この記事をまとめると
■2016年にオークションでフェラーリ335Sが約48億7000万円で落札された
「F1ドライバーでも雨では乗りたくない」「日本の公道で300km/h走行」! 伝説のフェラーリF40とは何モノだったのか?
■フェラーリ335Sはミッレ・ミリアで勝つためにフェラーリが開発したモデルだ
■落札したのはサッカー選手のリオネル・メッシだといわれている
フェラーリがミッレ・ミリア必勝を期して開発
1950年代、世界選手権が懸けられていたスポーツカーレース。その初期にフェラーリが投入したモデルに、強固なスチール製のチューブラーフレームのフロントにダブルウイッシュボーン、リヤにはド・デュオンアクセルのサスペンションを組み合わせたシャシー、そしてスカリエッティによる2シーターのスパイダーボディを組み合わせた「290MM」がある。
MMとは当時イタリアで開催されていた公道レースのミッレミリアの略で、フェラーリはこのレースを制するために、気筒あたり290.88cc、総排気量で3490ccとなるV型12気筒エンジンを搭載した、さらに高性能な「209S」を開発するが、最高出力で330馬力を誇った290Sの戦闘力はライバルには及ばず、結果フェラーリはその進化型として3.8リッター仕様の315S、そしてここでの本題である、ある有名人が2016年にパリのレトロモービルに併せて開催された、アールキュリエル社のオークションで、当時のレートで約48億7000万円という驚愕のプライスで落札したとされる、「335S」を新たにデビューさせることになる。
オークショネアはもちろん、落札者のプライバシーを考慮してその名前を発表することはなかったが、当時からそれは、サッカーのフランス一部リーグ、パリ・サンジェルマンに所属、そしてまたアルゼンチン代表でもある、リオネル・メッシではないかと噂されていた。
クルマ好きなことで知られる彼のガレージには、高額なクラッシックカーやハイパーカーが並ぶことは、サッカーのファンならずとも多くの者が知る事実だったこともその噂の理由だった。
290Sの後継車となった315Sは、車名の数字からも明らかなとおり、気筒あたり315ccの3783.4cc仕様となる新型のV型12気筒エンジンを搭載したモデル。パワーは360馬力に向上したほか、耐久性も向上し、さらに単体重量も9kg軽量化されたと記録されている。315Sは1957年のミッレミリアで見事に優勝を果たしている。
390馬力で最高速305km/hと発表された335S
この315Sの進化型となるのが、「335S」だ。デビューはやはり1957年のミッレミリア。エンジンは4023.32ccにまで拡大され、最高出力は390馬力に向上。シリンダーヘッドとエンジンブロックはアルミ合金製で、潤滑方式もドライサンプに変化している。
シャシーは290Sのそれを基本としたもの。フロントアクスルはコイルスプリングとアンチロールバーを備えたダブルウイッシュボーンに、リヤアクスルは2本のガイドリンクと横向きのリーフスプリングで構成されている。技術的な仕様は、エンジン以外は290S、315Sとほぼ同様と考えてよいだろう。
335Sは、それまでのフェラーリでもっともパワフルで、かつ最速のスポーツカーだった。最高速は305km/hと発表されたが、実際にこのデータを上まわるモデルが登場するのは、約10年後の「330P3」まで待たなければならない。しかし、330P3は、420馬力の最高出力を誇るV型12気筒エンジンを搭載し、かつ335Sに対して150kgも軽いプロトタイプ。335Sがどれほど卓越した速さ、そして運動性能を持ったモデルだったのかは想像に難くない。
335Sは合計で4台が製作されるが、そのうち1台は事故によって消失。残りの3台は現在も当時のコンディションそのままに、リオネル・メッシを含むだろうと想像されるコレクターの手によって大切に保管されている。
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なんて要らぬ心配をしてみるw