■「ID.3」一色に染まった発表会場
まさか、ここまでやるとは思いませんでした。フォルクスワーゲンのお膝元、ドイツでおこなわれたフランクフルトモーターショー2019で、フォルクスワーゲンの発表ブースがEV(電気自動車)の「ID.3」で埋め尽くされました。
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発表現場では集まった世界中のメディア関係者が「近未来のゴルフがすべて、EVになってもおかしくはない」と感じたほど、大々的なデビューです。ID.3とは、いったいどんなクルマなのでしょうか。
量産型ID.3のボディサイズは、全長4261mmx全幅1809mmx全高1552mm。全長では日産のEV「リーフ」より若干短いですが、実車を見た感覚ではリーフとほぼ同じ大きさ感です。
そして、外観デザインは次期「ゴルフ」といわれてもおかしくないほど、フォルクスワーゲンの王道デザインに感じます。
ベースグレードでは19インチタイヤ、そして上級グレードには20インチタイヤを装着。足元を見ているだけで、走りの良さを予感させます。
運転席に座ってみると、ここでも次期「ゴルフ」を感じさせるようなフォルクスワーゲンの伝統デザインのモチーフがあります。その上で、EVらしいデジタルなディスプレイが並びます。
リーフが技術的な先端性をモチーフとしているのに比べて、ID.3はファッショナブル系のデザインです。
こうしたデザインコンセプトは、内装だけではなく、発表ブース全体の演出でも感じます。20代の若者にもアピールできるブランド戦略として、ファッショナブルだと感じるのです。その意味でも、フォルクスワーゲンのID.3に対する本気度が高さが分かります。
EVとして気になるのが、満充電での航続距離。今回発表された、発売記念モデル「ID.3 1st (フォースト)」は58kWhのバッテリーを搭載して420km走行することができます。
車両本体価格は、3万ユーロ(約356万円)。今後、エントリーモデルとして45kWhバッテリー搭載モデル(航続距離330km)と長距離に対応した77kWhバッテリー搭載モデル(航続距離550km)の発売も決まっています。
フォルクスワーゲンは、今後10年間に合計20モデル以上のEVで合計1000万台以上を発売すること明らかにしています。そのなかでは当然、先陣を切った「ID.3」が大黒柱になることは間違いありません。
つまり近未来には、ID.3が現在の主力モデルであるゴルフにとって代わり、フォルクスワーゲンの主役になる日が来るのだと思います。
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