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スーパーカー屈指の完成度 アウディR8 V10 RWDパフォーマンス NA V10の魅力

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スーパーカー屈指の完成度 アウディR8 V10 RWDパフォーマンス NA V10の魅力

実用性と高い能力を兼ね備えた選択肢

アウディR8 V10のようなクルマには、余命宣告が告げられている。英国の法律上は、ディーラーで新車を購入できなくなるまで8年間が残されているが、既にアウディは純EVとして次期モデルの開発を進めている。

【画像】そろそろラストオーダー アウディR8 V10 RWDパフォーマンス 競合の高性能モデルも 全122枚

親戚モデルに当たるランボルギーニ・ウラカンには、V型8気筒エンジンへハイブリッドが組み合わされる予定にある。自然吸気のV型10気筒エンジンを、ミドシップ・スーパーカーで楽しめる残り時間は、長くない。

充分な資金があり高性能モデルを考えているなら、英国価格12万8510ポンド(約2056万円)のアウディR8 V10 RWDパフォーマンスは、現在の有力な選択肢だ。これまでで最も実用性に長け、優れた能力を兼ね備えている。

一方で数年後を見据えて、超高性能な純EVが上陸するのを待つという選択もある。シンプル化されたメカニズムが、近未来的なスタイリングで包み込まれることだろう。

興味深い選択肢ではある。しかし、ドライビングフィールがより淡白なものになることは間違いない。いまアウディのディーラーへ足を運べば、従来的な体験を味わえるスーパーカーが手に入る。航続距離の心配も当面はいらない。

傑作ユニットと名高いアウディ製のV型10気筒エンジンを、我がモノにすることができる。類まれな咆哮で、ドライバーを聴覚面でも満たしてくれる。

最高出力570psで0-100km/h加速3.7秒

今回試乗した後輪駆動版のRWDパフォーマンスは、最高出力が570psへ制限されている。四輪駆動のクワトロ・パフォーマンスに、50psだけ届かない。現在選べるR8は、この二択だ。

駆動輪がリア側へ絞られることで、0-100km/h加速はクワトロに0.6秒遅れる。それでも、3.7秒でこなせる。アクセルペダルを踏み倒せば、320km/h以上の速度域にも到達できる。

燃料タンクの容量は73L。満タンにして丁寧に運転すれば、空になるまで600km以上走れる。今後の高性能EVでは、なかなか実現が難しい航続距離だといえる。

確かにアウディR8のスタイリングは、若干新鮮味が薄れてしまった。TTに似ていると感じる人も、いるかも知れない。

それでも、パフォーマンスは第一級。市街地のような流れの遅い交通にも、難なく紛れることができる。乗り心地は快適で、このクラスとしては他を圧倒するほど荷室も広い。多くの主要都市にディーラーがあるから、メンテナンスにも困らない。

価格も、能力を考えれば充分に納得できるもの。標準装備は充実しており、試乗車のオプションは特別なボディ色と大径ホイールのみ。上乗せされた金額は1685ポンド(約27万円)と、これもこの手のモデルとしては良心的なものだ。

ただし、ステアリングは固定レシオで、アダプティブダンパーはなし。リミテッドスリップ・デフは、従来的な機械式となっている。

滑らかな乗り心地に崇高な内燃エンジン

それが故に、複雑さが増す高性能モデルのなかにあって、RWDパフォーマンスは運転も理解もしやすい。ステアリングホイールの重み付けは完璧といえ、反応はとても正確。ウェット・コンディションでは、フロントタイヤが若干心もとないけれど。

運転席からの視界が良く、ボディサイズも大きすぎない。競合モデルより、コンパクトでもある。

しなやかなサスペンションは、舗装がところどころ剥がれた英国南西部、コッツウォルズ地方の道とも相性が抜群。最もソフトなノーマル・モードを選んでも、乗り心地は硬めなものの、エッジの効いた衝撃は上手になだめてくれる。

大きめの入力も、一発でピタリと吸収してくれる。優れたボディ剛性と煮詰められた減衰力特性だからこそ、なせる技だ。

試乗車のインテリアは、ブラックでコーディネートされていた。スーパーカー基準でいえば、装飾的な華やかさは控え目。そのかわり、操作で悩むことのない直感的なレイアウトにまとまっている。

エアコンの操作パネルなど、スイッチ類はアウディ品質。見慣れたものでもある。2006年に登場した初代R8でも、アウディのオーナーならすぐに親しくなれるインテリアが目指されていた。それは、今でも変わらない。

そこへ、他とは一線を画す崇高な内燃エンジンが組み合わされている。純EVの時代が接近しているとしても、この輝きが霞むことはまったくない。

孤高の音響と質感を備えたNA V10

高回転域まで引っ張れば、素晴らしいパワーを発揮してくれる。さらに、自然吸気V型10気筒の最大の魅力といえるのが、孤高の音響と質感。V型8気筒エンジン以上に特別で、強い心象を生んでくれる。

洗練されクリーミーに回る、V型12気筒とも異なる。良い意味で。1.6L 4気筒エンジンと同じようにゆっくり走れる。それでいて、中回転域以上での本領は、急変したように凄まじい。

ガソリンをエネルギー源とする高性能な公道用モデルとして、屈指の完成度にある1台が、アウディR8 V10 RWDパフォーマンスだ。極めて訴求力の高い、今のわれわれに与えられた選択肢だといえる。

アウディR8 V10 RWDパフォーマンス(英国仕様)のスペック

英国価格:12万8510ポンド(約2056万円)
全長:4429mm
全幅:1940mm
全高:1236mm
最高速度:328km/h
0-97km/h加速:3.7秒
燃費:7.9km/L
CO2排出量:286g/km
乾燥重量:1665kg
パワートレイン:V型10気筒5208cc自然吸気
使用燃料:ガソリン
最高出力:570ps/7800rpm
最大トルク:56.0kg-m/6400rpm
ギアボックス:7速デュアルクラッチ・オートマティック

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みんなのコメント

22件
  • ランボルギーニを勧めるやつに付ける薬がはやく発明されるといいね。
  • このクラスの購入を考えてる人はリセールとかそんなケチくさい事言わないよ、乗りたい車を買うだけでしょ。
※コメントは個人の見解であり、記事提供社と関係はありません。

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