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試乗 スバル・インプレッサ2.0i 英国には強力なライバル多し

掲載 更新
試乗 スバル・インプレッサ2.0i 英国には強力なライバル多し

もくじ

どんなクルマ?
ー 幅広い安全装備

中古で勝負 エボ6トミマキ vs インプ・リチャード・バーンズ仕様(前編)

どんな感じ?
ー 物足りないパワー

「買い」か?
ー ゴルフという選択肢も

スペック
ー スバル・インプレッサ2.0i SE リニアトロニックのスペック

どんなクルマ?

幅広い安全装備

スバル・インプレッサといえば、20年前は、聞けばハッとして注目するような名前だった。当時WRCの熱烈なファンだったのならなおさらだ。

しかし、われわれ英国人にとって、今のインプレッサはそれほどエキサイティングではない。これにはふたつの理由がある。

まず名称として、誰もが羨むパフォーマンスグレードのWRXが、独立したモデルになったこと。もうひとつは、しばらくの間、スバルの車両開発では安全を第一に据えたことだ。

もちろんすべてが悪いことではない。ドライバー保護に適した「アイサイト」の効果は大きく、この新型インプレッサは、最終的にユーロNCAPで5点満点を獲得した。この「アイサイト」には、プリクラッシュブレーキやアダプティブ・クルーズコントロール、レーンキープアシストなどが含まれている。

これらの幅広い安全装備に加えて、インプレッサはオンロードでの安定性に優れるシンメトリカルAWDを備えている。さらに、新規開発のスバル・グローバル・プラットフォームが採用され、運動性能の向上が図られている。サスペンションは、前がマクファーソン・ストラット、後ろがダブルウィッシュボーンだ。

ボンネットの下には、自然吸気4気筒の2.0ℓボクサーエンジンが搭載されている(1.6ℓエンジンも設定、英仕様)。156ps、19.7kg-mを発生し、リニアトロニックと呼ばれるCVTによって四輪に伝達される。

どんな感じ?

物足りないパワー

ソフトで適度にサポート性のあるファブリックのシートに座ると、比較的シンプルなデザインのキャビンが広がっている。

プラスティックのパーツが見え、装飾の少ないインテリアではあるが、全く不快ではない。十分なスペースがあり、ごちゃごちゃしないようにしているのがわかる。概ね良い出来だ。

しかし、良い印象はここまでだ。スターターボタンを押して走り出すと、少々疑問に思える点が出てくる。その多くがエンジンとギアボックスに関するものだ。

2.0ℓのフラット4のトルクは控えめでターボが付いていないため、20kg-mを発生させるには4000rpmまで回さなくてはならない。どんなに急いで加速させようとしても、エンジンが耳障りでギクシャクした唸り声をあげ続けるだけで、CVTが回転するにつれてやっとクルマが進み始める。

0-100km/hの加速には9.8秒かかるので、この唸り声がつづく場面もしばしばある。ドライバーにできるのは耐えることだけだ。

1379kgの車体を動かすためには回転数を上げなくてはならず、元々特に素晴らしいわけでもない燃費に影響が出る。スバルによれば燃費は18.2km/ℓだが、われわれのテストでは14.9km/ℓ程度だった。

スバルのチョイスしたエンジンとトランスミッションは別段力強くはないが、少なくともシンメトリカルAWDのおかげで安定感、安心感はある。欲しい時に十分なグリップが得られるのは賞賛すべき点だし、ボディロールもよく抑えられている。乗り心地は、時たま硬くも感じるが、不快さからは程遠い。

「買い」か?

ゴルフという選択肢も

ソリッドな製造クオリティや、適切なインテリアスペース、安定感のあるオンロードでの振る舞いや高い安全性評価など多くの美点があるが、同じくらい欠点もある。

2.0ℓのエンジンを積んでいるが、パンチがないだけでなく無味乾燥で、特に洗練されているわけでもない。そのうえ英国では2万5560ポンド(378万円)と高い。

確かにシートヒーターやデュアルゾーンオートエアコン、DABデジタルラジオにApple CarPlayやAndroid Autoまで搭載されている。しかし同じような金額で、同じような装備を備えたフォルクスワーゲン・ゴルフGTを買うこともできる。

値段という点だけなら、フォルクスワーゲングループの1.5ℓ、130psの「エボ」というガソリンエンジンと7速DSGを載せることもできる。このエンジンはスムーズなだけでなく、より洗練されていて、ターボが付いていることで扱いやすい。

しかも、燃費もこちらの方が良いのだ。われわれは最近このエンジンを載せたゴルフのエステートモデルをテストしたが、その際には21km/ℓに迫る勢いだった。

売却価格の問題もある。スバルの予想では、36カ月、6万kmを超えると価値はたった36%になる。これはかなり厳しい。同じ条件だと、新車価格が2万5010ポンド(370万円)のゴルフは40%程度と予想される。

すべてを見た上で正直に言えば、インプレッサの購入を考えているひとは、スバルの安全装備を購入しなければならないか、長らくスバルの愛好家なのだろう。もっと好ましいエンジンとギアボックスがなければ、英国でインプレッサを見かけることは珍しいままにちがいない。

スバル・インプレッサ2.0i SE リニアトロニックのスペック

■価格 2万5010ポンド(369万円)
■全長×全幅×全高 4460×1775×1455
■最高速度 208km/h
■0-100km/h加速 9.8秒
■燃費 18.2km/ℓ
■CO2排出量 42.8g/km
■乾燥重量 1379kg
■パワートレイン 水平対向4気筒1995cc
■使用燃料 ガソリン
■最高出力 156ps/6000rpm
■最大トルク 19.7kg-m/4000rpm
■ギアボックス CVT

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