滑らかで大胆なボディにバタフライドア
未来のクルマの姿を予見したような、BMW i8が発表されたのは2014年。小さくないショックを受けたのは、筆者だけではないはずだ。
【画像】買い時なHVスーパーカー BMW i8 クーペとロードスター 最新BEVのi7とi4も 全132枚
低く滑らかで大胆なクーペボディにバタフライドアを備え、プラグイン・ハイブリッドのパワートレインを積んでいた。6桁ポンド(数1000万円)の英国価格でありながら、エンジンは当時のミニ・クーパーと同じ1.5L 3気筒。評価がわかれる内容だった。
それでも、映画「ブレードランナー」から飛び出してきたようなスタイリングは、間違いなく成功といえた。ポルシェ911のライバルとして不足ない存在感を放ち、BMWらしさを備えつつ、他のラインナップとはまったく異なってもいた。
2018年には、ロードスターが追加。リアシートが省かれ2シーターとしつつ、クーペから車重増は60kgに留めていた。スイッチを押すと、約15秒でフロントシート後方へルーフが折りたたまれる。
i8の容姿は今でも素晴らしい。そんな美しいBMWを、減価償却が身近な選択肢にしてくれている。英国市場を検索すれば、3万ポンド(約525万円)程度から購入できる。これ以上価格が下がる可能性は少ない。今後、価値が再上昇する可能性もゼロではない。
エンジンはミニ・クーパー譲りの1.5Lターボ
ハイブリッドの内容を確認すると、1.5L 3気筒ガソリン・ターボエンジンに、2基の電気モーター、リチウムイオンの駆動用バッテリーが組み合わされている。当時のNEDC値で、燃費は47.8km/L。初期型では、電気の力だけで最長37km走行できた。
2018年にフェイスリフト。その距離は、54kmへ伸びている。
メインとなるパワーユニットは内燃エンジンで、前述の通りミニ・クーパーとベースを共有するが、i8向けにチューニングを受けている。内部構造が異なり、高度な吸気システムを備え、1.5Lの排気量から231psと32.5kg-mを発揮した。
小さなエンジンはシャシーの中央へ横向きに積まれ、6速ATが組み合わされ後輪を駆動。パワフルなスターター・ジェネレーター(ISG)が、アシストを加える。
フロント側には、130psと25.3kg-mを発揮する駆動用モーターを搭載。独立して前輪を受け持った。システム総合での最高出力は362ps、最大トルクは57.9kg-mに達し、0-100km/h加速4.4秒、最高速度249km/hを叶えている。
i8の車重は1560kgとされ、当時の991型ポルシェ911より重かったものの、ジャガーFタイプよりは軽かった。パワートレインは活発に回転し、長距離を快適で高速に移動できる。
実際に運転してみると、良好な燃費に驚かされる。普通に市街地を走らせても、14.0km/Lを下回ることは皆無。都度駆動用バッテリーを充電すれば、さらに伸ばすことも難しくない。
BMW 6シリーズ・クーペに近い性格
i8へは、ポルシェ911やアウディR8のような、パワフルなスーパーカーに並ぶ走りは期待できない。タイヤは細く、本質的にスリークなグランドツアラーといえ、むしろ性格としてはBMW 6シリーズ・クーペに近いといえる。
シリアスなライバルへ迫るようなエキサイティングさは薄いが、ステアリングホイールは軽く回せ、レスポンシブで正確。サスペンションはしなやかに衝撃を吸収し、柔軟なパワートレインと高次元に調和している。
気張らない限り、i8のドライビング体験は素晴らしい。強固なボディ構造が、ロードノイズを響かせるが。
走りに個性がないと評価する人もいたが、ドライバーの接し方次第だと思う。お気に入りのワインディングへ足を伸ばせば、親しみやすく、驚くほど軽快にカーブを縫っていけることへ惹き込まれるだろう。
新車時代のAUTOCARの評価は
ここ数年でわれわれが試乗してきたなかで、最も魅力的なモデルの1台に数えられる。パワートレインは優秀で、身のこなしも素晴らしい。クルマとしての高い完成度にも、感心させられる。しかも日常的に乗りやすい。(2014年9月17日)
オーナーの意見を聞いてみる
デビッド・レイニー氏
