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なぜ毎年進化する? 86/BRZは育てるクルマ! 両車の細かな違いとは

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なぜ毎年進化する? 86/BRZは育てるクルマ! 両車の細かな違いとは

■スポーツカーは育てるもの? その真意とは

 2012年に登場したトヨタ「86」とスバル「BRZ」は、「スポーツカーは育てる必要がある」という考えから毎年改良がおこなわれてきました。ちょっとマニアックになりますが、ここではその歴史を振り返ってみたいと思います。

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 1回目の改良(B型:2013年)は不具合対応(イグニッションコイル/エンジンノイズ)が主で、BRZのみ装備/オプションの見直しがおこなわれました。

 2回目の改良(C型:2014年4月)は、フロントサスペンションメンバー/リアダンパー取り付けボルトのフランジ厚さをアップさせることで結合剛性アップとショックアブソーバーの特性変更(ピストン/バルブ/オイル)を実施。これらは従来モデル(A/B型)のユーザーもアップデート可能な内容で、多くのユーザーが試したと聞きます。

 また、C型への進化と合わせて、86はZFザックス製アブソーバーとBBS製鍛造アルミホイール(18インチ)を用品設定。これらはメーカー自ら量産の枠を超えた“理想の86”として開発をおこなったことから、「ファクトリーチューン」と呼ばれました。

 3回目の改良(D型:2015年4月)は、C型とは違い既販モデルが後から手を入れるのが難しい部分に手が入りました。

 ボディは相対的にリア周りが弱いといわれていたので、リアバルクヘッド周りの板厚を上げることで剛性をアップ。

 この変更に合わせて電動パワーステアリングの特性もアップデート。実はこれらの変更は次の改良への準備という意味合いもあったそうです。

 4回目の改良(E型:2016年7月)は初の大幅改良となりました。エクステリアはフロントバンパー、ウインカー内蔵のフルLEDヘッドライト、フェンダーガーニッシュ、LEDリアコンビランプ、新デザインのリアウイング、アルミホイール(17インチ)などを変更。

 インテリアは新デザインのステアリングホイール(直径365→直径362、回転慣性重量10%低減)、マルチインフォーメションディスプレイ内蔵の新デザインのメーター、さらに各パネル類の変更や配色も変更されています。

 ボディ/シャシはD型での剛性アップに加えて、エンジンルーム内のV型のブレース取り付け部の剛性アップ、リアはホイールハウス内にパッチの追加とスポット溶接追加、フロアトンネルのブレースの板厚アップなどをプラス。体幹を鍛えたボディにあわせバネ/ダンパー(ショーワ製)/スタビライザーなどが再チューニングされています。

 また、86では、ディーラーオプションだったザックス製ダンパーはメーカーオプションに昇格し全グレードに設定。

 一方、BRZはザックス製ダンパーとブレンボ製ブレーキ、7.5Jアルミホイールを装着する新グレード「GT」を追加。その後、86にもそれに相当する「ハイパフォーマンスパッケージ」が追加されています。

 パワートレインにもメスが入り、エンジンは吸排気系とエンジン内部のフリクション低減、ブロックの剛性アップを実施などにより、MT車は最高出力が200馬力から207馬力、最大トルクが205Nmから212Nmへとアップ。また、ファイナルは4.1から4.3にローギアード化され加速性能も向上しました。

■まだまだ進化は止まらない!? 次期型モデルはいつ出る?

 5回目の改良(F型:2017年9月)は、D型と比べると変更は控えめながらも、より純度の高いハンドリングのためにステアリングの支持剛性強化とそれに合わせて電動パワーステアリングの特性を変更。また、リリースには記載されていませんがボディにも手が入っており、インパネ中央部の空調室内ユニット貫通穴の構造補強とリアバルクヘッド周りの板厚アップがおこなわれています。

 また、86には量産コンプリートカー「GR」を追加。2017年に限定100台が発売されたニュル24時間レースカーのロードモデル「GRMN」譲りのアイテムを多数採用。GRMNのピュアな走りの良さを受け継ぎながらも、ハンドリングと快適性のバランスは“大人向けスポーツ”といった位置づけでした。

 BRZは2013年/2015年に限定発売された「tS」の技術やノウハウを盛り込み、スバルとSTIが共同開発した量産コンプリートカー「STIスポーツ」を追加。量産モデル初採用のフレキシブル補剛パーツに加え、18インチアルミホイール&タイヤ、専用セットのサスペンション、専用の内外装などが奢られ、スポーツとプレミアムをバランス良くアップ。BRZのフラッグシップグレードにふさわしい1台となっていました。

 6回目の改良(G型:2018年9月)は、BRZのみ空力操安の考えを盛り込んだリアアーチフィンの採用と、それに伴うダンパーチューニングの最適化を実施。

 86の変更はありませんでしたが、2017年に設定されたGRの弟分となる「GRスポーツ」を設定。内外装はGRの意匠を継承、走りは「ハイパフォーマンスパッケージ+α」といった内容。

 また、既販モデルにGR用パーツのなかから好みのパーツを選んでカスタマイズが可能な「GRパーツ」の販売もスタートされました。

 7回目の改良(H型:2019年4月)は86/BRZ共に大きな変更はなく、ボディカラーの変更や内部突起法規対応の小変更のみでした。

 ただ、開発陣の言葉を借りると、「現行モデルでやれることはほぼやり切った」ということだと解釈してもいいと思います。2020年に8回目言いたいところですが改良なく、H型が現行モデルとしての最終型となります。

 ちなみに自分の86/BRZがどの世代のモデルなのかは簡単にチェックできます。車体番号やそのクルマ固有の情報が記載された「コーションプレート」が助手席ドアを開けた部分に貼られています。

 ここに「アプライドモデル」と記載されていますが、86ならZN6、BRZならZC6に続きA/B/Cなどと記されていますが、ここで確認可能です。

 このように86/BRZの進化・熟成の歴史は、スポーツカーとしての走りの“純度”を引き上げる歴史といっていいでしょう。

 2代目となる次期型が2021年登場といわれていますが、初代で培ったノウハウや知見、ユーザーからのフィードバックは色濃く反映されているはずなので、大きなレベルアップは間違いないでしょう。

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みんなのコメント

3件
  • スバルはインプレッサWRXでも毎年改良はやっていましたからね。
    そういう土壌は有ったんでしょう。
  • ちゃんとした熟成を重ねていくんなら無理にモデルチェンジなんかしなくてもいい。特に売れたモデルのフルモデルチェンジなんかロクなもんがない。クーペなのに後席が狭いとか、ファストバックのトランクが狭いとか、どーでもいい意見の対応をするためにモヤモヤした車が出てきちゃう。86もこのまま行ったらデカイやつになっちゃうんでしょ?
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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