■スバル×STI社で共同開発
2022年現在、各スバルモデルのラインナップにおける最上級グレードが「STIスポーツ」です。
【画像】STIバッジとボルドー内装が最上級! フォレスターにも新設された「STIスポーツ」(52枚)
2016年に初代「レヴォーグ」のラインナップとして設定されて以降、2017年に「BRZ」、2018年に「WRX S4」とラインナップを拡充。2020年には「インプレッサ」、そして2022年にはSUVの「フォレスター」とスポーツモデル以外にも展開しています。
STIスポーツの発端は、2014年にスバルが発表た中長期経営ビジョンの取り組みのひとつ「STIブランドの強化」にあり、この課題に対して、当時スバルの常務執行役員技術副本部長だった平川良夫氏(後にSTI代表取締役社長に就任)は「STIブランドの民主化」を唱えました。
ここ最近のスバル車は、欧州車から乗り換えるユーザーが多いといいますが、彼らに話を聞くと「ノーマルでは物足りなさがある」という意見も。一方、歴代スバルを乗り継いできたユーザーからは「(従来の)STIモデル(後述)に興味はあるけど、自分にはオーバースペック」との声も聞かれ、そうした層に応えるのがSTIスポーツというわけです。
2016年にSTIスポーツが登場するよりも前、「STI」の名を冠する特別なモデルといえば、「WRX STI」以外はSTI(スバルテクニカインターナショナル)社が独自に企画・開発をおこなうコンプリートカーのことを指し、究極を目指す「Sシリーズ」と、ライトな「tS(古くはtuned by STI)」のふたつがラインナップされていました。
そうしたところへ登場したSTIスポーツは、tSに代わる存在ながらも「第3のSTI」という、新たなキャラクターが盛り込まれているのが特徴です。具体的に、スバル初心者に向けては「STIはこんなブランドですよ」、スバル上級者に向けては「STIはこんな味付けもできますよ」という、新たな提案でもありました。
それまでのtSは、シャシチューニングがメインで、ステアリングを握るとノーマルとは異なる独自の世界観が構築されていたものの、内外装に関してはコンプリートモデルとしての特別感が少なかったのも事実です。
そこでSTIスポーツは、スバルの「大きな組織の力」とSTI社の「小さな組織ならではのひと手間のこだわり」を融合することに挑戦したといいます。
そのひとつが「スバル×STI社の共同開発」、そしてもうひとつが「スバルの量産ラインでの生産」になります。つまり、STIスポーツは「量産コンプリートカー」という新たなジャンルを切り開いたモデルというわけです。
ノーマルモデルの部品を外して、コンプリートカーに必要な部品を後から取り付けるという手間がなくなるので、まずはその価格を抑えることが可能になります。さらには、これまでのSTIコンプリートカーでは難しかった“大物”部品の変更が可能になるというメリットが生まれました。
その代表例が、専用のフロントマスクを採用したエクステリアや、ボルドー色を基調とした専用インテリアなどで、「ノーマルと違う!」とひと目でわかる差別化が可能になったのです。
フットワーク系は、専用の補剛アイテムやサスペンションセッティングを施しています。変更箇所は従来のSTIコンプリートモデルより少なめですが、「STI社のエンジニアが最適化をおこなう」という意味では、使う武器が異なるだけで目指す「走りの方向性」は不変です。
ただ、量産ラインでは装着が難しい部品があるのも事実です。その先はこれまで同様に、STI社が独自に開発する「スポーツパーツ」をプラスすることで、より「STIらしさ」が色濃くなります。
■SUVのフォレスターにもSTIスポーツが追加された!
