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【世界有数の走破性を普段遣い】ランドローバー・ディフェンダー110 D240へ試乗

掲載 更新 4
【世界有数の走破性を普段遣い】ランドローバー・ディフェンダー110 D240へ試乗

英国で最も一緒に暮らしやすいのはD240

text:Matt Prior(マット・プライヤー)

【画像】最新ディフェンダーをじっくり 全71枚

translation:Kenji Nakajima(中嶋健治)


新しいランドローバー・ディフェンダーには、ボディ長やエンジンなど複数の選択肢が用意されている。その中でディーゼル・ターボエンジンのD240は、英国で最も一緒に暮らしやすいモデルといえそうだ。

最高出力は240ps、最大トルクは43.7kg-m。馬力は控えめだからといって、燃費が特に良いわけではないけれど、素のディフェンダーD240 Sの価格は妥当なものだと思う。

しかも、世界でも有数の高い走破性能を備えている。恐らく世界トップかもしれない。心強い相棒になる。

最新のディフェンダーは、当初5ドアの110が導入される。ホイールベースの短い90が、少し遅れて続く。ベースとするのは、ランドローバー社製のロンジチューディナル(縦置き)・エンジン・アーキテクチャー。主要素材はアルミニウムで、同社の中で最も強固な土台だ。

エンジンはD240にも搭載される2.0Lのディーゼル・ターボエンジンと、3.0Lのガソリン・ターボエンジンを用意。最大牽引重量は、3500kgとなる。

当初はエアサスペンションが標準で、最大900mmの渡河深度に対応。注目に値するほどの、オフロード性能の一端を示している。スチール製コイル・サスペンションも、追って選べるようになる。

前回はアフリカの広大な砂漠での試乗となったが、今回は英国の舗装路が舞台。やっと、初めて走れる。

ナミビアで試乗した際、一番気になったところが1996mmという全幅。舗装区間が少ないとはいえ、広々としたアフリカとは違い、狭い英国の一般道での印象はどうだろうか。

上質なインジニウム・ディーゼル

実際に運転してみると、心配不要だった。ディフェンダーは初代譲りの高いドライビングポジションに大きなステアリングホイール、低いウエストラインが与えられている。

ボディの四隅の位置も掴みやすく、狭い地方都市の道に沿って運転することも、難しい作業ではない。しかも、乗り心地が非常に良い。

ランドローバーは、ディフェンダーへ比較的ゆったりとした足回りを与えた。コーナーでは速度を高めるほど明確にボディは傾くが、その度合は制御されており、効果的な姿勢制御だと感じる。

昨今のSUVは、スポーティな走りの実現に注力されることが多いが、ディフェンダーは違う。ランドローバーは、あえてSUVではなく4×4だと主張し、落ち着きのある乗り心地を実現している。

並外れた、といえるほどに、身のこなしはジェントル。動的性能も、シャープになりすぎることなく、好印象にまとめている。

2.0Lのインジニウム・ディーゼルエンジンは静か。エンジンのラインナップが発表された時、ディーゼルには疑問を抱いたが、実際に確かめてみると洗練性は一級品だった。

これまで筆者が試乗した、ベストに並ぶ上質さを備えている。トヨタ・ランドクルーザーや、フォード・レンジャー・ラプターと比べても、静寂性に優れている。タイヤのロードノイズも同様に大人しい。

トランスミッションは8速ATのみで、ローレンジ・レシオを備える。電子ロック機能の付いたセンター・デファレンシャルは標準装備。リアにも1000ポンド(13万円)の追加費用でeデフを搭載できる。

伝統の悪路性能、洗練性は別次元

インテリアの印象もイイ。Sグレードは、ベーストリムの1つ上。それでも、ハーフレザーのヒーター付き電動フロントシートを備える。デジタルモニターとスマートフォンとの連携機能も装備する。

すべてのトリムグレードで、ボディ同色のインテリアパネルと露出したビスが付いてくる。つまり、基本的に体験できる機能は、上位グレードと変わらない。低級さも、もちろん感じない。

初代のディフェンダーらしいデザインが、インテリアを特別な空間にまとめている。価格が5万2110ポンド(693万円)もするから、特別で当然ではある。

ディーゼルエンジンを搭載した110の車重は、オプションを盛大に追加しなければ2248kg。この重さでのWLTP値の燃費は、10.6km/Lを超えてくれる。

オプションに応じて、10.4km/Lから11.2km/Lの範囲になるそうだが、トヨタ・ランドクルーザーよりは良好。ジープ・ラングラーと並ぶ感じだ。

プラグイン・ハイブリッドも、追々登場する予定。商用車仕様の場合、最大積載量は900kgだが、ピックアップ・トラック版は計画にはない。

新しいランドローバー・ディフェンダーは、初代ディフェンダーとは異なる立ち位置でのスタートとなった。ランドローバーというブランドが生まれた、基本的で実用的なクルマではなく、パーソナライズにも適したプレミアム・モデルとして。

変わっていない部分は、舗装路からはるかに離れた場所も走れるということ。しかし、悪路での上質さと洗練さもまた、まったく別次元にあるのだった。

ランドローバー・ディフェンダー110 D240(欧州仕様)のスペック

価格:5万2110ポンド(693万円)
全長:4758mm
全幅:1996mm
全高:1967mm
最高速度:188km/h
0-100km/h加速:9.1秒
燃費:10.4km/L
CO2排出量:251g/km
乾燥重量:2248kg
パワートレイン:直列4気筒1999ccターボチャージャー
使用燃料:軽油
最高出力:240ps/4000rpm
最大トルク:43.7kg-m/1400rpm
ギアボックス:8速オートマティック

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みんなのコメント

4件
  • 世界有数の走破性?
    アスファルトの上の話?
  • ディスカバリーのお下がりか?

    安くて良いかも?

    故障は変わらず?少し良くなった?

    十数年前のディスカバリー 3年間で19回故障 延長保証3年入っていたので助かったが
    翌年、販売店倒産!
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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