フルモデルチェンジしたトヨタのハイブリッド・コンパクト「アクア」に小川フミオが試乗した。
スムーズなパワーユニット
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トヨタ「アクア」が7月19日にフルモデルチェンジした。モーターとガソリン・エンジンを組み合わせたハイブリッド専用モデルの新型は、ひとことでいって、走りのクオリティがうんと上がった。ボディサイズは従来型と同等なので、ダウンサイジングをめざす大人にも向いているのだ。
そもそもアクアは“ハイブリッド・カーを身近なものにする”というコンセプトで2011年に登場。約10年ぶりのフルモデルチェンジでは、ハイブリッド専用車のコンセプトは継承。ただし、新しさはちゃんとある。
最大の”あたらしさ”は、トヨタ自動車が豊田自動織機と共同開発した「バイポーラ型ニッケル水素電池」の採用にある。特徴は、コンパクトで高性能であること。メーカーによると、サイズが同等ならば、従来の約2倍の出力を実現しているそうだ。
乗ったのはアクアのラインナップ中もっとも装備が豊富な「Z」の前輪駆動車だ。LEDを使った灯火類、10.5インチのインフォテイメントモニター、アルミホイール等を標準装備しているモデルである。
感心したのは、たいへんスムーズなこと。トヨタが自慢するだけのことはある新開発のバッテリーの恩恵か。走りだしからパワフルで、中間加速もトルクが落ち込むことはない。電気モーターとエンジンが非常にうまくシンクロしているかんじである。あれよあれよというまに速度が上がっていくのは痛快だ。
ステアリングは正確で、操舵力はちょっと重め。ステアリング・ホイールが中心位置に戻ろうとする復元力(セルフアライニングトルクという)が強めなのが、妙に印象的だ。
慣れると、ステアリングが中立位置に戻ろうとするのを、ドライバーは手のグリップの強さでコントロールできるので、あんがい操りやすく、楽ちんといえば楽ちんだ。
サスペンションの設定はやや硬めで、ホイールベースが50mm延びて2600mmあるものの、道路の段差などはよく拾う。ただしプラスの側面はハンドリングだ。
たとえば、カーブでステアリングを切り込んだとき、フロントがしっかりふんばって、車両がノーズを気持ちよく内側へと入れていくのに、おおいに貢献しているようである。
高速巡航では、ちょっとトヨタ車らしくない、はねぎみの足まわり、と、感じたものの、カーブをいちどでもまがると、すなおな挙動ゆえ、ネガとも思えなくなる。
日本車の電動モデルは完成度が高い!
もうひとつの特筆点は、トヨタのエンジニアがずっとこだわってきている”戻すときの正確性”がしっかり味わえる点だ。たとえば、アクセルペダル。踏み込んでいくときの加速の応答性はもちろん、踏んだ足の力をすこしゆるめた場合の応答性も高い。
人間にたとえるなら、10km/hぐらいで走っていて、それを8km/hに落としたいとき、人間は瞬間的に意図したペースで走り続けられるものだ。いきなりペースが4km/hに落ちてしまい、そこから8km/hに速度を回復しなくてはならない、などというようなことはないだろう。
アクアの場合も、アクセルペダルを少し戻せば、ドライバーの意図した速度になる。ブレーキも力を抜いていくとき、それに応じた減速力が維持される。操舵を含めてすべての操作が気持ちよく線でつながっているかんじだ。
この感覚は、“アクアなんて自分と関係ない”などと思っているクルマ好きにも経験してもらいたいと思う。日産「ノート・オーラ」といい、あたらしい世代の日本の電動車のレベルはかなり高い。
良きパートナー
リアウィンドウのはね上がったような輪郭を含めて、スタイリングはややドギついと感じられるかもしれない。
ただし機能は犠牲になっていない。後席空間もちゃんと身長175cm超のおとなが乗っていられるだけのスペースが確保されているし、荷室もけっこう広くて使い勝手がよい。パッケージングのよさに感心する。
運転席まわりの合成樹脂部品のクオリティもそれなりに確保されているし、シートの基本構造は、(たとえばノート・オーラより)はるかに上等だ。
今回試乗した「Z」の燃費がリッターあたり33.6km(WLTC)とされているのも驚くべきである。最良の「B」では35.8kmに達する。
1490cc直列3気筒に電気モーターというパワートレインは全車共通。FWD(前輪駆動)にくわえ、後輪をモーターで駆動する「E-FOUR」搭載の4WDの2本立てだ。価格は「B」の前輪駆動の198万円にはじまり、「Z」のE-FOURの259万8000円まで。
ダウンサイジングな生活スタイルをめざすひとには、いいパートナーになってくれる可能性大である。
文・小川フミオ 写真・安井宏充(Weekend.)
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