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歴代モデルで振り返るOPELを象徴する実力派セダン「VECTRA」

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歴代モデルで振り返るOPELを象徴する実力派セダン「VECTRA」

写真は精悍な表情の2代目。ボンネットのプレスラインからドアミラーに至る一体的な成形がデザイン上のトピックだ。

VECTRA ベクトラ

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1988-2008

OPELの親会社であったゼネラルモーターズの世界戦略車構想は1970~80年代にかけて勢いを増していた。その中で生み出されたミドルクラスモデルが『VECTRA』である。

〝Jカー〟に始まる新世代の中核モデル

 オペルが自動車の生産開始直後から小型車開発に積極的に取り組んできたのはここまで紹介したとおり。『KADETT』の流れを汲んだ『ASTRA』が誕生し、さらにその下のクラスを補完するべく『CORSA』がリリースされた事実がそれを物語っている。その一方で、ゼネラルモーターズの世界戦略車構想でミドルクラスモデルの充実も欠かせない案件だった。

 この点における具体策として、〝Jカープロジェクト〟と呼ばれる中核モデルの開発が推し進められており、その一環として生み出されたのが3代目『ASCONA』であり、バトンを受け取ったのが『VECTRA』である。

 1988年に登場した初代『VECTRA』は3BOXを基調とした基本に忠実な仕立てが信条のモデルだ。一見すると中庸なイメージを抱くかもしれないが、実際にその丸みを帯びたボディーワークは、0.29という空気抵抗係数を誇るエアロダイナミクスに優れたもの。使いやすいサイズと豊富なエンジンバリエーションで確かな実力を有してラインアップの中核を担った。また、オペル初となる4WDの駆動方式を採用したのもこの『VECTRA』からであり、質実剛健なオペルのイメージを体現する万能車として名を馳せた。ちなみにこの『VECTRA』をベースに生まれたスペシャルティークーペが『CALIBRA』である。

積極的なチャレンジに見るクオリティーアップ

 1995年にデビューした2代目はプラットフォームを刷新し、セダンに加えてワゴンをラインアップした。この世代でも空力性能の追求は顕著で、ボンネットからドアミラーにかけてつながりを持たせた造形は2代目『VECTRA』のアイデンティティーを象徴しているかのようだ。また、燃費向上技術として停車時にATが自動的にニュートラルに入るオートマチックトランスミッションを世界初採用したほか、サイドエアバッグを全車に標準装備するなど、メカニカルおよび安全面での新機軸を積極的に採り入れたことなどからも、実力派モデルとしての立ち位置が窺える。

 2002年に登場した3代目では、GMイプシロンプラットフォームを用いてパフォーマンスの底上げを図った。先代に引き続き、この世代でも4気筒エンジンに加えてV6ユニットを用意。その中で生まれたのがショートワゴンタイプの『SIGNUM』で、セダンからホイールベースを延長して後席スペースを拡大するなど〝小さな高級車〟的なテイストを加味したモデルとなっている。この3代目は08年まで生産が続けられた後、その後を『INSIGNIA』が受け継ぎ、クオリティーの高いミドルクラスモデルとして現在のラインアップの中核を担っている。

3BOX、6ライトウインドウのオーソドックスなスタイルながら、空力特性に優れる初代モデル(上段)。マイナーチェンジ(上段左)ではデザイン上の小変更に加え、2.5LV6エンジンを追加したことが新しい。この初代をベースにしたスペシャルティークーペが『CALIBRA』である。1995年登場の2代目(下段)ではさらにエアロダイナミクスに磨きがかかり、シリーズ初のワゴンモデルも追加された。左下はドイツのチューニングメーカーであるイルムシャーが手がけたハイパフォーマンスモデルの『i500』。

2代目では空力性能の向上に加えて、燃費や環境性能に貢献するニュートラルコントロール付きATや〝ECOTEC〟V6ユニットが与えられた。サイドエアバッグの標準装備化など安全装備が充実しているのも見逃せない点だ。

