究極のアメリカンスーパーカー「コルベットZR1」が2025年に登場
欧州のスーパーカーと戦うためにミッドシップレイアウトを採用したシボレー現行C8型「コルベット」に、一部の歴代モデルにラインアップされていた「ZR1」が発表されました。2025年から生産が開始されるZR1はどんなモデルとなるのでしょうか?
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エンジンは米国の自動車メーカー史上最強のスペックを誇る
アメリカを代表するスーパースポーツカーといえばシボレー「コルベット」。1953年に発表された初代C1型「コルベット」からはじまり、2019年に登場した現行型となるC8型「コルベット」で8世代目となる。71年にもわたって作られ続けている歴史あるモデルだ。そのコルベットに、最強グレードとなる「ZR1」を追加することを本国のGM(ゼネラルモーターズ)が発表した。登場は2025年を予定している。
そもそも現行型のコルベットは、長い歴史の中で初めてエンジン搭載位置をフロントからリアミッドに移動したことで話題になったモデルだ。FRレイアウトを捨てミッドシップを選択したのは、ライバルである欧州勢のスーパースポーツカーと戦うため。モータースポーツでの戦闘力向上を狙ったのが最大の理由だ。そして現在、現行型コルベットをベースにしたレーシングカーの「C8.R」、グループGT3規定に適合した「Z06 GT3.R」が、IMSAウェザーテック・スポーツカー選手権やFIA世界耐久選手権(WEC)といったレースで活躍している。
市販モデルはというと、最高出力502psを発生する6.2L V8 OHV自然吸気エンジンを搭載したクーペとコンバーチブルをスタンダードグレードとして展開。これにレーシングカーのC8.Rをベースに開発された「Z06(ズィー・オー・シックス)」を高性能スペシャルモデルとしてラインナップ。ちなみにZ06に搭載されるのは、5.5L V8 DOHC自然吸気エンジン。排気量こそスタンダードモデルよりも小さいが、8550rpmという高回転域で最高出力646psを発生させる。
さらにコルベットファミリーの最新モデルとして、電動化&全輪駆動を採用した「E-Ray」もラインアップされている。最高出力162psを発揮するモーターがフロントアクスルを、502psのV8エンジンがリアアクスルを駆動する駆動システムである「eAWD」を搭載した新しいコルベットだ。
これらの上位モデルとしてコルベットの頂点に位置するのが、ZR1というモデルだ。搭載するエンジンはZ06に積まれた5.5L V8 DOHCをツインターボ化したもので、最高出力は1064ps。米国の自動車メーカーが製造したV8エンジンとしては史上最強のスペックになるという。
最強の名に相応しい1000馬力オーバーのZR1とその先にあるもの
そもそもコルベットにZR1が初めて登場したのはC3型の時代で、1970年から1972年の2年間にわたって「ZR-1スペシャルパッケージ」というオプションが設定された。LT1エンジンを搭載し、足まわりやブレーキなどの強化されたパーツが用意され、53台が製造されたという。
次に登場したのはC4型になってから。当時、GMの傘下だったロータスが作り上げた最高出力385psを発生するオールアルミ製のV8 DOHCエンジンを搭載。これに精密な6速MTを組み合わせたC4の「ZR-1」は決して直線番長なモンスターマシンではなく、シボレー自ら「King of the Hill(キング・オブ・ザ・ヒル)」と呼ぶほどスポーツカーとしてバランスの取れた1台だった。
そんな「King of the Hill」の名を受け継いだのが、ミッドシップレイアウトへと変貌を遂げたC8の最強バージョンとなる「ZR1」だ。「The King of the Hill returns(キング・オブ・ザ・ヒルが帰ってくる)」と謳われる今モデルは、前述したように1000psオーバー&1000Nmオーバーのエンジンを搭載し、足まわりにはマグネティックライドダンパー(磁性流体ダンパー)を採用。さらにオプションとしてサーキット走行に特化した足まわりの「ZTKパフォーマンスパッケージ」を用意している。
このほかにもカーボン製の空力パーツを装備し、トップスピードでの走行時には1200ポンド(約544kg)ものダウンフォースを発生させ、カーボンコンポジットディスクのブレーキシステムを装備するなど、まさに最強の名にふさわしい1台となっている。なお、GMはそんな最強モデルであるZR1をベースに、すでに市販されているE-Rayの、ハイブリッドシステムを組み合わせたモデルを開発中との噂。C8コルベットの進化はとどまることを知らないようだ。
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