現在位置: carview! > ニュース > 業界ニュース > ビギナーだけにはもったいない──ドゥカティ 新型スクランブラーに試乗

ここから本文です

ビギナーだけにはもったいない──ドゥカティ 新型スクランブラーに試乗

掲載 更新
ビギナーだけにはもったいない──ドゥカティ 新型スクランブラーに試乗

1960年代にドゥカティが販売していたデュアルパーパスモデル「スクランブラー」が復活したのは2014年のこと。現代に蘇ったスクランブラーは、発売されると瞬く間に大ヒットモデルとなり、次々と派生モデルが誕生した。スクランブラーシリーズは、ドゥカティのなかで最も販売台数の多いモデルとなったのである。

そして2018年の今年、スクランブラーシリーズの兄貴分として「1100」が登場した。さらにスクランブラーの基準モデルである「アイコン」をブラッシュアップ、その発表に合わせてイタリア・シエナで行われた新型スクランブラー アイコンの試乗会に参加してきた。

世界中で人気沸騰中のネオレトロ系──ドゥカティ・スクランブラーのリッター最高峰モデルを駆った。

まず、気になるスタイリング。タンクカバーのデザインを変更し、マフラーサイレンサーとプロテクターは形状を変更。ヘッドライトやウィンカーのLED化……、そして、それら以外にもホイールのデザインやシフトペダルの変更、ブラック塗装したエンジンなど、細かい変更を施している。しかし、それらは決してスクランブラーの印象を大きく変えるようなものではなかった。

ところが、実際に走り出してみると、スクランブラーは驚くほどに激変している。そもそもスクランブラーは、ほかのドゥカティのマシンとはポジションが異なり、細かいことは気にせず、とにかく自由に楽しく! といったキャラクターのマシンだ。そのキャラ通り、気楽にライディングできるところが魅力であった。

とはいえ、気になるところがないわけではなかった。旧型モデルはシートの座り心地自体は悪くなかったが、少し距離を伸ばすととたんにお尻が痛くなる。そこで新型はシートの厚みを増し、内部のスポンジを変更したことによって、座り心地が大幅に向上した。ただし、18mmほど高くなったシート高が気になるところではあったが、実際にまたがってみれば、身長が165cmの僕でも、そのポジションに不安は一切感じなかった。

ドゥカティらしさを良い意味でも悪い意味でも感じるのが、低速域でのエンジンのしつけ具合だ。旧型はスタート時のクラッチワークとアクセルワークのコンビネーションが悪く、市街地で多用する回転領域では、ややギクシャクするきらいがあった。

しかし、エンジンマネージメントを改良した新型は、動き出しが拍子抜けするほどスムーズになっている。これはクラッチをワイヤー式から油圧式に替えて、操作性が軽くなったことも影響しているかもしれない。

これにより街中でのゲタ的扱いに億劫さがなくなった。低速域のコントロール性があがったことにより、つながりがスムーズになり、上の回転領域では、ドゥカティらしいパワフルな吹け上がりが味わえる。ここも大きな進化のポイントといえる。

そして今回の改良で最も進化したのが、足回りの設定である。荷重設定が高め、つまり走り始めはややそっけなく、速度が上がるにつれて仕事をし始めるようなフィーリングがドゥカティらしさでもあるのだが、新型スクランブラーは、ファーストコンタクトがとてもフレンドリーになっている。単純にソフトになったのではなく、足回りの動きの質がワンランクアップしているのだ。同時に、ライダーへのフィードバックが増えているから安心感も確実に高まっている。

また、ハードに走る際には奥で踏ん張るプログレッシブな設定で、マニアックな要望にも対応している。間口が広がったうえで懐も深くなった印象を受ける。

コーナーリングABSを装備し、ファッションバイク的なイメージながら、安全性をしっかり確保していることも嬉しいポイントだ。そのほかにもブレーキレバーの調整機構やスマホとリンクするメーターなど、細かいアップデートを重ねている。

スクランブラーはビギナーに勧められるパッケージングのマシンであったが、これまで荒削りだった箇所をしっかり磨き上げ、より幅広いライダーにフィットするマシンへと進化している。

