おもなアップデートがエンジンの改善
2021年5月21日~23日、富士スピードウェイを舞台に開催されたスーパー耐久シリーズ第3戦「富士24時間レース」にてデビューし、世界で初めて水素エンジンを搭載したレーシングカーとして注目を集めた水素カローラこと「カローラH2コンセプト」が早くもアップデートを実施した。7月31日~8月1日、オートポリスで開催されたシリーズ第4戦の「TKUスーパー耐久レースinオートポリス」に参戦していたのだが、わずか2カ月間のインターバルを利用して、大幅なパフォーマンスアップを果たしていたのである。
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おもなアップデートがエンジンの燃焼の改善で、水素の異常燃焼を抑えつつ、安定させたことで応答性が向上したほか、出力および出力が向上。具体的には約15%のトルクアップを実現したほか、加速性能においても9%の向上を果たしたという。
これと同時に車体に関してもサスペンションメンバーなど約40kgの軽量化を実現した。これによりドライバビリティが向上。
一方、インフラ面においてもFIAとの連携により水素の流速速度を上げることにより、水素充填時間の短縮を果たしており、約40%の向上を実現した。水素ステーションでのノズル接続から抜くまでの作業時間に関しても約5分を要していた前大会に対して、今大会は約3分まで短縮することに成功している。
ちなみにオートポリス大会で使用される燃料は富士ラウンドと同様に福島県浪江町の水素に加えて、大林組が大分県九重町で地熱発電を使って製造した水素、トヨタ自動車九州が太陽光発電で製造した水素を活用するなど、“地産地消のグリーン水素”となっていることも今大会のトピックスと言っていい。
32号車としてカローラH2コンセプトを投入したのは、前回と同様にトヨタ自動車の豊田章男社長がオーナーを務める「ROOKIE Racing」で、井口卓人、佐々木雅弘、MORIZO、松井孝充がドライビングを担当。
このアップデート版の水素カローラのフィーリングについて「富士の時からエンジンはパワーアップしています。富士の段階ではST-5クラスのマツダ・ロードスターといい勝負していたんですけど、ST-5クラスよりも速いタイムが出せるようになりました。もう少しがんばればST-4クラスに近づけるところまで来ています」と佐々木。
さらに井口も「たった2カ月でここまで持ってこられた技術力がすごいと思います。レーシングマシンは次のレースまでにコンマ1秒を削るのが大変なんですけど、このタイムアップは素晴らしい」と驚きを隠さない。
5時間のレースで85ラップを消化!
事実、予選中のベストタイムを見てもST-Qクラスに参戦したカローラH2コンセプトは、ロードスターの456号車がマークしたST-5クラスのトップタイムである2分12秒217を抑えて2分09秒992をマークした。トヨタ86の310号車がマークしたST-4クラスのトップタイム、2分06秒574に迫る勢いとなっている。
カローラH2コンセプトは決勝でもトラブルに見舞われることなく安定した走りを披露。ガソリンエンジン搭載車に対して、水素エンジン搭載車は、ピットストップの際に水素ステーションで水素を充填し、その後、ピットへ移動してタイヤ交換やドライバー交代を行うことからピットストップの時間が長く、総合順位では下位に沈んだものの、それでもカローラH2コンセプトは雨で幕を開け、その後、霧の影響により1時間に渡って赤旗により中断された5時間のレースで85ラップを消化してチェッカーを受けた。
「ガソリンエンジン車より水素エンジンのほうが外気温の影響を受けやすいのかも」と予選を終えた佐々木はエンジニアに対してチェックを促していたが、その一方で「ガソリンエンジン車はガソリンを満タンにするとか重たいけれど、水素エンジン搭載車は水素を満タンにしても7kgぐらいなので、まったく重くならない。1回のスティントに対して最初から最後までフィーリングがかわらないので、そのあたりも特徴かもしれません」と水素エンジン搭載車を分析する。
「5時間のレースですが、今回の仕様も24時間レースで戦える状態です。水素の噴射圧など、富士の時は余裕を持っていたんですけど大丈夫だということがわかってきた。前回の富士がガソリン車に対して8割だった出力を今回は9割にしました。次で並びたいし、最終戦では燃費を犠牲にすることなく、ガソリンエンジン車を出力で超えたい」とエンジン開発を担当する山崎大地氏。わずか1戦だけの経験で大幅な飛躍をとげているだけに、今後もカローラH2コンセプトの動向に目が離せない状況が続きそうだ。
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みんなのコメント
自動車メーカーに限らず日本のためになる技術開発なら俺は税金投入されても構わんがね。
寝ている国会議員に無駄金消費されるより大いに有意義。
雑な返信と投票操作で最近は満足なのかな?