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2022年上半期一番売れたクルマはやはりN-BOX!! なぜこんなに強いのかをオーナー自身が分析する!

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2022年上半期一番売れたクルマはやはりN-BOX!! なぜこんなに強いのかをオーナー自身が分析する!

 日本自動車販売協会連合会と全国軽自動車協会連合会が2022年上半期(1~6月)の車名別新車販売台数(速報)を発表し、ホンダ N-BOXが2年ぶりのトップに返り咲いた。

 2021年度(2021年4月~2022年3月)の販売台数では19万1534台を記録しており、軽自動車新車販売台数では7年連続の第1位を獲得している。

2022年上半期一番売れたクルマはやはりN-BOX!! なぜこんなに強いのかをオーナー自身が分析する!

 N-BOXで売れている価格帯はコンパクトカー以上となる200万円台とのことだが、なぜこんなにもユーザーからの支持が高いのか、すでに1年半以上N-BOXを所有している小沢コージ氏がオーナー目線で深堀りする。

文/小沢コージ、写真/HONDA

■不満のなさ感が凄く、しかもそれが広く長く続く……

2017年に登場した現行型ホンダ N-BOX。2022年上半期で最も売れたクルマとなった

 くぅ~、2022年上半期だけで10万3948台だと! またまたホンダ N-BOXがバカ売れ街道驀進中だ。というか昨年台数が落ちたのも本当の原因はパーツ供給の遅れで実質的人気は落ちていなかった。そう考えると、ここ7~8年はブッチギリでオールジャンル乗用車で売れていることになる。

 正直N-BOXを持っていない人、乗っても一瞬くらいの人ならば実感として「いいクルマだし、小さいわりに広いのもわかるが、なんでそんなに売れるの?」くらいの感覚だと思う。

 いくらN-BOXのデザインがいいと言っても高級セダンやハイブランドSUVみたいなグリルの押し出し感や高級感はないし、インテリアも同様。本革シートは設定すらないし、インパネにソフト樹脂もほぼ使われていない。

 そもそもが横幅より高さのあるタテヨコ逆転の商用車的フォルムだし、それも背高スライドドアの元祖、ダイハツのタントが作り出したフォーマット。スペース効率は確かにN-BOXが優れてるし、ホイールベースも最も長いが、競合車のスペーシアやタントに比べて1割広いとは思えない。よくてせいぜい数%だろう。

 というか、もはやリクツじゃない領域に達していると思うのだ、今のN-BOX人気は。小沢は現行型で1番安いホンダセンシングGに4年乗っているがとにかく「これで充分」な感じが凄い。「物足りない感」はほぼ皆無と言っていい。

■ほどよい満足感が絶妙!

ホンダ N-BOX インテリア。インテリアもエクステリアも質感が高く、軽自動車のニオイを感じさせない

 実は軽全体も平成10年(1998年)に規格改正されてからが凄く、全長が3.4m、全幅1.48mに拡大され、当時衝突安全はコンパクトカー並みになったと言われた。

 具体的に、当時売れてたスズキワゴンRに乗ると「ま、これでいっか?」と思ったもの。だが、今のN-BOXはそれを超えて「ま、これでいいか」と感じるのだ。

 それは細かくいうとエクステリアやインテリアデザイン、インテリアの質感、ステアリングの重さやしっとり感、エンジンのパワー感、乗り心地の質、段差を乗り越えた時の振動、エンジンやロードノイズの透過音、スイッチ類のタッチ類すべてに渡ってそうだ。

 比べると、今のガチ競合たるスズキのスペーシア、ダイハツのタントも質感は相当上がっている。

 特にスペーシアは軽自動車「匂」的な要素をスズキとして極力排除し、質感が全体に上がった。それはノーマルモデルの4本ルーバーのメッキもそうだし、インテリアのリモワのスーツケースを模したような助手席前の樹脂カバーもそう。

