中身は今どき! 気軽にレトロを満喫
旧車と言われる古いクルマはデザインも個性的だし、走りも洗練はされていないかもしれないが、鼓動が感じられたりと、新型車にはない魅力があったりする。ただし、実際に所有するとなるとメンテが大変だったり、家族みんなでゆったりと乗れなかったり、場合によってはクーラーもなかったりする。そもそも最近では価格高騰で、おいそれと手が出せないのも事実。まぁ、家族がいれば、みんなから大反対は確実だ。
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そこで気分だけでも味わえるのが、レトロ調とかクラシック調と呼ばれたクルマたち。最近ではあまりないが、1990年代から2000年あたりに多くが登場し、人気もあった。もちろん中身までは旧車ではなくて、年式的にもそこそこ古い程度なので安心して楽しめるのもいいところだ。今回は手軽にレトロ感が楽しめるクルマを集めてみた。
トヨタ・オリジン
2000年にトヨタが累計生産台数1億台達成を記念し、1000台限定で発売した。デザインは初代クラウンをモチーフにしており、前後ドアは観音開き。生産はセンチュリーと同じラインで行われ、塗装も含めて熟練工が担当した。ベースは小さな“高級車”プログレだけに乗り心地もよく、直6&FRらしいサルーン感覚も味わえる。
トヨタ・クラシック
オリジンは知っていても、こちらはあまり知られていないかもしれない。厳密に言うと、トヨタ自製ではなくトヨタテクノクラフト(現トヨタカスタマイジング&ディベロップメント)が製作したクルマだ。トヨタの市販車生産開始60周年を記念して作られたもので、デザインはトヨタ初の乗用車AA型をモチーフとし、ハイラックスがベースだった。レトロ度はかなり濃厚だ。
三菱・フライングパグ
1990年代はスバルのサンバーディアスクラシックが火を点け、クラシック顔ブームが吹き荒れた。その多くはメッキグリルにしたり、丸目にしたりなどした架空のクラシックであった。そのなかで、このフライングパグは、日本初の4WD、1934年に三菱造船所が試作したPX33をモチーフにしていて、ほかとは風格が違っていた。
実際見ると、雰囲気が似ている程度だが、なんちゃって感は少ない。ちなみにパリダカには、元世界チャンピオンライダーの片山敬済がドライブして、PX33という車名の本格レプリカ(ベースはパジェロ)が参戦していた。
スバル・インプレッサ カサブランカ
多数あるレトロ調やクラシック顔のなかでも、異色だったクルマを1台紹介しよう。それがインプレッサに追加されたカサブランカだ。
1997年のモーターショーにコンセプトカーとして登場し、反響が大きかったため翌年に5000台限定で発売された。クラシック顔などにアレンジする場合、予算も手間もかけられない。ベースはそのまま利用するのが当たり前で、カサブランカも同様だ。そのような条件のもと、厚みがなくてペッタリとした顔の初代インプレッサをベースにしたものだから、ちょっと爬虫類っぽい感じだった。
光岡ビュート
自動車メーカー系ではなく、独立系でクラシック調を広めた光岡の功績は大きい。今でもバディやロックスターなど、ヒットを飛ばしている。その起爆剤となったきっかけが、1993年に出たビュートだ。
2代目マーチをベースとしていて、ジャガーCタイプ風に顔つきを変更しているだけでなく、リヤにトランクをプラスするなど手間がかかっている点が注目された。イギリスのジャガー専門誌が日本の家の駐車場に入っている写真をどこで手に入れたのか掲載して、「なんじゃこりゃ?」と取り上げていたのは印象的だった。
その他・番外編
旧車の雰囲気を楽しむ方法としてもうひとつあるのが、最近まで作っていた長寿車というのがある。三菱のジープ(2001年販売終了)やY31型のセドリックセダン(ガソリンは2002年、LPG仕様は2014年販売終了)、クラウンセダン(2017年販売終了)など、比較的最近まで作られていたモデルもけっこうある。
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