2代目レヴォーグや2代目WRX S4からは、スバル×STI社のタッグがより強固なものとなっています。なんと、STI社のエンジニアがスバルに出向し、企画段階から開発に携わっているのです。
その結晶が、パワートレインやステアリング、サスペンション(アダプティブダンパー)、AWD制御の味付けをドライバーの好みで可変できる「ドライブモードセレクト」でしょう。
これらは企画から関わっていないと実現できないアイテムですし、年々高度になりつつある先進安全デバイスの適合もスバルとタッグを組んでいるからこその強みで、安心・安全がシッカリと担保できているのも嬉しいポイントでしょう。
ちなみにSTIスポーツにおけるパワートレインは、基本的にはノーマルモデルに準じていますが、2代目レヴォーグには専用のエンジン搭載モデル(STIスポーツR)も設定されています。
また直近では、SUVのフォレスターにSTIスポーツが設定されたことも大きなニュースでしょう。SUV×STIコンプリートカーというと、2014年に「フォレスター tS」が、2016年に「XV HYBRID tS」が台数限定で発売されました。その当時と違うのは、世界的なSUVブームでニーズが高まっているなかでの投入であることです。
フォレスター STIスポーツの外観は、専用フォグランプカバーや前後のバンパーガード、ルーフスポイラー、スーパーブラックハイラスタ―塗装のアルミホイールで差別化されています。内装はブラック×ボルドーレッドのコーディネイトで、ナッパレザーシートやピアノブラックの加飾、専用メーターなどを装備します。
フットワークまわりでは、専用のサスペンションを装着しました。なかでもフロントに路面から伝わる振動の周波数に応じて減衰力を自動的に調整する、周波数応答型の日立Astemo製SFRDダンパーを搭載することで、ロールを抑えて操縦安定性を高めながら路面をしなやかに受け止める快適な乗り心地を両立させているそうです。
プロドライバーのインプレッションでは「SUVを感じさせない意のままの走り」とのことですから、期待大でしょう。
走りのポテンシャルの高さはもちろんですが、人気のSUVへの設定ということから、当初掲げた「STIの民主化」という観点でも大きな役目を果たしてくれるものと思われます。
今後期待されるのは「XV」改め「クロストレック」への設定でしょう。筆者(山本シンヤ)は「間違いなく開発は進められている」と推測しています。
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
愛車管理はマイカーページで!
登録してお得なクーポンを獲得しよう
赤信号を無視した女、警察官に「緊急のオペがある。人が死んだらどうする」と説明… その後再三の出頭要請に応じず逮捕! 一体何が起きた?
もはや“ミニ”Sクラス──新型メルセデス・ベンツCLA詳報
なぜ「免許センター」を「電車で行けない場所」に作ってしまうのか…SNSで共感の声多数!?「栃木やばい」「京都も遠すぎ」不便な立地には「納得の理由」があった!?
約“7000cc”の「V型12気筒/ツインターボエンジン」搭載! 超パワフルな「新型セダン」発表! 斬新すぎる「大神殿グリル&豪華内装」採用した新型「ゴースト・シリーズII」ロールス・ロイスが発売!
京都~敦賀が「無料でほぼ信号ゼロ」に!? 北陸最短ルート「琵琶湖西縦貫道路」工事どこまで進んだのか 「激烈渋滞エリア」4車線化もまもなく!?
「うわぁ!懐かしい!」 “腕回しバック駐車”は過去の話? 昭和で当たり前だったけど“令和で消えそう”な「クルマ運転あるある」5選!
軽の「黄色いナンバー」を「普通の“白い”ナンバー」に変えられる!? 「黄色は恥ずかしい…」「むしろかわいい」意見も? 軽専用の「目立つナンバー」に反響あり
新車当時140万円切り! 日産「7人乗りミニバン キューブキュービック」に注目! 全長4m以下で斬新“カクカクデザイン”採用! セレナより安い「お手頃ファミリーカー」に熱視線
使える!遊べる!もっと自由なクラウン「エステート」公開。大人の好奇心に応えるロングツーリング性能も磨かれている。
レクサス「LBX」が「スピンドルグリルをぶっ壊した」理由とは?【レクサス・インターナショナル プロジェクトチーフデザイナー袴田浩昭氏:TOP interview】
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
申込み最短3時間後に最大20社から
愛車の査定結果をWebでお知らせ!
店舗に行かずにお家でカンタン新車見積り。まずはネットで地域や希望車種を入力!
みんなのコメント
カリカリチューンで、オリジナルモデルより寿命が縮む事も無く
STIでも、通常カタログモデルでも、同じ保証が受けられるって所が肝?
STIは唯一無二の存在であって、中途半端なSTIスポーツを出す事で、STIを安売りしている感が強くなる、と。
トヨタと同じで、ガチなGRと、なんちゃってGRスポーツ。
私はアリだと思うけど拘る人からすれば中途半端なグレードってに気持ちになると感じてます。