現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ぜひ日産+三菱の力で「新型パジェロミニ」を実現してほしいのだが

ここから本文です

ぜひ日産+三菱の力で「新型パジェロミニ」を実現してほしいのだが

掲載 17
ぜひ日産+三菱の力で「新型パジェロミニ」を実現してほしいのだが

 「ジムニスト」とよばれる熱狂的なファンを生み出すほど、世界的に有名な軽本格クロカン、スズキ「ジムニー」。堅牢で耐久性の高いラダーフレームやリジッドサス、トランスファー付きパートタイム式4WDといった本格オフローダーとしてのメカニズムが与えられているほか、現代的な安全機能もきちんと装備されており、乗用車としての不満も少なく、税込165万4000円からと価格も安い。こんなクルマ、世界中どこを探してもないのではないだろうか。

 ただ、かつては、三菱「パジェロミニ」というライバルも存在した。ジムニーがこれだけ人気であることを考えれば、パジェロミニも復活すれば人気モデルとなる可能性はあるはずだ。ぜひとも日産+三菱の力で「新型パジェロミニ」を実現してほしいと思うが、はたして可能性はあるのか、考えてみよう。

ぜひ日産+三菱の力で「新型パジェロミニ」を実現してほしいのだが

文:吉川賢一、立花義人/写真:MITSUBISHI、SUZUKI

パジェロの世界観を受け継ぎつつ、サイズを活かした独特の個性が魅力

 「乗用車感覚あふれる本格4WD」というコンセプトで大ヒットした本家「パジェロ」の魅力を、軽自動車サイズに凝縮するという分かりやすいコンセプトで1994年に登場した、初代パジェロミニ。そのコンセプト通り、パジェロミニには、パジェロのデザインテイストや技術が、小さなボディにギュっと凝縮されていた。

 そのメカニズムは本格的で、大型フレームをビルトインしたモノコック構造の高剛性ボディを採用したことで、40km/h前面衝突時の乗員障害値規制をクリアし、乗用車としての基本的な性能もきちんと達成。エンジンは排気量660ccながら、1気筒あたり5バルブを採用する4気筒DOHC20バルブインタークーラーターボを搭載(NAは1気筒あたり4バルブのSOHC)し、4WDモデルには、走行中に2WD/4WDの切り替えが可能なイージーセレクト4WDを採用。サスペンションはフロントにマクファーソン・ストラット、リアは5リンク式コイルスプリングを採用し、オフロードでの高い走破性もしっかりと確保していた。

 インテリアでも、コックピット周辺に、電子方位計や高度計、外気温計、時計を組み合わせたマルチメーターが鎮座しており、パジェロの雰囲気をしっかりと取り入れていた。内装のクリーンなイメージや乗用車感覚が強いところもジムニーとは異なるテイストで、インテリアの質感を大切にしたい人にとって魅力的なモデルだった。

 1998年10月に登場した2代目は、軽自動車規格が変更されたことでさらにパジェロに近づき、パジェロミニとしての可能性を示してくれていた。2012年6月に生産終了となった後も根強いファンが多く、現在に至るまで、長年復活が期待されてきた、三菱の伝説的なモデルだ。

 本家のクロカンSUV「パジェロ」も2021年7月に生産終了となってしまっているが、3年が経ったいまも、中古車市場では高値で販売されていることを考えれば、「パジェロ」という名称を使うチャンスはまだある。名車デリカの名を継いだデリカミニがひと山当たったように、パジェロミニも現代技術で蘇らせたら、人気モデルとなる可能性は十分にあると思われる。

1994年発売の初代パジェロミニ。デザインは、1991年に登場した2代目パジェロのデザインを取り入れ、丸目のヘッドライトやグリルガード風の意匠、大きなフォグランプなどRVテイストが満載

2021年7月に生産終了となった4代目パジェロ。最後の特別仕様車となった「ファイナルエディション」は、いまも400万円超えの価格で中古車が販売されている

トライトンを凝縮したデザインに丸目を採用した新型BEV「パジェロミニ」はどうか?

