高耐久なツインカム4気筒エンジン
初代マツダMX-5(ユーノス・ロードスター)のツインカム4気筒エンジンは高耐久だが、適切なメンテナンスを怠ると寿命を大幅に縮めてしまう。中古車を探す場合は、まず過去の整備記録を良く確かめたい。
【画像】世界が喜んだレシピ マツダMX-5(ロードスター) 初代から4代目まで BBR社のチューニング仕様も 全131枚
定期的なオイル交換をサボっていると、始動時のタペットノイズが大きくなる傾向がある。だが、これに関しては深く心配する必要はないだろう。
タイミングベルトの交換は、9万6000km毎か6年毎が、英国仕様では指定されている。ただし、万が一ベルトが切れてもピストンとバルブがぶつかるようなことはない。
ショートノーズ・クランクプーリーに小さなボルトが用いられた初期の1.6Lユニットでは、クランクシャフトが破損することがある。プーリーに遊びがないか調べたい。回転数が安定しない場合は、エアフローメーターの交換で改善することが多い。
ヘッドガスケットの劣化は珍しくない。ラジエターの内部が詰まり、オーバーヒートを招くことで生じがち。ラジエター自体とクーラントの状態や、エンジンオイルがクーラントと混ざり乳化していないか、予め調べたい。
始動時の排気ガスの色もチェックポイント。水色や白っぽい場合は、エンジン内部が摩耗している証拠といえる。英国の場合、エンジンのリビルドには3600ポンド(約65万円)ほど必要になる。
モダンクラシックとして価値が上昇中
MX-5のボディは比較的錆びやすいが、スポーツカーが故に、事故歴を持つ車両も少なくない。正しく修復を受けているか、丁寧に観察したい。
走行距離が長くても、適正にメンテナンスされてきた車両なら、購入を見送る必要はないだろう。グレートブリテン島には、入念に手入れしながら30万km以上を走っているMX-5も少なくない。
逆に長期間乗られていないと、リアのブレーキキャリパーが固着するなど、違う不具合が生じてしまう。電気系統の信頼性は高いものの、放置していると不調になることも。リトラクタブル・ヘッドライトやエアコンなど、すべてが正常に動くか確かめたい。
オーナーの好みで改造されている例は多いが、今後の価値という点ではオリジナル状態の方が望ましいだろう。社外品のアルミホイールを履いている例は、一般的といえる。
マツダのカリフォルニア・オフィスに在籍していた、俣野努氏によってデザインされたスタイリングは、優しくカーブを描きシンプル。ブリティッシュ・スポーツカーの理想像を、タイムカプセルで残したような雰囲気を漂わせる。
近年は、モダンクラシックとして価値が上昇傾向にある。それを受け、2018年にマツダはMX-5のレストア・プログラムを始動し、オーナーを喜ばせた。
購入時に気をつけたいポイント
ボディとシャシー
サビが初代MX-5最大の敵。サイドシルやフロアパン、ホイールアーチ、シャシーレール、荷室フロアが主な弱点。特にサイドシルは修復が困難だ。排水ドレインをきれいに保つことが、サビを防ぐポイントとなる。
ソフトトップのカンバス生地や、プラスティック製のリアウインドウは劣化しがち。英国では1000ポンド(約18万円)程度で張替えられるが、状態の良い中古を探した方が安くリフレッシュはできる。
エンジン
意欲的に回るマツダの1.6Lツインカム・エンジンは、1.8Lユニットが投入された1994年から英国仕様ではデチューンされている。エンジンが載せ替えられていないか、書類上の番号と照らし合わせたい。
過去の整備記録を遡り、タイミングベルトと補機ベルトの交換状態を確認する。オーバーヒートの痕跡やガスケットの劣化、タペットノイズ、オイル漏れ、排気ガスに混ざる白煙にも注意したい。ラジエター内側やクーラントの状態も要確認。
トランスミッションとブレーキ
クラッチが滑っていないか、試乗で確かめたい。トランスミッションとデフ、ハブベアリングなどからの異音がないかも確認する。
リアブレーキのキャリパーは、長期間乗らないでいると固着しがち。
インテリアと電気系統
