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「乗ればわかる!」支持される理由 新型スバル・クロストレックへ英国試乗 シャシー能力は上々

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「乗ればわかる!」支持される理由 新型スバル・クロストレックへ英国試乗 シャシー能力は上々

6代目インプレッサのオフローダー風

2023年にグレートブリテン島へ上陸した、新しいスバル・クロストレック。アメリカ市場では、同社のベストセラーへ輝こうとしている、小さなクロスオーバーだ。

【画像】「乗ればわかる」支持される理由 スバル・クロストレック 同クラスのクロスオーバーと比較 全118枚

四輪駆動システムを組んだ高めのシャシーを備える一方、同クラスの競合モデルのように、車内空間にゆとりがあるわけではない。それでも、低めの全高を好むユーザーが多いことは間違いないようだ。実際に運転すれば、その理由が見えてくる。

基本的には、新しい6代目インプレッサ・ハッチバックを、オフローダー風に仕立てたモデル。だが、スチール製シャシーを強化し、快適性と洗練性の向上に務めたという。

欧州へ導入されるパワートレインは、2.0L水平対向4気筒のみ。e-ボクサーと呼ばれる、電圧48Vのマイルドハイブリッド・ユニットとなる。

エンジン単体での最高出力は136ps、最大トルクは18.4kg-mと限定的で、トランスミッション側に組まれた電気モーターが、17psと6.7kg-mをアシストする。0-100km/h加速は10.8秒、燃費は13.0km/Lがうたわれる。

クロストレックの強みが、路面や天候を問わないシャシーの能力。電子制御される湿式クラッチが、前後に60:40の割合でトルクを伝達する、パーマネント方式の四輪駆動システムを備える。

低速域でのトラクションを高めるトルクベクタリング機能、Xモードも備わる。タイヤは、ファルケンのマッド&スノー。最低地上高は220mmと充分で、前後のオーバーハングと傾斜路面が接する角度も、従来以上に強められた。

快適なシート EVモードの不備が惜しい

運転席へ座ると、高めの視点で前方視界は広めながら、SUVに乗っているという感覚は薄い。そのかわり、乗り降りしやすい。広々とした頭上空間や荷室容量、きらびやかなデジタル技術、高級な内装などは、期待しない方が良いだろう。

前後とも、乗員空間の足元には余裕がある。トノカバー下の荷室は、約300Lだ。

内装は、グレーとブラックが基調。お高めのアウトドアウェアへ似た雰囲気を与えようという工夫を感じられるが、魅力的な水準には届いていない。部分的にカーボン調のトリムが混ざり、スイッチ類や小物入れなどのレイアウトは、少しまとまりが弱い。

機能的ではあるが、センターコンソールやドアパネルの下部など、硬いプラスティックそのままな部分も少なくない。フロントシートは、入念に再設計された甲斐があり、座り心地が良い。

ダッシュボード中央には、11.6インチのタッチモニター。インフォテインメント・システムは、スマートフォンとのミラーリングへ無線で対応し、運転支援システムの調整も容易だと感じた。

発進させると、EVモードの不備が惜しいと、真っ先に感じてしまった。クロストレックは、短距離ながら、エンジンを回さず走行できるからだ。冠水した区間を渡る場面などで、有用なはずなのだが。

それ以外、3万6290ポンド(約675万円)の英国価格を考えれば、クロスオーバーとしての能力は上々。マイルド・ハイブリッドと四輪駆動システムは、急勾配の悪路も難なくクリアしてみせる。ドライバーは、トラクション・モードを選択するだけだ。

パワー不足は否めない バランスの良いシャシー

舗装路では、驚くほどの動力性能は披露しないものの、シャシーとパワートレインはしっかり進歩している。リニアトロニックとスバルが呼ぶCVTも、ちゃんとロックアップし、ぬかるんだ道に対応してくれる。

クロストレックのCVTには、「S」と「I」の2モードがあり、Sを選ぶと7速ATのような振る舞いを示す。Iモードは、僅かだが燃費が向上。必要に応じて、走行中でもエンジンが停止する。鋭い加速にも、回転数を過度に高めることなく対応できる。

確かに、若干のパワー不足は否めない。それでも、従来より気張る必要はなくなったように感じた。

操縦性や乗り心地も、しっかりアップデートされている。コーナーではボディロールを感じるが、グリップ力は安定。確かなトラクションを活かせる、優れたバランスがある。

タイヤの転がり音は静かで、ダンパーは高速走行時でも垂直方向の動きをしっかり制御。シフトパドルでCVTを操れば、四輪駆動システムが、滑りやすいコーナーでも正確なライン取りへ貢献している様子が伝わってくる。

2.0L水平対向エンジンの反応は、期待ほど鋭いわけではない。とはいえ、日常的な速度域での快適性や洗練性は高く、不満ない訴求力がある。従来のスバルXVより、確実に実力は上だ。

歓迎すべき多様性 ニッチでも好ましい選択肢

モデルとしての特徴が、変化したわけではない。同クラスに属する主流のクロスオーバーやハッチバックと比較すると、荷室は狭めだし、燃費が優れるわけでもない。インテリアは、部分的に安っぽいといえる。

だとしても、スバルというブランドを好むユーザーは、従来より実力を高めたクロストレックを選びたいと考えるはず。ニッチなモデルかもしれないが、英国の自動車市場に歓迎すべき多様性をもたらす、好ましい選択肢だ。

クロストレックへ、共感するという英国人は少なくない。それは、冬が厳しい北部のスコットランドに限らないだろう。

◯:比較的手頃な価格で、天候や路面を問わない走破性を得られる 不満のないオンロードでのマナー
△:少しパワー不足なe-ボクサー 燃費と内装、荷室が平均を超えていない

スバル・クロストレック 2.0 e-ボクサー・ツーリング(英国仕様)のスペック

英国価格:3万6290ポンド(約675万円)
全長:4495mm
全幅:1800mm
全高:1600mm
最高速度:197km/h
0-100km/h加速:10.8秒
燃費:13.0km/L
CO2排出量:174g/km
車両重量:1630kg
パワートレイン:水平対向4気筒1995cc 自然吸気+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:135ps/5600rpm
最大トルク:18.4kg-m/4000rpm
ギアボックス:CVT(四輪駆動)

文:AUTOCAR JAPAN AUTOCAR JAPAN
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みんなのコメント

17件
  • fee********
    スバルデザインは、無骨さが特徴であって、その無骨さが5年10年あるいは四半世紀後に良い味を出してくる。その点、ボルボによく似ている。初代フォレスターを見るといい味を出しているデザインだと思う。クロストレックも年数を経てから良いデザインだと感じる部類だと思う。実燃費はあまり期待出来ないし、それよりも大雪やアイスバーン時の安定感安心感なのでしょう。
  • oce********
    英国では600万円台が庶民の車
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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