今年7月の国内乗用車販売(軽自動車を除く)におけるガソリン車の販売比率は41.1%、ハイブリッドは49.6%と、ハイブリッド車が過半数に迫る勢いを見せている。カーボンニュートラル戦略を考えるうえで重要なBEV(電気自動車)は1.3%と、まだまだ少ない。これに対し、BEV開発を積極的に進める欧州市場のパワーユニット別販売比率が明らかになった。
ACEA(欧州自動車工業会)が7月に発表した資料によれば、今年上半期(1~6月、EU/EFTA/英国)は、185万5473台を販売したガソリン車が36.9%を占めてトップ。117万3190台のハイブリッドが23.3%で2番目に多かった。
電動車比率トップは日産。2位は三菱。主要メーカー別パワーユニット比率(2022年7月)
欧州ではMINIやボルボなど、BEV専門ブランドへの転換を表明するメーカーが話題を集め、次々に新型BEVがデビューしている。今年上半期のBEV販売台数は62万9747台で、シェアは12.5%。比率でいえば、日本の約10倍と、明らかにBEVシフトが進んでいる。一方、かつて販売の過半数を占めていたディーゼル車は78万26433台、15.6%までシェアを落としている。
ガソリン車とディーゼル車、つまり内燃機関だけで走行するモデルは52.5%と過半数を維持しているが、前年同期比8.6ポイントの減少である。
この落ち込みをカバーしたのが、BEV(4.3%増)とハイブリッド(3.6%増)だ。PHEVは46万1484台を販売してシェア9.2%(前年同期比0.2ポイント増)を占めている。これら3タイプの電動車の販売比率は45.0%。日本は50.9%だから、日欧の電動車比率は接近しているといっていい。
ただし、欧州がハイブリッドとBEV、PHEVがそれぞれ存在感を発揮しているのに対し、日本の場合はハイブリッドが圧倒的多数を占めているという違いがある。そして日本のハイブリッドは、トヨタ/日産/ホンダを中心に、いわゆるストロングハイブリッド(モーターだけで走行できる/高電圧システムを採用している)が統計値の主力を占めている。欧州のハイブリッドは、48Vシステムを搭載したマイルドハイブリッドが多いという点も異なる。
ドイツのBEV販売は16万7503台(14.0%)、ハイブリッドは16万4082台(13.8%)、PHEV13万8880台(11.6%)。電動車比率は39.4%。ガソリンは44万3671台(37.2%)、ディーゼル24万6037台(20.6%)。ガソリンとディーゼルが過半数を占める。
英国はガソリン35万1174台(43.0%)、ディーゼル4万6028台(5.6%)と、この2タイプは半数以下。BEVは11万5249台(14.1%)ハイブリッド23万8365台(29.2%)、PHEV5万1263台(6.3%)と、電動車比率は49.6%。ハイブリッド車の販売比率が高い英国は、電動車比率でドイツに約10ポイント差を付けている。
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