今のクルマは非常によくできている。かつては明らかに性能面で劣っている、というクルマが存在したが、現在ではほとんど皆無と言っていい。
それは走りの性能に関しても言えることで、スポーツ&GTの走行性能が優れているのは当然ながら、そのほかのカテゴリーでも勝るとも劣らない性能を持ったクルマが数多くある。
レクサス最小SUV 「UX」は安くて楽しくてちゃんと「レクサス」しているか?
クルマを購入する際に何にプライオリティを置くかは人それぞれだが、走りのいいクルマが欲しいと思っている人は少なくない。
本企画では、今人気ナンバーワンのSUVカテゴリーにおいて、走りのいいクルマを現役レーシングドライバーの松田秀士氏が選び出し紹介していく。
文:松田秀士/写真:PEUGEOT、FCA、TOYOTA、池之平昌信
【画像ギャラリー】走りのいいSUVは走っている姿もカッコいい!! 新型ハリアー、RAV4 PHV、プジョー3008、グランドチェロキートラックホークの共演
走りの質感が高いSUV(快適で満足感が高い!!)
走りの質感が高いSUVはデビューしたばかりのハリアーだね。
RAV4と同じ最新のSUV用のプラットフォームを採用しているけれども、明らかに乗り心地も質感も1~2ランク上のフィーリングだ。
路面を選ばずサスペンションがしっかりと処理するので、ボディへの伝導が少ない。
見た目の美しさに目が奪われがちだが、走りの総合的なポテンシャルがとても高いレベルにある。オンロード/オフロードで質感の高い走りを披露する新型ハリアー
それでいてサスペンションは過度に動き過ぎず、路面のアンギュレーションに対して最小限のホイールストロークで処理するのでオーバーシュートせず、かといって硬すぎることによる振動感も少ない。
インテリアも刷新されて視認性の良いディスプレーやメータ類、ダッシュやコンソールなどかなり質感を上げている。
ACCとLTAも採用されて高速でのドライブ疲労を抑えて移動半径が広がるだろう。
RAV4とプラットフォームを共用する新型ハリアーは、一般道、高速道路、サーキット、オフロードで高い走行性能を持っていて、しかも安心して運転できる
また前後カメラがそのままドライブレコーダーとしても機能。マイクロSDに画像が記録される。が、音声はプライバシーの観点から録音されない。
そしてパノラマルーフには調光機能が採用され、ボタンひとつで透明と調光が切り替えられる。ハリアーは総合的に見て走りの質感が高いSUVだ。
前後録画機能付きのデジタルインナーミラーをはじめ、最新の運転支援装置も新型ハリアーの走りの質感を高めるのに大いに貢献している
ハンドリングのいいSUV(走って楽しい!!)
ハンドリングのいいSUVとして、最近試乗して驚いたのがプジョー3008だね。
プジョー3008はプジョーが自社開発した初めてのSUVでそのデビューは2017年。308のプラットフォームを供用していて、同じく供用する5008は3008のロングホイールベース版だ。
プジョーが初めて手掛けた本格的SUVの3008は2017年から日本で販売を開始。375万8000~461万3000円で輸入車SUVとしてはリーズナブル
3008はディーゼルエンジンモデルが追加されたり、6速AT→8速ATに進化したりとすでに3年が経過しようとしているが確実に進化してきている。ある意味、熟成された今が旬のモデルともいえるのだ。
また、装備や性能に対して欧州車というくくりの中では価格がリーズナブルなことも魅力のひとつだ。
さてそのフィーリングだが、プジョー独特のソフト系のサスペンションによって乗り心地がよく、市街地レベルの速度域ではスムーズで気持ちのいいドライブフィールが味わえる。
3008はサスペンションのセッティングが絶妙で、路面からのショックが少なく、路面への追従性がいいため、運転していて気持ちいい
路面状況の悪い市街地や田舎道では、サスペンションの伸び側(リバンプ)のダンパー減衰力がそれほど高くないので内臓にドスンと響くようなショックがなく、また路面への追従性がいい。
ではそのハンドリング。
小舵角ではしっかりロールモーメントを感じ、そのくせロールが大きすぎない。特に首都高など比較的トリッキーな高速道路でのコーナリングではロールは大きくない。
これは一般道での低中速レベルでの印象からは想像できないほどで、だいたい0.5Gぐらいの横Gレベルからサスペンションにしっかりと腰が入った印象で、ロールそのものが抑え込まれている。
さらにショートホイールベースのクルマをドライブしているような印象で、小舵角で非常によく曲がり込む。フロントタイヤだけで曲げている一般的なFF車の印象ではなく、リアも適度に曲がり込むニュートラルステアーなフィールなのだ。
路面状況にかかわらず、接地感がしっかりしているので安心感につながる。タイヤを選ばないサス&ハンドリングセッティングも評価できる
しかもリアの接地感もしっかり感じ取れるので、安心感もある。
また、ステアリング切り始めにタイヤ表面がつぶれて接地長と呼ばれる路面にコンタクトしている表面積が拡大するタイミングとその初期ロールのタイミングがバッチリ合っている。
このどちらかが早過ぎないのでクルマの動きとステアリング操作がリニアにマッチしているように感じるのだ。このようなサスペンション&ハンドリングのクルマはタイヤを選ばないと思う。
つまりOEMタイヤからリプレイスタイヤに換えてもハンドリングに大きな変化は起きないだろう。
加速性能が優れたSUV(速くて気持ちいい!!)
