月に200店舗のディーラーを訪れ、新車販売の現場に精通する流通ジャーナリストの遠藤徹氏。その遠藤氏が足で稼いで得た新車スクープ情報をお届けする本企画。
今回はダイハツ&トヨタの新コンパクトSUVをはじめ、セレナのマイナーチェンジ、新型カローラ、CX-30など、現時点でわかっていることすべてお届けします!
【10年後には名機の誉れ!?】 現行国産車に探す 未来で賞賛されるべきエンジン 7選
文/遠藤徹
写真/ベストカー編集部
初出/ベストカー2019年7月26日号
ダイハツ&トヨタの新型SUVは2019年11月5日発表発売!
ダイハツはDNトレック、トヨタ版はラッシュの名で販売される可能性が高いという。写真は2017年の東京モーターショー発表時のDNトレック
ダイハツの新型コンパクトクロスオーバー、DNトレックは、2019年11月5日に発表、発売します。
このDNトレックはトヨタにOEM供給されますが、トヨタ版の車名はラッシュの名前が復活する可能性が高まっています。
DNトレック/ラッシュは、新開発のプラットフォーム「DNGA」を採用。コンセプト的にはスズキのクロスビーに対抗するコンパクトクロスオーバーSUVとしてデビューします。
搭載されるエンジンは1L、3気筒ターボエンジンになる見込みです。販売店は、全国レベルでは当面、トヨタ店、トヨペット店、カローラ店での扱いが有力となっています。
また、トヨタは年内に軽自動車版の新型SUVを投入する予定もあります。いずれもダイハツからのOEM供給となり、ダイハツブランドも設定される見込みです。
これによってトヨタブランドのSUVは、軽自動車からラグジュアリーモデルまでのフルラインアップ化がほぼ完全に確立され、圧倒的なシェア確保を目指すことになります。
車両本体価格は160万~220万円程度になりそうです。消費税引き上げ実施直後の2019年10月初旬から事前の予約受注をスタートさせる予定です。
6月12日から新型カローラのティザーサイトがオープン!
現在展開中のカローラのティザーサイト
トヨタは2019年6月12日から、海外仕様カローラ&ツーリングの写真と簡単な車両紹介が掲載されているティザーサイトを公開しています。
その後の動きですが、新型カローラ(アクシオ&フィールダーの後継モデル)の商品説明会を7月中旬に実施し、以降ユーザー向けのティザーキャンペーンをスタートさせます。
新型は3ナンバーサイズに拡大、カローラスポーツと同じ1.2Lターボ、1.8Lハイブリッドを搭載します。
新型カローラの発売は、 2019年9月中旬を予定していますが、まだディーラーには販促マニュアルは到着しておらず、まだ正式な予約注文書を書く段階にはいたっていません。
現行モデルは継続生産するベーシックグレードの「X」を除いて7月上旬にオーダーストップとなり、以降は在庫一掃セールに入ります。
新型RAV4の販売が絶好調。HVの納期は10月以降
トヨタが2019年4月中旬に発表、発売した新型RAV4が好調な売れゆきをみせています。月販目標を3000台に設定したのに対して、発売1カ月後の受注台数はその8倍にあたる2万4000台に達しました。
2019年5月の登録台数は6817台と月販計画の2.3倍弱で、登録車のSUVではトップセラーモデルに浮上しました。
納期はハイブリッド車が10月、これ以外は9月でハイブリッド車は消費税引き上げ後の成約になっています。
2倍に増産しているにもかかわらず多数のバックオーダーを抱えていることから、当分は登録車のSUVトップセラーに君臨する見通しです。
2019年8月1日にセレナがマイチェン プロパイロットも改良
2019年7月16日から公開されているセレナ・マイナーチェンジモデルのティザーサイト
7月16日、日産はセレナのマイナーチェンジモデルのティザー(事前告知)サイトを公開しました。サイトを見ると、まず目に飛び込んでくるのは、セレナのフロントマスクです。