 だが、細かく見るとスイッチ類はプラスティッキーで軽っぽさを感じるし、乗り心地のゴツゴツ感も微妙にそう。

 もっと言うとステアリングの微妙なしっとり感や、エンジンサウンドのカンを叩いたような透過音も「微妙にそれっぽいかも?」と思うところがある。

■いわゆる「軽」っぽさが皆無

正面から見たN-BOX。自動車デザイナーに「最もキャビン(ガラス部分)とボディのバランスがいい」と言わしめた

 それらに比べると、N-BOXは「軽に乗ってる気がしない」のだ。それは4年間乗ってつくづく実感する。それは前述の細かい質感の積み重ねとエクステリアのバランスだろう。

 某自動車デザイナーの証言だが、「N-BOXが最もキャビン(ガラス部分)とボディのバランスがいい」と言っていた。N-BOXに比べると、競合車は微妙にガラス部が大きかったりして微妙にバスっぽい。さらにいうと情けない話、「ホンダブランド」もなんだかんだで大きく効いてるとも思う。

 申し訳ないがスペーシアに乗り、タントに乗ると「軽に乗ってる」感じが拭い切れない。それは前述の各質感と、最終的にはブランドイメージだ。ホンダは最近比率がガタ落ちとはいえ、軽メーカーではなく、登録車メーカーのイメージがあり、街中には大規模ショールームが多く点在している。

 かたやスズキやダイハツは軽メーカーであり、また時に業販店があり、さらに質感が上がっていたとしてもより安い軽セダンとパーツを供給している。なにより軽ブランドとしてのイメージが長くて古い。そういう根本的なところがジワジワ効いていると思うのだ。

■N-BOXが持つ大衆的安心感

ホンダ N-BOX(左)とN-BOXカスタム(右)

 さらに言うなら大衆がベストセラーを買う心理として「安心感」がある。人には「誰も持ってない自分のものが欲しい」という欲求と同時に「誰もが持っている失敗しないものが欲しい」という欲求がある。それはまったく逆の方向だが、N-BOXには後者が強く働いている。

 それは敢えて例えるなら一時期のユニクロを選ぶ感覚にも似ている。最近でこそ実績下降気味だが、正直小沢自身、ポロシャツを着て、ジーンズを履いていると個人的にはほとんど不満を感じない。

 一時はコロナ期にお金持ちで「ユニクロを買って、一度着たら捨てる」という人がいると聞いたが、それも妙に納得。これだけ出回るとド定番の魅力というか、逆に「人と同じでいいか」的な心理も生じるし、質感に対する信頼感も上がる。

 もちろん、この手の感覚は人それぞれで、異論反論あるとは思うが、小沢はN-BOXにユニクロにも似た安心感を覚えている。

 また下世話な話、N-BOXは維持費が安い。今まで登録車に乗り、毎月3万円前後払っていたのが1万800円になったのはやはり気楽だし、そもそもN-BOXは中古が高かった。

■幅広い層が手に入れられるクルマ

 小沢が現行型N-BOXを買ったのは2018年のことで、最初は初代N-BOXでもいいと思っていたが、中古価格が軒並み100万円超えで、しかも現行は先進安全のホンダセンシングが標準なのだ。それも進化したタイプが。

 もはや多少高くても新車を買うっきゃないと思ったし、今でも中古価格は高値安定。そういう意味でもまったく失敗のない買い物だ。

 そう、N-BOX人気はなかなか生み出そうと思っても生み出せない構造的なものなのだ。

 奇跡的な全体的な質感の高さと同時に、ホンダのブランドイメージがプラスに働いてるし、日本人全体の貧乏化もある。かつてクルマは200万円も出せばいいのが買えたが、今や軽と一部コンパクトカーぐらいしか選べない。そこでN-BOXは総合的に輝いている。

 それは疑いようのない事実なのだ。

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みんなのコメント

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  • 白物家電と一緒。
    お財布握った主婦が消去法でクルマ選びしたら、軽ハイトワゴンコスパ最強だから。
  • 軽に乗ってる感がしない。それは妥協でしょ。乗用車乗ってから乗りかえたらそんな風に感じないけど
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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