策には大いに不満がある。ジューク、エルグランド、キューブ、マーチなどFMCすれば必ず売れるのに7年以上もほったらかしにされている。
ジュークなどはクーペ感覚のSUVのパイオニアで当時はヒットモデルとして注目された。その後他社が同様のコンセプトを持った新型モデルを相次いで発売したことで、相対的に古くなり売れなくなってしまった。FMCしてe-POWERを搭載すれば復活し、必ず売れるようになるはず。
エルグランドは大幅MCでフロントマスクを変えただけで売れるようになった。フルモデルチェンジすればトヨタのライバル車に負けないくらい復活すると強調したい」
◎証言2=首都圏日産店店長
「他社に比べると商品情報が遅く事前の売り込みがしにくい。配車も遅いので納期が遅れてお客さんからの苦情も多い。モデルが古くなると競合した時、大幅値引きで対抗しなければならない。そうなると販売店の収益は間違いなく悪化するのが現状だ」
今後日産のディーラーマンたちが売りやすくなるクルマは登場するだろうか? 日産の販売店舗数はトヨタについで2位ながら、販売台数は5位にまで沈み込んでいる。販売現場を軽視しているともとられかねない現状はいつか打破されるのだろうか。
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