現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > やっぱり初代はスゴかった! 昭和に誕生した過激すぎないホットハッチ3選

ここから本文です

やっぱり初代はスゴかった! 昭和に誕生した過激すぎないホットハッチ3選

掲載 更新 11
やっぱり初代はスゴかった! 昭和に誕生した過激すぎないホットハッチ3選

■昭和に誕生した過激すぎない性能のホットハッチを振り返る

 近年、あまり耳にしなくなったクルマ用語のひとつに「ホットハッチ」があります。3ドアもしくは5ドアハッチバックのコンパクトカーをベースに、高性能エンジンを搭載し、足まわりのチューニングが施されたモデルを指します。

トヨタ「スターレット」復活! 21年ぶり新型モデル発売へ

 ホットハッチは絶滅したわけではなく、現在も存在しますが、言葉だけが廃れていってしまったということになります。

 1970年代にはホットハッチの原型が確立され、1980年代にかけて一気に増えていきました。そこで、昭和の時代に誕生した、大衆車ベースで過激すぎない性能のホットハッチを、3車種ピックアップして紹介します。

●ホンダ「シビック RS」

 ホンダは1972年に新世代のFFコンパクトカーとして初代「シビック」を発売しました。ボディサイズは全長3545mm×全幅1505mm×全高1325mm(GL)と、現在の軽自動車よりもわずかに大きいくらいのコンパクトさながら、ボディの四隅にタイヤをレイアウトして広い室内空間を実現。

 650kgほどの軽量な車体に最高出力69馬力(グロス、GL)の1.2リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載し、優れた燃費と軽快な走りから大ヒットを記録。

 さらに、1973年には排出ガス浄化技術「CVCC」を採用した1.5リッター車がデビューし、アメリカでもヒットしてホンダの本格的な世界進出への足がかりとなりました。

 このCVCC車が登場した直後の1974年には、短命に終わったホットハッチが存在。それが「シビック RS」です。

 RSはCVCCを採用しないスタンダードな1.2リッターSOHCエンジンで、CV型ツインキャブレターが装着され、最高出力は76馬力を誇り、トランスミッションはシリーズ初の5速MTを採用。

 足まわりは欧州仕様のシビックと同等のハードセッティングで、タイヤは12インチから13インチにアップしたラジアルタイヤを標準装備し、それに合わせて前後のフェンダーアーチが拡大されています。

 内装ではスポーツシートにウッドステアリング、ウッドシフトノブを標準装備し、ダッシュボードには「RS」のエンブレムを装着することでスポーティに演出。

 しかし、RSは排出ガス規制の強化から1年も経たずに生産終了を余儀なくされてしまいました。

 後継モデルとして1.5リッターCVCCエンジンを搭載した「RSL」が登場しましたが、エンジンのチューニングはおこなわれていません。

●三菱「ミラージュ 1600GT/ミラージュII ターボ」

 三菱の大衆車というと1960年代から「コルト」シリーズや、軽自動車の「ミニカ」シリーズを展開していましたが、前出のシビックなどFF車が台頭するなか、FF化では遅れをとっていました。

 そんななか、1978年に満を持して誕生した三菱初のFF車が初代「ミラージュ」です。

 コンパクトなボディの3ドアハッチバック(後に5ドアと4ドアセダンも登場)としてデビューし、外観はスラントノーズのフロントフェイスに、傾斜角が寝たリアハッチ、そしてボリューム感を表現した前後フェンダーなど、後発なだけあってモダンでヨーロピアンなスタイルを採用。

 当初、エンジンは1.4リッターと1.2リッターの2種類が設定されましたが、1979年には最高出力88馬力(グロス)を発揮する1.6リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載する「1600GT」を追加。

 ライバルを上まわる排気量のエンジンを搭載してアドバンテージを築き、一気に人気車となりました。

 さらに、三菱は1980年代に急激な普及が始まったターボエンジンに着目。グループ会社の三菱重工がターボチャージャーを生産していたこともあり、三菱はターボ車のフルラインナップ化を進め、1982年のマイナーチェンジでは、クラス初のターボエンジンを搭載する「ミラージュII ターボ」を発売。

 1.4リッターから105馬力(グロス)のハイパワーを発揮し、一躍クラストップのハイパフォーマンスカーへとなりました。同時に足まわりとブレーキも強化され、ターボエンジンを搭載した国産ホットハッチの先駆けとなります。

 ミラージュII ターボは1983年に2代目が登場するまでの僅かな期間しか販売されませんでしたが、このミラージュII ターボの登場がきっかけで、コンパクトカーのパワー競争が激化したといわれています。

●フォルクスワーゲン「ゴルフ GTI」

 前述のとおり、ホットハッチは1970年代に確立されました、まさに元祖というべきモデルが、フォルクスワーゲン初代「ゴルフ GTI」です。

 フォルクスワーゲンは偉大な大衆車「タイプ1(ビートル)」の後継車として、1974年に初代ゴルフを欧州で発売。

 新世代の大衆車として開発されたゴルフはFFを採用したことで、コンパクトな3ドア/5ドアハッチバックながら広い室内を実現し、巨匠ジョルジェット・ジウジアーロの手によるシンプルなデザインと優れたパッケージングが高く評価され、FFコンパクトカーのベンチマークに君臨。

