新型レヴォーグ発表で注目! 長距離を乗っても快適で、荷物もたっぷり積める。そんな真の「GT」ワゴンは?
2020年10月15日、通算2代目となるスバルのスポーツワゴン、新型レヴォーグが正式発表。レヴォーグといえば、かつてのレガシィツーリングワゴンの系譜をひくモデルで、国産ワゴンが次々と消滅するなか、根強い支持を受けている。
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そんなレヴォーグのグレード名にもなっているのが「GT」。スポーツモデルに使われるケースも多いが、グランドツーリング=長距離を快適に走れるクルマという意味も持つ。そこで、本稿では長距離でも快適なGTワゴンを紹介していきたい。
文/片岡英明、写真/SUBARU、TOYOTA、MAZDA、BMW、VOLVO
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■スポーツ性と安全性を両立させた新型
●スバル 新型レヴォーグ
先日新型モデルを発表したスバル レヴォーグ。速さと安全を両立するスポーツワゴンだ。全長×全幅×全高:4755×1795×1500(mm) エンジン:1.8L水平対向4気筒DOHC直噴ターボ【177ps/30.6kgm】
初代はスポーツツアラーと言っていたが、最新の2代目の開発陣は「ワゴン」と呼んでいる。しかも飛び切り速いスポーツワゴンだ。
エクステリアは正常進化だが、キャビンは余裕を増しているし、シートの座り心地もよくなった。後席でも満足できる広さと快適性を実現している。
また、ラゲッジルームも使い勝手がいい。後席は4:2:4の分割可倒式だから、多彩なシートアレンジが可能だ。サブトランクを含めると、その容量は現行型アウトバックを凌いでいる。荷物は積みやすいし、ほとんどのグレードは便利なパワーリアゲートを標準装備した。
が、レヴォーグの魅力はスポーツ性と安全性に関しても高いレベルにあることだ。新世代プラットフォームを採用し、サスペンションも進化させている。シャシー性能は欧州車と遜色ないし、サスペンションもしなやかに動く。また、2ピニオン電動パワーステアリングも採用し、精緻な操舵フィールを実現した。
乗車人数や荷物の量に関わらず、気持ちよく走れ、操縦性もほとんど変わらない。4WDならではの卓越したトラクション性能も魅力のひとつだ。しかも乗り心地もよくなっている。
走りの実力と快適性は2ランクくらいレベルアップした。STIスポーツでなくても満足度は高く、先進的な運転支援システムのアイサイトXも搭載できる。新設計の1.8ℓ直噴ターボは、スポーティ派も満足できるパワー感だ。気持ちいい走りのワゴンを探している人にはいい買い物になるはずで、長く付き合える。
■ワゴンらしからぬキュートなデザイン
●トヨタ カローラツーリング
世界で愛されるカローラのワゴン版であるカローラツーリング。ゴツゴツし過ぎない親しみやすいデザインだ。全長×全幅×全高:4495×1745×1460(mm) エンジン:1.8L直列4気筒【98ps/14.5kgm】
世界中にファンを持つCセグメントのコンパクトカーがカローラだ。長い間、5ナンバーの小型車枠を守り通してきたが、最新モデルはプラットフォームを一新し、全幅を広げて3ナンバー車に生まれ変わった。が、海外向けのカローラより全幅を狭め、日本の狭い道で持て余さない大きさとしている。
ワゴンは現行モデルでは「ツーリング」を名乗り、デザインも若々しい。後席に人が座るとラゲッジルームは並みの広さだ。が、後席を前に倒せば荷室容量は400L以上増え、1.8m級の長尺モノも難なく積み込める。それでいてワゴンらしからぬキュートなデザインなのがいい。
パワーユニットは1.8Lの直列4気筒DOHCを2種類、そして1.2Lのターボエンジンも用意。ターボは変速が楽しい6速MTとの組み合わせだ。1.8Lモデルは、軽快なパワーフィーリングのガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドがある。
ガソリンエンジン搭載車は実用燃費こそそれなりだが、リーズナブルな価格設定だ。しかもプラットフォームは最新だから気持ちいいハンドリングを楽しめる。ハイブリッド車は優れた燃費と静粛性に代表される快適性能が高い。
最新モデルはハイブリッド車特有のかったるい加速フィールが影を潜め、ただのエコカーに終わっていないから、カローラツーリングの大半を占めている。先進安全装備も最新のものが付いているからオススメ度は高い。
■大きな車格だが扱いやすいマツダのフラッグシップ
●マツダ6ワゴンXD
マツダのフラッグシップであるマツダ6。荷室も走りも車格も、なにもかも大人の余裕を感じさせる。全長×全幅×全高:4805×1840×1480(mm) エンジン:2.0L直列4気筒DOHC【115ps/20.3kgm】
マツダの頂点に立つフラッグシップが、マツダ6(旧アテンザ)だ。国際基準だからボディは堂々たる大きさで、遠くからでも風格を感じさせる。セダンをベースに開発されたワゴンは、ホイールベースが80mm短いし、全長も短くした。だから扱いやすさではセダンの一歩上を行く。
それでもキャビンとラゲッジルームは広く、荷室容量はセダンをしのぐ506ℓを確保している。6:4分割可倒式シートを畳めば荷室は広大だ。かさばる荷物も積みやすい。ルーフレールも重宝する。
アテンザとマツダ6は別物だ。フルモデルチェンジ並みの改良を行い、走りの実力を大幅に高めた。
パワーユニットの主役は2.2Lの直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボである。きめ細かい改良により、性能を高め、快適性も向上した。最大トルクは4Lクラスのガソリン車を上回っている。
レスポンスは鋭いし、実用域トルクも厚みを増した。荷物をたくさん積んでも気持ちいい加速、というか痛快な加速を見せつける。
最新モデルは静粛性も大きく向上した。2.5Lのガソリンエンジンも楽しい。特にターボ仕様はレギュラーガソリンを使いながら本気で加速すると爽快な速さだ。
自慢のハンドリングは軽やかで、狙ったラインに無理なく乗せることができる。アテンザの時代から数えると登場から8年になるが、走りの実力も非凡だ。
輸入ワゴンの購入を検討している人は、一見の価値がある使い勝手のいいワゴンである。
■最新版では洗練された走りが楽しめる!
