クーペスタイルの5ドアハッチバック。ここではリアピラーに傾きが付けられクーペライクな見た目をしているが、セダンのように独立したトランクがなく、リアゲートが上に開くタイプのクルマを指す。
なんとなく日本人好みにも思えるデザインだが、この手の4ドアセダンベースの5ドアハッチバックは日本ではなかなか根付かず、当然ながら短命に終わってしまったクルマも多い。
これぞ4ドアクーペの元祖!! トヨタ カリーナEDの栄光と挫折 【偉大な生産終了車】
そんな不遇のモデルたち6台をご紹介。世界的なクーペスタイルの流行も起きていることだし、いまならウケるかも!!?
●【画像ギャラリー】スカイライン、ギャラン…静かに姿を消していったハッチバックモデルたちをギャラリーでチェック!!!
※本稿は2020年1月のものです
文・写真:ベストカー編集部
初出:『ベストカー』 2020年2月10日号
■日産 R30スカイラインハッチバック(1981年)
6代目に、趣味を楽しむ洒落た仕様として初設定。1.8L直4のTIと2L直6のGTを用意。直6ターボも選べた。ワゴンと棲み分けができず、一代限りで消滅。
セダン、クーペ、ワゴンに続き、4タイプ目のボディとしてラインアップされた5ドアハッチバック。1981年にスカイライン史上初のハッチバックモデルだったが、モデルチェンジのタイミングで姿を消した
■日産 P10プリメーラ 5ドアハッチバック(1990年)
ドイツを唸らせた日産車にも5ドアが存在。英国生産の輸入車で、仕様は2LのAT車のみ。実は、歴代すべてにハッチバックがあるが、日本では2代目まで。
5ドアハッチバックモデルはイギリス・サンダーランド工場で生産された
■日産 ブルーバードオーズィー(1991年)
8代目ブルーバードの4ドアセダンがベース。FFの2L直4エンジンに4ATを搭載。オーストラリア工場製で、1991年5月から3カ月間限定で発売された希少車だ。
2代目ピンターラの2.0L5ドアハッチバックが逆輸入された形になるのが「ブルーバードオーズィー」
■マツダ ランティス(1993年)
個性的なスタイルが自慢の5ナンバーモデル。ハッチバックは、クーペという位置づけ。トップモデルは2L V6のタイプR。JTCCにも参戦した。
ファミリア アスティナ/ユーノス100の後継モデルとして登場したランティス
■三菱 ギャランスポーツGT(1994年)
ハッチバックなのに、RVブームにあやかろうと、グリルガードやルーフレールなどを装着。しかもスポーツ路線を狙い、トップグレードに240psのGTを設定した。
7代目ギャランの派生車にあたるギャランスポーツGT。ドアから後方をクーペ風に寝かせ、リアにはスポイラーを装備している
■三菱 ギャランフォルティススポーツバック(2008年)
ギャランを名乗るが、世界的にはランサーに相当。セダンよりも若々しいキャラクターで、2L車のみを設定。プチエボと呼べるラリーアートもあった。
欧州仕様には1.8Lの設定もあるが、日本ではセダン同様2L・MIVECのみだった
【番外コラム】 輸入車には多いのに……ナゼ日本人にはクーペっぽい5ドアハッチバックはウケないのか?
クーペっぽい5ドアハッチバックがなぜ日本人にウケないのか、渡辺陽一郎氏に聞いた。
「ルーフが低くて背中がなめらかに見えるデザインは、日本では1980年代に流行しており、もうウケないんです。
マーク2みたいな4ドアクーペや3ドアハッチバックは流行しましたが、背の高いコンパクトカーやミニバンに取って代わられました。
クーペっぽい5ドアハッチバックとしてCLSが2000年代に入ってきたけど、日本のユーザーからは今頃? って感じで古臭く受け止められたんですよ」
●アウディ A7 スポーツバック
5ドアハッチバック(ファストバックデザイン)は、リアゲートを開く時に後ろのスペースがいらないため、欧州では実用面でも受け入れられているのだ
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