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米国の「ルート66」は日本でいえば「東海道」? アメリカの歴史と文化、バラエティに富んだ風景を体験できます【ルート66旅_02】

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米国の「ルート66」は日本でいえば「東海道」? アメリカの歴史と文化、バラエティに富んだ風景を体験できます【ルート66旅_02】

ルート66が米国人だけでなく国外の人々にも愛される理由とは

アメリカ合衆国を象徴するアイコンのひとつとして、昔から数多くの映画や音楽などに登場する「ルート66」。全長2347マイル(3755km)に及ぶ古い道のファンは世界中にいるが、生粋の日本人である私を含むアメリカと縁もゆかりもない外国人までを、これほど魅了し現地に足を向けさせる理由はいったい何なのだろうか。

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4000キロ近い「旧街道」を旅すると温かなノスタルジーに包まれる

単なる移動手段として考えればインターステート(州間高速道路)のほうが、時間も距離も短縮できるうえ、ほとんどの区間は通行料金もかからない。それでも人々はアナログな地図を頼りに荒れた舗装の感触を味わいつつ、ときには道に迷いながら移動そのものを目的としてルート66を走る。

実際に旅をするとアメリカに住んでいる人だけではなく、長期休暇を利用し全線走破に挑んでいる外国人とも多く出会う。アメリカ人にとっては母国の発展に寄与した道であり、愛着を持つのもトレースしたくなるのも理解できる。しかしアメリカの「母なる道」ルート66はわれわれのような外国人にとっても、初めて目にするにもかかわらず不思議とノスタルジーを感じさせると同時に、それなりの時間や資金を費やしても全線走破を目標にしたくなる道なのだ。

アメリカで4000km近い道をクルマで旅するなんて聞くと、好奇心より不安のほうが勝ってしまう人もいるだろう。犯罪や人種差別のイメージはまだ根強いし、田舎にありがちな排他的な空気も心配だ。ところが実情は正反対もいいところ。これまで5回に及ぶルート66の旅でマイナスの感情をぶつけられた経験はなく、温かい歓迎を受けたり困ったときに手を差し伸べられた思い出しかない。旅人に宿や食事を提供するだけにとどまらず手厚くサポートするのは、ルート66が地図上に姿を現してから一貫して変わらないのだろう。

歴史が100年に満たないので生き証人たちも今なお健在

ときおり「ルート66は日本でいう東海道や中山道ですか?」と聞かれるが、たしかに昔からの基幹街道であり国の発展を支えた点は似通っている。ただし歴史だけに着目するなら、1600年ごろに宿場伝馬制度が採用され、参勤交代や庶民の移動ルートとして繁栄した日本の街道のほうがはるかに長い。

いっぽうアメリカ合衆国の成立はずっと遅い1776年であり、ルート66にいたっては1926年と100年に満たない歴史しかない。そのため当初はダスト・ボウルと呼ばれる砂嵐や貧困から逃亡するための道、その後は物流の大動脈やバカンスで西海岸を訪れるレジャーの道として、時代ごとに表情を変えてきたルート66の歴史を自らの目で見てきた世代が今も残っているし、モノクロではあるが写真でも当時の情景をリアルに知ることができる。

バラエティに富む景色と風土を味わえる

さらに歴史が浅いからこそなのか、保存するための運動も非常に活発。ナショナル(国立)の名を冠した施設から州や自治体の協会によるミュージアム、そして沿線の住人が趣味で運営するようなごく小さい規模のギャラリーまで、ルート66の歴史や魅力を発信しながら旅人を温かくもてなしてくれる。ルート66はアメリカの歴史と文化を追体験する道であり、人情味ある「旧き佳きアメリカ」を肌で感じる道でもあるのだ。

もうひとつはバラエティに富む風景。北方領土を含めた日本列島より長いルート66には、シカゴやロサンゼルスのような大都市から砂漠、森林に穀倉地帯に荒れ果てたゴーストタウン、地球の歴史を感じる大自然までが詰め込まれている。いずれも日本では味わえない壮大なスケールであり、地域によって植生や地質の様相がまったく違う。似たような眺めが続くと思ってもせいぜい2~3時間、景色とあわせて気候やそこで暮らす人たちの気質も変わり、まるで国から国へと渡り歩いてるように錯覚してしまう。ルート66を走ればアメリカのすべてが分かるとは言わずとも、その大部分を肌で感じられるといっても過言ではない。

* * *

第1回から続く前置きはこれくらいにしておき、次はいよいよ現地へと足を伸ばしてみよう。いざアメリカ国内で3番目の大都市であり、ルート66始まりの地でもあるイリノイ州シカゴへ!

■「ルート66旅」連載記事一覧はこちら

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みんなのコメント

9件
  • よくて中山道
  • 日本ではいえません。

    ダイナーにあたるものもコンビニやマクドは論外として…
    元エクスプレスのガソスタ併設のドトールぐらいしかなくて草
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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