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10年放置が18車種!? なぜ自動車メーカーはモデルチェンジをしないのか?

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10年放置が18車種!? なぜ自動車メーカーはモデルチェンジをしないのか?

 まもなく消えそうな本当に放置されているのは4車種

 過去5年間で、燃費競争の激化によってパワートレインの効率改善と、ボディ・シャシーの軽量化が急速に進行。装備の低価格化や高齢者による重大事故の増加に伴い、安全技術の普及・進化も瞬く間に進んでいる。さらに、政府も補助金交付や保安基準改正、各種キャンペーンなどによってこれらを促進したことで、こうした傾向に拍車がかかっている。

「下取り価格」や「買い取り価格」の低いクルマとは?

 また、SUV人気が世界的規模で拡大する一方、日本国内におけるミニバンの市場規模は背高1BOX系を除いて激減。セダン・ワゴンは一部にその復権を掲げる動きが見られるものの、その実現にはほど遠いのが実情だ。

 だが、市場環境が急激に変化するなか、10年以上の長きにわたりフルモデルチェンジされず現在も販売され続けているモデルが少なからず存在する。主な車種は下記のとおり(カッコ内は日本デビュー年月。フルモデルチェンジまたはモデル廃止が確定している車種は除く)。

 現在10年以上販売されているモデル

 【クーペ/オープン】 ロータス・エリーゼ(1996年1月) 日産GT-R(2007年10月) マセラティ・グラントゥーリズモ(2007年10月)

 【SUV】 スズキ・ジムニー(1998年10月) スズキ・ジムニーシエラ(2002年1月) 三菱パジェロ(2006年10月) 三菱デリカD:5(2007年1月) トヨタ・ランドクルーザー200(2007年9月)

 【ミニバン】 トヨタ・アイシス(2004年9月) トヨタ・エスティマ(2006年1月)

 【ワゴン/ハッチバック】 ホンダ・バモス(1999年6月) ダイハツ・アトレーワゴン(2005年5月) ダイハツ・ミラ(2006年12月) 日産ウイングロード(2005年11月) 日産キューブ(2008年2月) フィアット500(2008年3月)

 【セダン】 トヨタ・プレミオ/アリオン(2007年6月) 量販車種であればモデルサイクルが短いものは5年、長いものでも8年前後で世代交代を受けるところ、これらが10年以上継続して生産・販売されているのは、下記の理由が考えられる。

 1)グローバルでの販売台数が量販車種に比べ少ないものの、オンリーワンの魅力があり、存続させれば赤字にはならない程度の販売が見込める、あるいは赤字になってもブランド力維持・向上に大きく寄与する。

 2)プラットフォームやパワートレインなど、膨大な開発コストが必要な部位で他車種と共通化できる箇所が少なく、しかもグローバルでの量販が見込めないため1台あたりのコストが高額で、投下資本を回収するにはモデルライフを10年以上に設定しなければならない。

 3)発売後に市場規模が大幅に縮小し、フルモデルチェンジしても投下資本の回収は望めないが、同カテゴリー車種の既存客が多く、一定の代替需要が見込める、あるいは他社への流出を防ぐため存続させる必要がある。

 前述の車種のうち、クーペ/オープンとSUVの計8車種はすべて1)と2)、フィアット500は1)に該当するだろう。エリーゼ、GT-R、グラントゥーリズモ、ジムニー、パジェロ、デリカ、ランドクルーザー、500……いずれも各ブランドの代名詞的存在である。

 とくにGT-R(とフェアレディZ)は一度モデル廃止となったものの、主に1)の理由からカルロス・ゴーン現・会長の指示によって復活を遂げている。パジェロ(とランサーエボリューション)もまた、いつの日か同様に開発が再開され、世代交代を果たす日が来るに違いない。

 そしてジムニー/ジムニーシエラは、2018年内に20年ぶりのフルモデルチェンジを果たすことが予想されており、テスト車両のスクープ写真・動画が各メディアで報じられている。

 軽1BOXの2台、バモスとアトレーワゴンはいずれも後輪駆動。両者の商用車バージョンを除き、他のFF系軽自動車と共用できる部位は少ない。また基本的に国内専売となるため販売ボリュームも少なく、2)の理由に該当する。なお、アトレーワゴンは商用車バージョンのハイゼットカーゴ共々、11月に2度目の大幅マイナーチェンジを受けたばかり。少なくとも2020年頃までは、現行モデルの生産・販売が継続されるだろう。

 そしてバモスは、2018年6月15日以降に生産される新型車に適用されるポール側面衝突基準をクリアできないことから、2018年春頃に生産を終了。「N VAN」と名を改め、2018年内にデビューすることが確実視されている。

 残りのアイシス、エスティマ、ミラ、ウイングロード、キューブ、プレミオ/アリオンは、いずれも3)の理由が該当する。このうちエスティマとプレミオ/アリオンは、2016年6月にフロントマスクを一新するとともに、予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンスC」を全車標準装備とするなど、大規模なマイナーチェンジが行われている。これらに次の世代があるかどうかはまだ不透明だが、当面は現役を続行するものと思われる。

 だが、アイシス、ミラ、ウイングロード、キューブについては、5年以上マイナーチェンジを受けることなく、事実上放置された状態が続いており、モデル廃止は時間の問題。

 だがキューブは、すでにかつての存在感は失われてしまったものの、キューブにしかない内外装の魅力を備えており、このまま消えゆくのは惜しい1台といえる。キューブの購入を真剣に検討している人は、今すぐにでも日産ディーラーに行くべきだろう。

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