■トヨタ新型「アーバンSUV C」まもなく登場?
スズキ初めての本格BEV(バッテリーEV)となる新型「e VITARA(eヴィターラ)」が、11月上旬に発表されました。
これは2023年1月のインドの「オート・エキスポ」、同年10月の日本の「ジャパンモビリティショー2023(JMS2023)」で公開されていたコンセプトカー「eVX」の量産モデルであり、スズキのBEV世界戦略車の第一弾となります。
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新型e VITARAは、SUVらしい力強いデザインに、高効率な2つのeアクセルを備えた電動4WDです。
バッテリーには安全性に有利と言われるリン酸鉄リチウムイオン電池を採用。プラットフォームも新開発されたBEV専用の「HEARTECT-e(ハーテクト-e)」が採用されています。
欧州仕様として発表されたスペックは次のようなものとなります。
サイズは全長4275mm×全幅1800mm×全高1635mm。搭載するバッテリー容量は、49kWhと61kWhの2種。駆動はFFと4WD。
最高出力はFFの49kWhバッテリー仕様では106kW、61kWhバッテリー仕様では128kW。4WDは61kWhバッテリーのみで、最高出力は135kWとなります。
2025年春からインドで生産が始まり、同年夏ごろから欧州、インド、日本などで順次発売されるとアナウンスされました。
スペック的には、スズキの新型SUVである「フロンクス」よりも一回り大きいB~Cセグメント相当のサイズ感と言えるでしょう。
欧州ではコンパクトカーであり、日本やインドではファーストカーとして見られる、絶妙な車格です。コスパに優れたスズキ車であり、しかもインド生産ということで、eヴィターラの価格は、かなりのお値打ち感があるはず。ヒットの匂いが漂います。
そして、そんなスズキ初のBEVは、さらなる大きなヒットの可能性が秘められているのです。その理由は、トヨタへのOEM供給です。
スズキは、e VITARAの発表の直前となる10月末に「スズキとトヨタ、電動車領域で協業を深化」と発表しました。もちろん、同じ内容のリリースはトヨタからも発表されています。
その内容は、スズキが開発して2025年からインドで生産開始する予定の新型BEVをトヨタにOEM供給するというのです。スズキの新型BEVは何かといえば、それはe VITARAだというわけです。
そして、思い出してほしいのがトヨタ「ライズ」とダイハツ「ロッキー」の関係です。コンパクトSUVであるライズは、ダイハツが開発・生産して、トヨタにOEM供給したというクルマです。
このうちトヨタ版であるライズが売れに売れたのです。ライズの発売は、2019年暮れであり、その翌2020年上半期(1~6月)には登録車販売ナンバー1を獲得します。
つまり、「カローラ」や「ヤリス」を上まわるほど売れたのです。ちなみにダイハツ名義のロッキーは21位です。トヨタの看板と営業力があったことで、同じ中身であってもライズはロッキーの数倍も多く売れたのです。
それと同じことが、e VITARAでも起きることが予想されるのです。スズキだけで売るよりもトヨタでも売った方が、何倍にも大きく売れるというわけです。
ちなみに、e VITARAのトヨタ版としては、2023年11月に欧州で発表されている「アーバンSUVコンセプト」であると推測できます。
顔つきは異なりますが、横から見たときのフェンダーや後席ドアのかっこうがそっくり。
しかも、2つのバッテリー容量があり、駆動方式はFFと4WDの2種で、寸法は全長4300mm×全幅1820mm×全高1620mm、であるというアーバンSUVコンセプトの説明は、e VITARA(eヴィターラ)にもぴったりとあてはまるのです。
トヨタは、2026年までに6モデルのBEVを欧州に導入する計画であり、その中で最も小さいのがアーバンSUVコンセプトです。スズキならではのコスパの良さに、トヨタの看板と販売力がかけ合わされば、驚くほどの大きなヒットになる可能性があります。
まもなく生産が開始されるであろう、e VITARAの売れ行きは要注目です。
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みんなのコメント
日本の道路で1800mmは結構なストレス。