 デリカミニは、2023年5月にマイチェンを受けたeKスペースの派生モデルだ。特徴的なエクステリアデザインを採用し、4WDモデルでは、車高を上げてチューニングしたダンパーを組み合わせた専用の足回りを採用することで、名車「デリカ」の名に恥じないモデルに仕上げた。新パジェロミニも、このお作法に乗って新型車となりたいところだが、クロカン走行に耐えうる強い車体と、ストロークのあるサスペンションを備えた軽自動車用のシャシーは軽自動車用の現時点ない。

 そのため、新パジェロミニは、いっそのこと、サクラ/eKクロスEVをベースとしたバッテリーEVにするのがいいのではないかと筆者は思う。バッテリーEVは、万が一の事故の際にバッテリーを守るため、一般的なガソリン軽とは比べ物にならないほどにボディが強靭だ。この強靭なボディに、長いストロークがとれるサスペンションと大径タイヤを装着した、新型の軽EVプラットフォームを用意するのがてっとり早い。

 バッテリーEVはまた、動き始めに強いトルクを発生できる電気モーターのおかげで、低ミュー路での発進や、クロカン走行にも適している。三菱得意の緻密な4輪駆動制御も活かせるはずだ。強いて課題を挙げるならば、150km程度になるであろう航続距離だが、趣味色が濃いクロカン系バッテリーEVとしてならば、受け入れられるのではないだろうか。

 もちろんエクステリアデザインも重要だ。1990年代に大活躍をしたパジェロを知っているオジサン世代にとっては、パジェロエボリューション(1997年~)のようなオールドスタイルだと嬉しいところだが、もはや時代遅れだろう。ここは三菱自動車の現行モデルとの「絆」をもたせるため、2024年2月に誕生した新型ピックアップのトライトンぎゅっと凝縮したようなデザインがいいかもしれない。ただしヘッドライトは、デリカミニと同じく「まん丸タイプ」にして欲しい。これでデリカミニとも「絆」をもたせることができる。

 トライトンはスタイリッシュで厳つさもあり、なかなかカッコいい。海外では、トライトンの荷台付き仕様を「パジェロスポーツ」と名乗ってきた経緯もあるし、パジェロとの「絆」もどうにか説明がつく。

新型パジェロミニのデザインは、1990年代を知っているオジサン世代にとっては、パジェロエボリューション(1997年~)のようなオールドスタイルだと嬉しい

2024年2月に誕生した新型ピックアップのトライトン。スタイリッシュで厳ついデザインをそのままに、ギュッと凝縮した姿を「新パジェロミニ」とするのはどうだろうか

ぜひ日産三菱の力で実現を!!

 この「クロカン軽バッテリーEV」というジャンルは、強敵ジムニーがまだ手を付けていないジャンルであり、実現すれば日産三菱ならではのモデルとなることができる。日産としても、かつて「KIX」としてパジェロミニをOEM供給受けていたように、今回も(いまは「KICKS」があることから、名前は変えなければややこしくなるが)OEM供給を受けることができれば、メリットがある。

 「パジェロあってのパジェロミニ」という意義は少なからずあったであろうから、本家パジェロがいないいまは、そのあたりを説得するストーリーは必要だが、そのパジェロにも復活のウワサはある。ぜひ「親子」で復活してくれることを期待したい!!

【画像ギャラリー】唯一無二の軽本格クロカン スズキ「ジムニー」(12枚)

投稿 ぜひ日産+三菱の力で「新型パジェロミニ」を実現してほしいのだが は 自動車情報誌「ベストカー」 に最初に表示されました。

【キャンペーン】第2・4 金土日はお得に給油!車検月登録でガソリン・軽油7円/L引き!(要マイカー登録)