●BMW 3シリーズツーリング
新世代プラットフォームの採用で剛性が増し、結果として走行ラインの安定につながったBMW 3シリーズツーリング。全長×全幅×全高:4715x1825x1470(mm) エンジン:2.0L直列4気筒DOHC【156ps/25.5kgm】
BMWの日本での主役は、ジャストサイズの3シリーズである。2019年早々に新型の3シリーズが導入され、9月にはワゴンの「ツーリング」を追加した。新世代プラットフォームを採用し、剛性感たっぷりのボディはさらに強靭になっている。
その結果、スポーツカーのように正確なハンドリングを身につけ、運転するのが楽しい。初期モデルでは精度に物足りなさを感じたが、最新モデルは走りの洗練度を高め、気持ちいい走りに磨きがかかった。
ツーリングもバリエーションは豊富だ。ボトムとして新たに加わった318iツーリングは軽快なハンドリングと快適性の妥協点が高く、タイヤを上手に履きこなしている。2Lの直列4気筒DOHCガソリンターボも必要にして充分な動力性能だ。もう少し余裕を、というなら上級モデルの320iを選べばいい。
また、4WDと組み合わせた2ℓの直噴ディーゼルターボはパンチのある加速を見せ、ハンドリングも落ち着いている。
刺激的な走りに加え、最先端の運転支援システムなど、革新的なソリューションも充実しているから、ドライバーだけでなく同乗者も楽しい。ワゴンとしての実力も高く、滑り止め付きのラゲッジルームや2ウェイテールゲートなどは重宝する。
■積極的な電動化で環境保全も万全!
●ボルボ V60
ワゴン文化のけん引役を担うボルボ。そのボルボの主役となるV60。全長×全幅×全高:4760x1850x1435(mm) エンジン:2.0L直列4気筒DOHC【197ps/30.6kgm】
ボルボは早い時期からステーションワゴンを発売し、ワゴン文化をけん引。世界中でボルボの主役となっているプレミアムワゴンがV60である。現行モデルは2代目で、2018年秋に第2世代に生まれ変わった。ボディサイズは大きいが、伸びやかなシルエットはボルボらしさが全面から感じ取れる。
また、環境保全の観点から積極的に電動化に取り組み、ディーゼルの開発は打ち切った。現在の主役は2ℓの直列4気筒DOHCガソリンターボで、上級モデルはこれにスーパーチャージャーとモーターを加えた「ツインエンジン」を名乗るT6とT8だ。
フルタイム4WDと組み合わせ、2019年にはプラグインハイブリッドのボトムとなるV60T6ツインエンジンAWDモメンタムを投入し、魅力を広げている。
ターボにスーパーチャージャーの組み合わせ、そしてモーターアシストも加わっているから応答レスポンスは鋭いし、全域にわたって吹き上がりも軽やかだ。1000回転台から力強くトルクが立ち上がり、2000回転を超えるとパンチ力が増してくる。
加速はいいし、追い越しも余裕でこなす。滑るように上質な加速も特筆できるところだ。静粛性も高く、高速クルージングを得意とする。しかもハンドリングは軽やかで、ボディの大きさを意識させない。乗り心地も上質だ。もちろん、ワゴンとしての実力も一級で、かさばる荷物も一気に飲み込む。
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安全性の高さにシャープなデザイン、品質が高くお洒落な内装を備え、走りもモーターがサポートして静かで上質そのもの。
是非試乗してその実力をお試しあれ。