リトラクタブル・ヘッドライトやパワーウインドウ、エアコンなど、すべてが正常に動くか確かめる。シートは、サイドボルスター部分が劣化しやすい。ソフトトップが劣化すると雨水が侵入し、カーペットを湿らせる。
内装トリムの中古部品は、徐々に入手が難しくなってきている。
マツダMX-5(ユーノス・ロードスター/NA系)のまとめ
英国ではモダンクラシックとしての地位を固めたといる、初代マツダMX-5。価値が変化しても、一般道でもサーキットでも思い切り楽しめる、有能なオープンスポーツカーであることに変わりはない。
オーナー好みにモディファイされていることは一般的。ジャガーの3.0L V6エンジンを載せた例も、筆者は過去に見たことがある。とはいえ、取引価格が上昇しているのはオリジナル状態へ近い個体だろう。
ハードトップがあれば、季節を問わず乗れる。できるだけコンディションの良い1台を探し、丁寧に楽しみたい。素晴らしいカーライフを謳歌できるはず。
良いトコロ
シンプルで信頼性が高い。機能維持に必要な部品は、まだ安価に手に入る。英国にはオーナーズクラブが存在し、専門的に扱うガレージも存在する。
良くないトコロ
価値が低かった時代が長く、かなり改造されていたり、長期間放置されていた例が珍しくない。モダンクラシックとして価値は上昇していても、レストア費用の元を取れるほど高額で流通しているわけではない。
マツダMX-5(ユーノス・ロードスター/NA系/1989~1997年/英国仕様)のスペック
英国価格:1万2995~1万7595ポンド(1995年時)
生産数:43万1506台
全長:3990mm
全幅:1675mm
全高:1220-1230mm
最高速度:180-186km/h
0-97km/h加速:8.9-9.9秒
燃費:7.8-12.0km/L
CO2排出量:−
車両重量:950-1020kg
パワートレイン:直列4気筒1598・1839cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:90ps/6000rpm-129ps/6500rpm
最大トルク:12.8kg-m/4000rpm-15.1kg-m/5000rpm
ギアボックス:5速マニュアル/4速オートマティック(後輪駆動)
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
運営ブチギレ!? 一般車が「検問突破」何があった? 国際イベントでありえない"蛮行"発生! ラリージャパン3日目の出来事とは
マジか…? 新制度導入で「車検」通らないかも!? 10月から始まった“新たな車検”何が変わった? 覚えておきたい「OBD検査」の正体とは
斬新「日本の“フェラーリ”」に大反響! 「約700馬力のV8スゴイ」「日本なのに左ハンしかないんかい」「めちゃ高ッ」の声! 同じクルマが存在しない「J50」がスゴイ!
ついにトヨタ「新型セリカ」復活!? 次期8代目登場か… 中嶋副社長「セリカ、やっちゃいます。」宣言! 会長も後押し!? ラリージャパンで語られたコトとは
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
緊急避難なら駐車違反が罰せられないなら「腹痛で路駐してトイレに駆け込んだ」ってあり? 違反が免除されるケースとは
一般車両侵入でSS12中止のラリージャパン、主催者に約800万円の罰金! 執行猶予付き1600万円の追加罰金も
ホンダ新型「プレリュード」まもなく登場? 22年ぶり復活で噂の「MT」搭載は? 「2ドアクーペ」に反響多数!海外では“テストカー”目撃も!? 予想価格はいくら?
給油所で「レギュラー“なみなみ”で!」って言ったら店員にバカにされました。私が悪いんですか?怒りの投稿に回答殺到!?「なにそれ」「普通は通じない」の声も…悪いのは結局誰なのか
レクサス新型「小型スポーツカー」がスゴい! “テンロクターボ”×初の6速MTを搭載! 最小SUV「LBX MORIZO RR」どんなモデル?
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?