クルマにジャンプスタートで助けてもらうことは可能?
バイカーが経験する車両トラブルの中でも、特に多いと言われる「バッテリー上がり」。
バッテリーが上がってしまう主な原因としては、ライトの消し忘れや長期間乗らなかったことによるバッテリーの自然放電、バッテリーの端子の緩みによる接触不良などが挙げられます。
定期的に走らせたり、こまめにメンテナンスをするなど、未然に防ぐためのコツはあるとはいえ、注意していても出先で突然「エンジンがかからない!」なんてことも珍しい話ではありません。
そんな時、クルマの場合は他のクルマのエンジンとバッテリーを繋いでエンジンを始動するジャンプスタートが利用できます。ジャンプスタートとは、バッテリーが上がってしまった際に、ブースターケーブルと呼ばれる2本の専用のコードを通して、他のクルマから一時的に電気を分けてもらい、エンジンを始動させる方法。
では、バイクの場合でもクルマに繋ぐジャンプスタートで、助けてもらうことは可能なのでしょうか。
結論から言うとバッテリーが上がってしまったバイクを、クルマにジャンプスタートで助けてもらうことは可能です。
ただし、クルマの構造上、ハイブリッド車に助けてもらうのは絶対にNG。
ハイブリッド車は2つのバッテリーを搭載していますが、どちらにつないでもバイクのエンジンが掛かった際に流れる電流によって、ハイブリッド車の電気回路が故障する恐れがあります。そのため、ハイブリット車に救援をお願いするのは控えましょう。
またガソリン車であっても、救援車として使えないクルマもあるようで、一般社団法人 電池工業会によると、12V車と24V車を接続すると激しいスパークが発生し、引火爆発の原因となるとのこと。
一般的にバイクは、軽自動車、普通車と同じく12V、そしてトラックなどの大型車は24Vを基準電圧とします。そのため、ガソリン車であっても大型車からのバッテリージャンプはしない方が無難です。
ジャンプスタートの手順とは
実際にクルマからバイクへのジャンプスタートをおこなう手順は、以下の通りです。
まず、ブースターケーブルに破損などの問題がないかをチェックし、問題が無ければケーブルをつなぎます。その際、乾燥する冬場などは特に静電気が発生しやすいので、一度、壁や地面に触れるなどして静電気を逃してから作業に入ると安全です。
また、ブースターケーブルをつなぐ際にもっとも重要なのは、端子をつなぐ順番。順番を間違えてしまうと、感電や爆発など危険な事故を引き起こしてしまうこともあるので、細心の注意を払いましょう。
1.赤いコードをバッテリーが上がったバイクのプラス端子につなぐ2.赤いコードを救援車のプラス端子につなぐ3.黒いコードを救援車のマイナス端子につなぐ4.黒いコードをバッテリーが上がったバイクのフレームやエンジンブロックにつなぐ
またスパークを発生させてしまう恐れがあるため、上記の作業をおこなう際は黒いコードをバッテリーが上がったバイクのマイナス端子に直接つなぐことはNG。
ブースターケーブルをつないだら、バッテリーが上がったバイクのギアがニュートラルになっていることを確認し、救援車のエンジンを掛け、それからバイクの電源を入れ、セルを回しましょう。
エンジンが掛かったら、ブースターケーブルを外していきますが、ここでも重要なのは外す順番。今度はつないだ時とは逆の順番、つまり上述の4、3、2、1の順番でコードを外します。
またバイクのエンジンが掛かっても、すぐにエンジンを停止させてはいけません。バイクは走ることで充電されるので、20分から30分程度は走行するようにしましょう。
なお、バイクからクルマへのジャンプスタートはNG。ジャンプスタートは発電量が多いクルマ、バイクから充電をするのが一般的とされています。
中には、できたという人もいるようですが、バイクのバッテリーの故障の原因になることもあるので、控えた方がよさそうです。
※ ※ ※
出先でバイクのバッテリーが上がってしまった場合、クルマからのジャンプスタートに頼るのもひとつの手。大切なのは、ケーブルをつなぐ順番を守ることなので、いざという時に慌てずに対処できるよう、正しい手順、知識を身に着けて置くことが大切です。
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