加速のいいSUVは? って聞かれると、ボクは迷わずグランドチェロキー・トラックホークを挙げるね。
そう、あのJeepブランドのクライスラーが販売する愛称グラチェロ。そのハイパフォーマンスモデルの頂点にトラックホークというグレードがある。
世界中にスーパーSUVと呼ばれるクルマが続々と登場しているが、大パワー、大トルクによる豪快な加速が楽しめるのがグランドチェロキートラックホーク
搭載されるエンジンはHEMIエンジンと呼ばれる6.2LのV8+スーパーチャージャーを装備。その出力は710ps/868Nmという超強力なもの。
ランボルギーニ・ウルスだって650ps/850Nmだからこれを軽く60psも上回る。
これに8速ATがドッキングされ、もちろんフルタイム4WD。このパワー四駆でなきゃ受け止められるレベルのパワーじゃない。
車重は2.47tもあるからSUVらしいどっしりとした乗り味がある。軽量化して加速をよくしようなんて、これっぽっちも考えてないかのようなSUVの王道嗜好。
悪路では重い車重が低速域ではダウンフォースとなり安定した走行性能を示している。サーキットのような路面では吸い付くように加速していく
基本SUVはオフロードもこなすオールラウンダーだから、速度の低いオフロードや悪路では車重はダウンフォースになる。つまり車重はタイヤを安定してグリップさせるための強い味方となる。
これがオンロードのハイスピードとなると、黙っていてもタイヤグリップがいいから今度は空力によるダウンフォースが重要になる。そして軽ければ軽いほど俊敏な動きを後押ししてくれる。
SUVは大柄で背高(地上高が高い)であるがゆえに背反するいくつもの課題を抱えているのだ。
そこをあっさり馬力で解決というところがいかにもアメリカンな印象を受けるのだが、実際にアクセルを踏み込むとスーパーチャージャーが低速からしっかり効き始め、しかも6.2Lという大排気量。
スーパーカーSUVのランボルギーニウルスをも凌駕するスペックの6.2L、V8+スーパーチャージャーのHEMIエンジンは710ps/868Nm
停止状態からでもこの重いボディを強烈に加速させる。舗装路上でもこの車重はダウンフォースになるから蹴飛ばし感はスゴイ!のひと言。はっきり言って100km/hからでもそれほど変わらない印象の加速をする。
実はつい先日、長野県で行われたJeepの試乗会にこのトラックホークで出かけてきた。だからその感動は、今、出来たてのホヤホヤなのである。
ピークパワーは6200rpmで発生するが、そのまま7000rpmまで飛び越えていきそうで、高回転域までもテンションは変わらない。
このHEMIエンジンはOHV。OHVは古い過去のエンジンと思われがちだが、現在のアメリカンOHVは進化に進化を重ねたもの。
DOHCに比べてカムなどを必要としないので部品点数も少なくシリンダーヘッド周りがシンプルだ。エンジン高を抑えることもできる。それゆえ回転パーツが少なくフリクションロスも小さい。
サイドビューも只者ではない雰囲気を醸し出しているトラックホーク。車両価格はシリーズで最も高い1356万円だが、満足度は高い
ただ加速がよくガサツなドライブフィールはまったくなく、ビルシュタイン製の可変減衰ダンパーやブレンボーのブレーキシステムがその走りを支えている。
ところでもう1台、国産車で触れておきたいのがRAV4 PHVだ。
諸般の事情で今オーダーはストップされているが、再開されるときにはホームページで告知されることになっている。
ボク自身すでに試乗ずみなのだが、RAV4ハイブリッドよりもパワーアップされたモーターパワーはフロント:182ps/270Nm、リア:54ps/121Nm、これに2.5Lのエンジンが177ps/219Nm。
システム最高出力は306psで0~100km/h加速は6.0秒と俊足。
アクセルを床まで踏みつければ低速域の蹴飛ばしにモーターパワーが炸裂し同時にエンジンもフル出力。まるでターボの代わりにモーターがブーストしているフィールだ。とにかくガクッ!と背中がシートに押し付けられる。
18.1kWhというPHVとしてはかなり大型のリチウムイオンバッテリーを搭載。大きな電力の出し入れに加熱するバッテリーをエアコンの冷媒で冷却するというユニークなリキッドクール方式。
強烈な加速を支える革新の技術が与えられている。
RAV4史上最高スペックとなるシステム出力306psをマークするRAV4 PHVの加速感は素直に気持ちいい。469万~539万円はバーゲンプライス!!
高性能で買い得感の高い価格設定ゆえ、日本でも初期オーダーが殺到し、2020年7月末現在は予約中止となっている。予約再開示はホームページで告知されるので要チェック
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どれ買っても同じだ
貧乏人のSUV。