こんな記事も読まれています

GRヤリスの3気筒ターボで300馬力超えって凄くない!? クルマの技術・装備はどのくらい進化した?
GRヤリスの3気筒ターボで300馬力超えって凄くない!? クルマの技術・装備はどのくらい進化した?
ベストカーWeb
彼女の2台目となるダイハツ「コペン」は「ザク」をイメージ! 最初の愛車は東日本大震災の津波で流され…仲間に協力してもらいカスタムしてきました
彼女の2台目となるダイハツ「コペン」は「ザク」をイメージ! 最初の愛車は東日本大震災の津波で流され…仲間に協力してもらいカスタムしてきました
Auto Messe Web
『サーキットの狼』の中でもランボルギーニ「ミウラ」は別格だった! 憧れの地「ミウラ牧場」を訪ねる夢を実現しました【極私的スーパーカーブーム】
『サーキットの狼』の中でもランボルギーニ「ミウラ」は別格だった! 憧れの地「ミウラ牧場」を訪ねる夢を実現しました【極私的スーパーカーブーム】
Auto Messe Web
充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!
充分に濃い「旨味」 ケータハム・セブン CSR 20へ試乗 213psと5速MTに620kg 過去1番に快適!
AUTOCAR JAPAN
1210万円からトヨタ「ハイラックス」が超カッコいいキャンピングカーに! 2025年もっとも注目の「アストラーレGX4」を紹介します
1210万円からトヨタ「ハイラックス」が超カッコいいキャンピングカーに! 2025年もっとも注目の「アストラーレGX4」を紹介します
Auto Messe Web
アリババで「フェラーリのボディ」が“丸ごと”買える! だからクラッシュしても安心!? ランボやベントレーのパーツも充実した「ワケあり業者の正体」とは
アリババで「フェラーリのボディ」が“丸ごと”買える! だからクラッシュしても安心!? ランボやベントレーのパーツも充実した「ワケあり業者の正体」とは
VAGUE
三菱「デリカD:5」にポップアップルーフ装備車があった!? 西尾張三菱自動車販売から購入した「D:POP」で日本全国を走って楽しんでます
三菱「デリカD:5」にポップアップルーフ装備車があった!? 西尾張三菱自動車販売から購入した「D:POP」で日本全国を走って楽しんでます
Auto Messe Web
出口まだ…? 世界最長の道路トンネル 10選 巨大な地下建設プロジェクト
出口まだ…? 世界最長の道路トンネル 10選 巨大な地下建設プロジェクト
AUTOCAR JAPAN
最新ミニの安全性は? ユーロNCAPで新型「ミニ・カントリーマン」をテスト!
最新ミニの安全性は? ユーロNCAPで新型「ミニ・カントリーマン」をテスト!
VAGUE
【第4回】浜先秀彰の絶対的カーグッズ!:ディスプレイオーディオのススメ
【第4回】浜先秀彰の絶対的カーグッズ!:ディスプレイオーディオのススメ
AUTOCAR JAPAN
綺麗なオイルを入れたのに秒で真っ黒! 乗用車と違いトラックのエンジンオイルがすぐに汚れるワケ
綺麗なオイルを入れたのに秒で真っ黒! 乗用車と違いトラックのエンジンオイルがすぐに汚れるワケ
WEB CARTOP
高速道路に「激レアの“青い”通行券」が存在するって本当ですか? どうすれば貰えるのでしょうか。
高速道路に「激レアの“青い”通行券」が存在するって本当ですか? どうすれば貰えるのでしょうか。
乗りものニュース
2024年に「消えたクルマ」何があった? 「超人気車」&異例の「ロングセラーモデル」にも幕… 惜しまれつつ「生産終了したクルマ」とは
2024年に「消えたクルマ」何があった? 「超人気車」&異例の「ロングセラーモデル」にも幕… 惜しまれつつ「生産終了したクルマ」とは
くるまのニュース
クラウン クロスオーバーRSはクラウンを名乗らなきゃよかったってガンさんなぜ!? 黒沢元治×石田貴臣【動画】
クラウン クロスオーバーRSはクラウンを名乗らなきゃよかったってガンさんなぜ!? 黒沢元治×石田貴臣【動画】
WEB CARTOP
スバルの斬新モデル「“丸目”のカサブランカ」が凄かった! 伝統の「水平対向エンジン×四輪駆動」採用! 高級感あふれる“走り”実現する「超レトロ風モデル」に反響あり!
スバルの斬新モデル「“丸目”のカサブランカ」が凄かった! 伝統の「水平対向エンジン×四輪駆動」採用! 高級感あふれる“走り”実現する「超レトロ風モデル」に反響あり!
くるまのニュース
2025年箱根駅伝で交通規制…迂回路や渋滞回避について下調べ必要 1月2-3日
2025年箱根駅伝で交通規制…迂回路や渋滞回避について下調べ必要 1月2-3日
レスポンス
2025年はランボルギーニ・ポロストリコの10周年! 2024年の活動報告…ファイティングブルのクラシックカー事業の重要性とは?
2025年はランボルギーニ・ポロストリコの10周年! 2024年の活動報告…ファイティングブルのクラシックカー事業の重要性とは?
Auto Messe Web
10年前に一目ぼれしたディーゼルコンパクトを今さら愛車にしてみたら、ただ懐かしいだけじゃなかった【旧車系新企画「ちょいふるジョイフル」はじめます(2) スタッフブログ特別編】
10年前に一目ぼれしたディーゼルコンパクトを今さら愛車にしてみたら、ただ懐かしいだけじゃなかった【旧車系新企画「ちょいふるジョイフル」はじめます(2) スタッフブログ特別編】
Webモーターマガジン

みんなのコメント

17件
  • ちょび人
    日産の技術が入るとろくなものができない。是非、三菱だけで作ってほしい。
  • taka
    軽のキックスに乗っていましたが、とてもよかったです。また売り出すなら、ぜひ買いたい。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村