ラージサイズSUVは、「SUV」という呼称が定着する以前から“クロカン”として親しまれてきたランクルやパジェロなど伝統のモデルが定番。そこに、マツダのCX-8が参入してきたのは、ひとつのトピックだ。最新のSUVか、伝統のクロカンか。国産SUVの頂点に立つモデルはどの1台か。最新車の実力をランキング形式で解説!
文:国沢光宏/写真:編集部
ベストカー2018年5月10日号
オレたちは何のために生まれてきたのか…「のっぽグルマ」列伝!!
最も売れているラージSUVは?
本記事ではボディ全長4800mm以上をラージSUVの基準とした。このサイズの国産SUVはランクル、パジェロなどの本格派に加えて、よりSUV的な最新モデルのCX-8が2017年12月に発売。
さらに、レガシィから派生したワゴンライクなアウトバックも条件に合致する。2018年3月の販売台数順に、全長4800mm以上のラージSUVを並べると次のとおりになる。
・マツダ CX-8/4342台
・トヨタ ランドクルーザープラド/3900台
・スバル レガシィアウトバック/1022台
・レクサス RX/616台
・トヨタ ランドクルーザー200/450台
・三菱 パジェロ/144台
・レクサス LX/134台
注目のランキングの結果は次の通り。どういった部分が、その順位を分けたのか。自動車評論家の国沢光宏氏が解説する。
1位は雪道の四駆性能も抜群なCX-8
■ラージSUV(全長4800mm以上)ランキング
1位:マツダ CX-8
2位:トヨタ ランドクルーザープラド
3位:スバル レガシィアウトバック
4位:トヨタ ランドクルーザー200
5位:レクサス RX
6位:三菱 パジェロ
7位:レクサス LX570
1位:CX-8/4900×1840×1730mm、価格:319万6800-419万400円
現時点での販売台数に迎合するワケじゃないが、1位はCX-8である。
新型車という理由もあるけれど、車の完成度高い。キチンと座れる3列目シートに始まり、パワーアップした第2世代のSKYACTIV-Dの総合性能も優れてます。
SUVにとって大切な4WD性能は、特に雪道性能で世界トップクラス。自動ブレーキの性能を含めこれといった弱点なし。
2位:ランドクルーザープラド/全長×全幅×全高:4825×1885×1850mm、価格:353万8080-536万3280円
2位は堅調に売れ続けているランドクルーザープラドをプッシュしておく。ガソリンエンジンなら意外にリーズナブルな価格だし、長い距離を走る使い方をするならディーゼル買っても燃料コストでペイできてしまう。
何よりすばらしいのは安定したリセールバリュー。ランクルプラドの値落ち、圧倒的に少ないのだった。日本だけでなく海外からの引き合いが多いそうな。車としても本格的クロカンの魅力タップリ。
3位にアウトバックを入れておく。デビューからずいぶん時間が経ってしまったものの、車の完成度は案外高い。雪道最強クラスの4WD性能や、アイサイトVer.3も標準装備。乗り心地をよくするためダンパーなどに手を加えてやれば、ステキな車に仕上がる。
車高アップし、オフロード系のタイヤ履いて楽しむのもよかろう。魅力的な購入条件を示してくれたら、長く乗るつもりでいかがか?
なぜレクサスよりトヨタが高評価?
ランクル200のレクサス版といえるモデルがLX570。全長×全幅×全高:5080×1980×1910mm、価格は1115万と大台を突破する高級SUVだ
4位はランクル200。なぜ兄弟車のLX570が最下位なの? と思うかもしれないが、レクサスと名が付くだけで驚くほど高くなるからだ。エンジンなんかアメリカのトラック用に開発したV8ですから。
むしろ、排気量小さいランクル200のエンジンのほうが繊細な回り方で好ましい。そして、オフロードに対するタフさはまったく同じ。この手の車、トヨタブランドが良い。
3列目シート車を追加したレクサスRXながら、内容を考えたら圧倒的に割高。私ならとっととボルボ XC90を選ぶ。自動ブレーキの性能や、3列目シートの安全性(ボルボは身長170cmまですべてのシートで同じ安全性を確保している、と公表)まで考えたら迷う余地なし。
パジェロが最下位じゃないのは、ディーゼルエンジンの存在や価格など考慮。激高のLX570よりいいと思うためです。
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