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【特集:LEXUSの挑戦と熟成、そして革新(3)】BEVモデル初「F」のポテンシャルはいかに!? LEXUS RZ450e 特別仕様車&300e プロトタイプ試乗

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【特集:LEXUSの挑戦と熟成、そして革新(3)】BEVモデル初「F」のポテンシャルはいかに!? LEXUS RZ450e 特別仕様車&300e プロトタイプ試乗

東京オートサロン2024にも展示された注目モデル、RZの特別仕様車Fスポーツパフォーマンス。多くの空力パーツを装着することで、BEVならではの走りの楽しさをどのようにグレードアップしているだろうか。

日常域でも特別なドライビングプレジャーを実現
レクサスのBEV専用銘柄として23年春に発売を開始したRZ。グレードは前後軸にモーターを配する4WDの450eのみだったが、23年の冬に前輪駆動の300eが追加されている。

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また、その機に合わせて、外気温の低い環境下で、空調用のヒーターの熱を利用してバッテリーの温度を速やかに適温に近づけることで充電速度の向上を実現するサーマルマネジメントを採用、外気温0度以下で90kWの急速充電使用時に、最大で30%の改善をみているという。

BEVは技術的にも知見的にも変化しろがまだまだ大きく、性能も頻繁に見直されるがゆえ、買い時の見極めがなかなか難しいのは致し方ない。逆にメーカー側としては、多少気が早くても、今欲しいとカスタマーに思ってもらえる満足感の高いBEVを作ることがポイントとなってくる。

そういう意味で他にない価値を提供しようとしているのがRZ450eに設定された特別仕様車の「Fスポーツパフォーマンス」だ。このグレードが設定されるのはIS500、RX500hに次いで3モデルめとなる。

位置づけとしてはFスポーツ以上F未満、日常域でも特別なドライビングプレジャーを満喫できるというところに重点を置いたそれは、計17点からなる空力エフェクトパーツとワイドトレッド化やタイヤホイールの大径化によるダイナミクス変更、それに合わせ込んだ足まわりのチューニングというのが主な内容となる。

空力エフェクトパーツについては、エアレースパイロットの室屋義秀選手のチームから得られた航空機的見地からのアドバイスをレクサスのエンジニアが形状化している。

土台となっているのは23年のオートサロンで展示されたコンセプトモデルだが、たとえばリアの二段ウイングの上段側の仰角は、下段側の能率を最大限に活かす導風板として使われるなど新しいアイデアが織り込まれている。

ベースの450eに対して70 mmも広がった全幅とそれに準じて広げられたトレッド、そのディメンジョンを軸にレクサスのエンジニアと共に下山テストコースを走り込み、走りの味付けを決めたのはレーシングドライバーの佐々木雅弘選手だ。

ちなみにパワートレーンやバッテリーなど、動力源に関わる要素はノーマルの450eと同じ。というわけで速さに対処するというよりも、独自の走りの深度を追求する方向で開発されたものであることが予見できる。

空力パーツによって得たBEVモデルらしい走り
その読みが外れてはいないことが、走り始めからじわじわと伝わってきた。低中速域の乗り心地は突き上げなどの不快要素が増えることを最小限に留めながら、追従性をしっかり確保したスキッとした転がり感が印象的だ。

コーナリングは太いタイヤにも引っ張られ、さすがに入り始めはガチッとしたフィードバックだが、その後は駆動配分制御も加わっての強力なグリップ感でじっとりと粘りながら曲がっていく感が伝わってくる。

自重の重さは気にならないとはいえないが、重心の低さがそれを相殺するかのような印象で、クルマを曲げているというよりも物理を曲げているような張り付き感はBEVならではの特質といったところだろうか。

とはいえかなりの速度域に至っても車体の挙動がピタッと安定している辺りに、空力的効果が現れているのかもしれない。

でも個人的には、まるで着色のない至極自然で軽快な動きや、これぞという静粛性やまろやかな乗り心地を全域で味わえる300eのほうにも、レクサスならではのBEVのあり方が垣間見えた。

同等のパッケージで2モーター4WDの450eとの価格差は60万円ということで、価格帯を鑑みれば多くのカスタマーは300eをスルーしそうな気もするが、穏やかさのレベルがレクサス随一である上に、599kmという航続距離を有するこちらを味見もしないのはちょっと勿体ないかなと思う。(文:渡辺敏史/写真:レクサスインターナショナル)

レクサスRZ450e Fスポーツ パフォーマンス 主要諸元
●全長×全幅×全高:4810×1965×1625mm
●ホイールベース:2850mm
●車両重量:2110kg
●モーター:フロント1基/リア1基
●最高出力:前150kW(203.9ps)、後80kW(109ps)
●最大トルク:前266Nm、後169Nm
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●航続距離(WLTCモード):494km
●駆動方式: 4WD
●タイヤサイズ:前255/40R21、後295/35R21
●車両価格(税込):1180万円

レクサスRZ300e バージョンL 主要諸元
●全長×全幅×全高:4805×1895×1635mm
●ホイールベース:2850mm
●モーター:フロント1基
●最高出力:150kW(203.9ps)
●最大トルク:266Nm(27.1kgm)
●バッテリー総電力量:71.4kWh
●航続距離(WLTCモード):599km
●駆動方式:FWD
●タイヤサイズ:前235/60R18
●車両価格(税込):820万円

[ アルバム : レクサス RZ450eFスポーツパフォーマンス試乗 はオリジナルサイトでご覧ください ]

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