写真右側のハイウェイスターのフロントマスクがオラオラ顔になっていることにビックリ。左のバンパーやグリル形状を変更した標準車のセレナは水平基調のグリルですが、セレナハイウェイスターはアルファードか、エスクァイア? と思うほど派手な大型グリルが装着されています。
そのほか「360°セーフティアシスト(全方位運転支援システム)」を全車標準装備している点にも注目。
これは衝突被害軽減ブレーキや踏み間違い防止機能、後退時車両検知などの機能のほか、クラス初として前走車や対向車を検知するアダプティブLEDヘッドライトシステムを設定しています。これまで一部グレードのみの対象だった「サポカーS ワイド」が全車に適用となる模様。
メーカーオプションでは、高速道路の単一車線でアクセル、ブレーキ、ステアリングのすべてを自動的に制御し、運転を支援する技術「プロパイロット」や車両上空から見ているような疑似アングルで周囲を見ることができるアラウンドビューモニターなども用意されています。ボディカラーは、4つの新色を含む、全13色展開です。
ディーラーからの情報では、7月初旬の段階では、マイナーチェンジ版セレナの価格は決まっておらず、見積もりを取れる状況ではありませんでした。しかし、小幅の値上げにとどまると予想されます。
従来モデルの在庫がまだ多数残っている状態なので、今後、在庫一掃セールを行って売り切るでしょう。
10月1日からスタートする10%消費税アップ前に納車できるか微妙なタイミングですので、購入の際には納期がいつになるのか、営業マンに確認したほうがいいでしょう。
ホンダは首都圏を中心に大型キャンペーンを展開
ホンダの首都圏を中心とした販売店では大型キャンペーンの展開が目立っています。カーナビのプレゼントキャンペーンや低金利残価設定クレジットなどです。
カーナビのプレゼントキャンペーンはステップワゴン、フィット、フリードを対象とし、成約するとステップワゴンは純正ナビ15万円分、フィットは約12万円分、フリードは10万円分がそれぞれプレゼントされます。
残価設定クレジットは実質年率1.9%で、シャトルとヴェゼルが対象となっています。
これらは7月までの夏期セール期間のキャンペーンですが、9月いっぱいまで延長する可能性もあります。
CX-3はCX-30に切り替わるのか?
デミオベースの現行CX-3とは違い、CX-30はマツダ3(旧アクセラ)ベース
マツダが今秋にも投入する新型SUV「マツダCX-30」は、2019年7月30日から事前予約の受付を開始し、メーカーの発表は2019年9月20日頃、発売は2019年10月頃になる見込みです。
CX-3はデミオベースのコンパクトSUVなのに対して、CX-30はひと回り大きいミディアムクラスで、マツダ3のプラットフォームを使っています。
パワートレーンは1.8Lクリーンディーゼル、2Lガソリン、SKYACTIV-X(2Lガソリン)を搭載する見込みです。
これに対してCX-3は1.8Lクリーンディーゼルと2Lのガソリンですから、SKYACTIV-Xを除けば同一ユニットになります。
こうしたことからCX-30はCX-3の後継車になるとみられていますが、マツダの販売店筋では両方のモデルを存在させるケースがあると考えているようです。
次期型レガシィの国内投入は2020年春に先送りか?
2019年2月、シカゴショーで披露された新型レガシィ
2019年10月にも国内投入を検討していた次期型レガシィですが、最新の情報では2020年春に先送りする公算が強くなっています。
完成検査不正で国土交通省から改善を要請されていることから、こちらの改善への取り組みと態勢固めを優先させるべきとの判断があるようです。
こうしたことから、スバルの2019年における新型車の投入はダイハツからのタントのOEM供給車、シフォン以外はゼロとなります。
2020年春に次期型レガシィを投入すれば、2021年はレヴォーグのフルモデルチェンジと続くため、反転攻勢できる状況になりそうです。
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