こんな記事も読まれています

Moto3フランス予選|日本勢が全員Q2進出も上位ならず。ポールポジションはダビド・アロンソ
Moto3フランス予選|日本勢が全員Q2進出も上位ならず。ポールポジションはダビド・アロンソ
motorsport.com 日本版
HKSの車高調「HIPERMAX S」にテスラ「モデル3」「モデルY」用が登場! スタイリッシュにローダウン
HKSの車高調「HIPERMAX S」にテスラ「モデル3」「モデルY」用が登場! スタイリッシュにローダウン
くるまのニュース
[15秒でわかる]ホンダ『フリード』新型…2種類のボディタイプで個性を強調
[15秒でわかる]ホンダ『フリード』新型…2種類のボディタイプで個性を強調
レスポンス
史上最もアクティブなクラウン!?トヨタ「クラウンスポーツ Z HEV」の遊び方
史上最もアクティブなクラウン!?トヨタ「クラウンスポーツ Z HEV」の遊び方
@DIME
かつての愛車マツダ・サバンナをリメイクし“マッド・マイク”が10年ぶりにD1GPへカムバック
かつての愛車マツダ・サバンナをリメイクし“マッド・マイク”が10年ぶりにD1GPへカムバック
AUTOSPORT web
クルマの「サイドブレーキ」なぜ必要?「P」レンジのみで駐車はNGって知ってた? 正しいブレーキのかけ方とは
クルマの「サイドブレーキ」なぜ必要?「P」レンジのみで駐車はNGって知ってた? 正しいブレーキのかけ方とは
くるまのニュース
ジープ『ラングラー』新型を日本発売、エントリーグレードも登場
ジープ『ラングラー』新型を日本発売、エントリーグレードも登場
レスポンス
長く愛してほしいジープ ラングラー
長く愛してほしいジープ ラングラー
グーネット
メッキマシマシ、これぞプロ仕様! 大型トラック「スーパーグレート」公道デビュー目前モデルの存在感がスゴイ! 三菱ふそう
メッキマシマシ、これぞプロ仕様! 大型トラック「スーパーグレート」公道デビュー目前モデルの存在感がスゴイ! 三菱ふそう
乗りものニュース
レッドブルはもはや”絶対的優位”な立場にはいない……フェラーリのバスール代表ほくそ笑む「我々が少しでも前進できれば、対等に戦える」
レッドブルはもはや”絶対的優位”な立場にはいない……フェラーリのバスール代表ほくそ笑む「我々が少しでも前進できれば、対等に戦える」
motorsport.com 日本版
よりスポーティーな走りを楽しめる!トヨタ「ヤリス」改良モデルの進化を検証
よりスポーティーな走りを楽しめる!トヨタ「ヤリス」改良モデルの進化を検証
@DIME
マジ!? マツダが「次期CX-5」開発を明言!決算会見で明らかに!? 売上&営業利益は過去最高
マジ!? マツダが「次期CX-5」開発を明言!決算会見で明らかに!? 売上&営業利益は過去最高
くるまのニュース
【MotoGP】ホンダはライダーの墓場? ジョアン・ミル「来たときより良くなった人がいない」と爆弾発言
【MotoGP】ホンダはライダーの墓場? ジョアン・ミル「来たときより良くなった人がいない」と爆弾発言
motorsport.com 日本版
アルピーヌ、今季初のハイパーポール進出。ミレッシ「散々だった前戦イモラの”癒やし”になったよ」
アルピーヌ、今季初のハイパーポール進出。ミレッシ「散々だった前戦イモラの”癒やし”になったよ」
motorsport.com 日本版
日産「新型エルグランド」登場! ド迫力の「超ワイドグリル顔」に反響あり! 進化する次期型「キング・オブ・ミニバン」のデザインどうなる!
日産「新型エルグランド」登場! ド迫力の「超ワイドグリル顔」に反響あり! 進化する次期型「キング・オブ・ミニバン」のデザインどうなる!
くるまのニュース
マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
マツダCX-5級だから「日本にジャストサイズ」 BMWの新型「X2」は“クーペSUVらしく”カッコいい! ゆとりの室内&力強い走りも魅力的
VAGUE
ご飯がススム「かつ鍋」に大満足!! 夜の首都高「大黒PA」
ご飯がススム「かつ鍋」に大満足!! 夜の首都高「大黒PA」
バイクのニュース
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
「アバルト595」の柔と剛を使い分け!? トライアルのストリート仕様とサーキット仕様を乗り比べました【デモカー試乗】
Auto Messe Web

みんなのコメント

この記事にはまだコメントがありません。
この記事に対するあなたの意見や感想を投稿しませんか?

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

162.5236.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.8270.0万円

中古車を検索
フィットの車買取相場を調べる

査定を依頼する

メーカー
モデル
年式
走行距離

おすすめのニュース

愛車管理はマイカーページで!

登録してお得なクーポンを獲得しよう

マイカー登録をする

おすすめのニュース

おすすめをもっと見る

この記事に出てきたクルマ

新車価格(税込)

162.5236.2万円

新車見積りスタート

中古車本体価格

4.8270.0万円

中古車を検索

あなたにおすすめのサービス

メーカー
モデル
年式
走行距離(km)

新車見積りサービス

店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!

新車見積りサービス
都道府県
市区町村