FIAは7月1日、2022/23年のABBフォーミュラE世界選手権に向けた各サプライヤーの選定結果を公表した。各チームに供給される共通シャシーは引き続きスパーク・レーシング・テクノロジーズが製造するほか、ワンメイクタイヤサプライヤーは韓国のハンコックタイヤが務める。
電動フォーミュラで争われるフォーミュラEは、2020/21年シーズンのシーズン7から世界選手権として開催される。そして世界選手権化3年目にあたる2022/23年からは、環境面と経済面への影響をさらに抑えた次世代車両規格“Gen3”導入が決まっている。
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このGen3は2022/23年から4シーズンに渡って採用される規定で、現行のGen2よりもよりパワフルかつクイックでありながら、コストを削減することも念頭に置かれているもの。
具体的にGen3のパワーユニット出力は現行規定の発展型“Gen2 EVO”が投入される2021/22年のシーズン8と比べ、決勝時で最大100kW多い350kW、予選時で最大80kW多い300kWが想定されている。またブレーキによるエネルギー回生についても現行の250kWから600kWまで強化される見通し。
また、このGen3からは“フラッシュ・チャージング”としてレース中の急速充電も可能となる見込みだ。
現行規定から大きくパフォーマンスが向上するGen3だが、FIAは引き続きコスト削減にも注力しており、シャシーとバッテリー、そしてタイヤは単独サプライヤーによる共通パーツを採用する。
シャシーとフロント・パワートレインキットについては、シリーズ創立初年度からフォーミュラEに関わっているスパーク・レーシング・テクノロジーズが供給を担当。各チームに供給されるバッテリーシステムについては、ウイリアムズ・アドバンスド・エンジニアリングが供給する。
そして、Gen3で使用される全天候型ワンメイクタイヤは、新たに韓国のハンコックがサプライヤーを務めることになった。フォーミュラEはシリーズ発足初年度からミシュランのワンメイクタイヤが使われてきたため、初めてのタイヤサプライヤー変更となる。
ハンコックのスイル・リーCOOは「世界中の全従業員が、ハンコックがフォーミュラEのGen3タイヤサプライヤーに選ばれたことを誇りに思っている」とのコメントを発表している。
「電動フォーミュラカーで世界各国を転戦するフォーミュラEは、レースを通じて多くの人々に地球温暖化や空気汚染の問題について意識するよう呼びかけており、その活動は素晴らしいものだ」
また、FIAは参戦マニュファクチャラーなどとも協議を重ね、マシンパフォーマンスに影響を与えない領域については、さらなる共通化を図る可能性も示唆している。
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