2002年登場の3代目はそれまでよりも質実剛健な印象を与えるデザインを持つ。実際に新しいプラットフォームを用いたことで、シャーシの剛性は先代よりも大幅にアップ。サスペンションのアルミ化やコンピューター制御の電動油圧パワーステアリングなどによりハンドリングや乗り心地の面でもレベルアップを図った。また、この世代からセダンとワゴンに加えて、ホイールベースを延長して後席居住性を高めた『SIGNUM』もラインアップされた。

取材・文/桐畑恒治

160年の歴史を持つオペルのすべてがわかるブランドMOOK「&OPEL 未来を創るクルマ。」発売中

 1862年の誕生以来、不断の進化によっていつの時代も時代も最先端のポップカルチャーであり続けたOPEL。そのブランドDNAとその魅力を、チーフデザイナーへのインタビューや歴史的名車の検証などをもとに解き明かすムック本「&OPEL」が発売されました。

 ドイツの自動車メーカーOPELは、160年の歴史を持つ老舗ブランドです。日本との縁も深く、戦前から輸入され、2006年までは日本国内でも販売されていたので、ご存じ方はもちろん、実際に乗った/所有したことがある方も多いのではないでしょうか。

 そして今、OPELが再び、日本に上陸するといわれています。今度、日本にやって来るOPELは、私たちがしばらく見ないうちに、すばらしくモダンで、ポップな佇まいに変身していました。ドイツ車としての信頼感と堅実さはそのままに、ガジェット感あふれるデザインやカラーリングからは、「どんな人生を愉しみたい?」と、クルマが語りかけてくるようです。そんな、ニュー・ジャーマン・カーで実現するライフスタイルのテーマは「リラックス」。

 本書では、暮らしをアップデートするモダンジャーマンなクルマづくりの魅力を、160年の歴史とともに余すところなく、紹介します。

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『&OPEL(アンドオペル) 未来を創るクルマ。』

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小学館刊

https://www.shogakukan.co.jp/books/09104254

■本書のコンテンツ紹介

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PART 2 Pop&Future! OPELの秘密

チーフデザイナー・Mark Adams インタビューファッションデザイナー・Marcel Ostertag インタビュー「ASTRA」「MANTA」「COMBO LIFE」最新モデルの魅力OPELと相性抜群のライフスタイル名品セレクションPART3  Just like an OPEL

注目のクリエイターが語るNEW OPELの魅力アンバサダーを務めるリバプールFC監督・ユルゲン・クロップ氏とOPELPART 4   ドイツから特報!元気なOPEL

「MOKKA」「CORSA-e」「GRANDLAND」現地試乗レポート詳報オペルCEO Uwe Hochgeschurtz氏インタビューPART 5   Republish of Historic car impression

革新的な挑戦を続けてきた自動車ブランドOPELの歴史

老舗自動車専門誌の編集者が語るOPELの魅力OPEL in Motorsports「CORSA」「ASTRA/KADETT」「VECTRA」「OMEGA」「SPEEDSTER」「GT」「MANTA」「CALIBRA」「ZAFIRA」PART6 「&OPEL」 Square

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みんなのコメント

12件
  • 質実剛健と言えばやはり2代目だな。3代目はマイナートラブルが多い。
    2代目はサーブのベースになったり堅実な作りだった。
  • 本当はカリブラに乗りたかったのですが家族会議の結果、ベクトラBになりました。

    また当時、ゴルフと競合しましたが走行性能はオペルの方が非常に良かったです。

    一番気に入ったところは車体と一体化したドアミラーの形状と格納方法が超斬新だったところです。

    謎のエンストとかよくありましたがヤナセの方々に色々して頂いたので長らく乗りました。

    オペル撤退後はヤナセのサービスの良さからベンツに乗り換えました。


※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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