 エンジンは当初は1.1リッターと1.5リッター直列4気筒を搭載し、後に1.3リッターや1.6リッターディーゼルなど、多彩なエンジンバリエーションを展開しました。

 そして、1976年には最高出力110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載する高性能モデル「ゴルフGTI」が登場。その名前の「I」が示すとおり、ボッシュのKジェトロニック燃料噴射装置を備え、トランスミッションは4速MTのみ(後に5速MTにスイッチ)の設定です。

 フロントがストラット、リアがトーションビームの足まわりは強化され、前後スタビライザーを装備して車高をスタンダードモデルから15mmダウン。ブレーキもフロントにベンチレーテッドディスクが奢られ、タイヤも専用の175/60R13を装着。

 最高速度は182km/hをマークし、高い運動性能を発揮したことから欧州ではたちまち人気を獲得し、最終的には46万1690台を販売する大ヒットを記録しました。

 初代ゴルフ GTIは、残念ながら日本に正規輸入はされませんでしたが、2代目からは輸入されました。

 そのコンセプトは歴代ゴルフ GTIに受け継がれており、すでに欧州では8代目が登場。近い将来には日本でも展開されるでしょう。

※ ※ ※

 今回紹介したモデル以外にも、日産「マーチ スーパーターボ」や、ホンダ「シティ ターボ/ターボII」、トヨタ「スターレット ターボ」など、1980年代には過激な性能のホットハッチが数多く誕生しました。

 こうしたモデルはシャシ性能が未熟で、速く走らせるにはドライバーの腕次第という面が強かったといえます。

 現代の高性能車は高度に電子制御化されていることもあり、安心安全にスピーディな走行が可能ですが、当時の荒削りな部分も魅力のひとつだったのではないでしょうか。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
こんなクルマよく売ったな!! 【愛すべき日本の珍車と珍技術】もう二度と作ることができない限定400台[インプレッサ22B-STiバージョン]はいまや3000万円以上!!!!
ベストカーWeb
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
佐藤万璃音を擁してWEC・LMGT3に参戦するユナイテッドAS、マクラーレン720S GT3エボの新リバリー発表
AUTOSPORT web
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
【詳細データテスト】プジョー5008 経済性は良好 走りと快適性は及第点 実用性や居住性は不満も
AUTOCAR JAPAN
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
「スーパーフォーミュラしかない!」念願かなったルーキーたちの課題は。2レース制増も影響か
AUTOSPORT web
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
こ、これアウトランダーじゃね!? 決算説明から見えた[日産PHEV第1号車]は三菱からのOEMか?
ベストカーWeb
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!?  実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
日産「フェアレディZ」にワゴンが登場!? 実は「ステージア」ベースで「リーフ」リアゲートを移植…車検をとって公道走行可能なカスタムカーでした
Auto Messe Web
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
実はサーキットより面白い? 本気のオフロード走行のススメ SUV人気の裏にある魅力
AUTOCAR JAPAN
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
「オートモビリア」って、なに? ミニカーや古本などがずらりと並んだ「アミューズメントゾーン」にはキャンギャルも登場して熱気に包まれてました
Auto Messe Web
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
「これが売れなかったら四輪撤退…」→超ロングセラーに! 世界の「シビック」を生んだ“妙な納得感のある理論”とは
乗りものニュース
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
沼にハマる 『レトロモビル2025』でフランス車の魅力に迫る 高い技術力と芸術的デザインの融合
AUTOCAR JAPAN
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
トヨタ「86」&スバル「BRZ」用クラッチは「歯打ち音」を低減!「ヤリス」用は半クラが扱いやすい…待望のアイテムが「小倉クラッチ」からリリース!
Auto Messe Web
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
先端の「クマ」も再現 ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(2) 受賞多数のオープンボディ
AUTOCAR JAPAN
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
帽子を焦がしたレーシングシャシー ブガッティ・タイプ57 S コルシカ(1) バラバラからの再生
AUTOCAR JAPAN
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
トヨタ勝田貴元、惜しくも優勝逃す2位フィニッシュ……3.8秒差で僚友エバンスに軍配|WRCラリー・スウェーデン
motorsport.com 日本版
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
スズキの超ハイルーフ「本格SUV」に期待大!「ジムニー」超える“悪路走破性”に「まるで軍用車!?」な斬新デザイン採用! 日常から“アウトドア”まで大活躍の「エックスヘッド」コンセプトがカッコイイ!
くるまのニュース
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
10トン超えのバッテリーを搭載して航続距離500km……ってホントにエコ? 大型トラックはBEVよりもFCVのほうが最適解
WEB CARTOP
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
被災3年…ついに架設スタート! 阿武隈川を渡る国道399号“軽くなる”新しい橋の姿は?
乗りものニュース
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
“ランクル250”をハードコアにカスタマイズ!? オフロードチューニングのスペシャリストが最新コンプリートカー「AT37」を発表!
VAGUE

みんなのコメント

11件
  • 高性能の証に、赤の差し色を入れるのを定番化させたのは、このゴルフGTIが最初だと思う。

    このGTIに履いていた、ピレリの「P」を多数配し、それをエアアウトレットにしたデザインのホイールは、なかなかかっこよくておしゃれだったな。
  • グリルに赤ラインは特別な意味を持っていたのに最近はゴミみたいな車も入れているね。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

344.9430.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0439.8万円

中古車を検索
シビック (ハッチバック)の車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

344.9430.8万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

15.0439.8万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村