「i8を5年ほど所有していますが、優れた操縦性や洗練性を気に入っています。今のところ、深刻なトラブルには見舞われていません。しかし、電気系統は少し調子が悪いようで、警告灯が稀に点灯することがあります」
「実際に電気で走れる距離は30km弱で、運転席からの視認性が良いとはいえません。ですが、これまでの整備費はさほど高いとは感じていません」
「ロードスターも検討しましたが、クーペより価格が高く、リアシートがなくなります。学校まで送るクルマとして、子どもも気に入っているようです」
購入時に気をつけたいポイント
エンジン
ベースはミニ・クーパーの1.5L 3気筒ターボだから、信頼性が高く基本的にトラブルは少ない。燃圧センサーが弱点といえる。オーバーヒート気味になることや、ECUに不具合が出た例はあるようだ。
ラジエータークーラントの量が実際は不足していないのに、低下したと警告が表示される場合はセンサーの不調を疑う。
トランスミッションとブレーキ
6速オートマティックは高耐久。MTの設定はない。フロント・ブレーキパッドなどの消耗品の価格は、3シリーズと同等。一部高価な部品もある。
ボディ
新車時の価格が高いモデルなだけに、これまで大切に扱われてきた傾向は高い。それでも四隅の擦り傷や、ホイールのガリキズなどを観察したい。
斜め上方へ開く、長いドアの先端もぶつけやすい。開閉には意外と広い空間が必要になり、少なくないオーナーが通常のドアの方が良いと考えている様子。ドアストラットに不具合が生じやすく、修理には高額を要する。
電気系統
警告灯が点灯し、ディーラーへ持ち込むユーザーもいるようだが、発生率は低く個体差がある。一方、ソフトウエアの不具合は生じやすいようだ。
リコール
これまでに英国では5件のリコールが出ている。2014年式では燃料漏れ、2015年式ではスタビリティ・コントロールに関するセンサーの不具合、2016年式ではエアバッグの不具合を招く、という可能性が認められている。
フェイスリフト後の2019年式ではプリント基板の不具合、2020年には高圧バッテリーに不純物が混入している可能性で、リコールが出ている。
知っておくべきこと
フェイスリフト時の変更で、駆動用バッテリーの容量が7.1kWhから11.6kWhへ増えている。電気だけで走行可能な距離は、ロードスターで53kmとなっていた。
バタフライドアは、乗降時に見る人へインパクトを与える。アルミニウムとカーボンファイバー、熱可塑性プラスティックを採用し、一般的な構造のドアより50%も軽いのが特長となる。
フロント側の駆動用モーターには2速ATが組まれている。GKNドライブライン社製のユニットで、3気筒ターボエンジンとメインの6速ATの動きとシンクロして制御され、滑らかな走行を実現。また、高速域でも最大トルクの発揮を可能としている。
クーペは2+2ながら、リアシートの広さは最小限。荷室も小さい。狭い駐車場ではドアを開けられず、乗降できないといった制限もある。
英国ではいくら払うべき?
3万ポンド(約525万円)~3万9999ポンド(約699万円)
英国では、状態の良いi8がこの価格帯で狙える。2014年式から2016年式が中心。整備記録は良く確かめたいところ。
4万ポンド(約700万円)~3万9999ポンド(約1049万円)
ディーラーでしっかりメンテナンスを受けてきた、2017年式から2019年式を選べる。狙い目の価格帯といえる。
6万ポンド(約1050万円)以上
フェイスリフト後で状態の良いi8をお探しなら、英国ではこの価格帯から。ロードスターも含まれるようになる。
英国で掘り出し物を発見
BMW i8 1.5クーペ 登録:2014年 走行距離:11万1000km 価格:3万4360ポンド(約601万円)
良く手入れされてきたi8のようだ。20インチのiタービン・アルミホイールにクリスタル・ホワイトパール塗装、ハーマンカードン・サウンドシステムなど、高額なオプションも載っている。これまでの整備記録はしっかり残っている。
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