■軽自動車で走りが楽しい「ターボ×MT」のモデルとは
日本独自の規格である軽自動車は、コンパクトなボディで小回りが利き、維持費も安くて経済的なところが魅力です。
そんな軽自動車では、ホンダ「N-BOX」やスズキ「スペーシア」といった使い勝手に優れたモデルが売れ筋となっていますが、多様化するユーザーニーズに応えるため、同じ軽でもさまざまなジャンルのモデルがあります。
なかには、ターボエンジンを搭載し、マニュアルトランスミッションで走りを楽しめるモデルも存在。
今回は、「ターボ×MT」の軽自動車を5台ピックアップして紹介します。
●ホンダ「N-ONE」
2020年11月に発売された2代目となるホンダ「N-ONE」は、フルモデルチェンジしたものの、外観のデザインはあまり変化していません。
しかし、中身が大きく進化しており、ターボエンジンを搭載するスポーティグレード「RS」に6速MTを搭載するモデルが設定されました。
RSグレードは、ダーククロームメッキのフロントグリルやマットブラックの15インチアルミホイールを装着。
さらに、大型のテールゲートスポイラーを採用するなど、走りをイメージさせるアイテムを備えています。
新型N-ONEの6速MT仕様は、ホンダの2シーターオープン軽「S660」と同じギアボックスを採用。ターボによる軽快な走りと、ショートストロークの爽快なシフトフィールが楽しめるモデルとして注目を集めています。
なお、FFターボ車に6速MTを組み合わせるのは、軽自動車として初めてとなります。
●スズキ「アルトワークス」
スズキの軽ワゴン「アルト」をベースとしたモデルとして、スポーティで硬派な「アルトワークス」がラインナップされています。
ベースのアルトは、2014年のフルモデルチェンジで初代モデルへの回帰ともいえるシンプルかつレトロなデザインを採用。
さらにアルトワークスでは、「WORKS」ロゴをあしらったフロントバンパーアッパーガーニッシュやボディーサイドデカール、足元を引き締める黒のホイール、赤のフロントブレーキキャリパーなどを備えるなど、スポーティなデザインとしました。
専用開発のショートストロークの5速MTや力強い加速を実現するターボエンジンを搭載。
専用チューニングのサスペンションに加え、高いホールド性を発揮する専用レカロ製フロントシートを装着するなど、スポーツ走行に特化した軽ホットハッチといえるモデルです。
■スポーティなだけじゃない! 悪路も楽しめる軽MT車
●ダイハツ「コペン」
ダイハツのMT車は商用車を除いては1車種しかなく、乗用車で唯一となるのが「コペン」です。
2014年に登場した現行モデルは、「ローブ」「エクスプレイ」「セロ」といった3つのスタイルが設定されていますが、2019年10月に「GRスポーツ」が追加されました。
このコペン GRスポーツには、トヨタのモータースポーツ部門であるTOYOTA GAZOO Racingで培ったノウハウを注入。メーカーの垣根を超えたコラボが実現し、トヨタでも販売されています。
コペンはいずれのモデルも5速MTが設定されており、キビキビとした走りが楽しめますが、とくにGRスポーツは意のままに操ることができる気持ちの良い走りが特徴。
スポーティでありながら気持ちよく走れる上質なスポーツカーとして、これまでにはない新しい乗り味としました。
なお、オープンカーであるコペンは電動ルーフを装備。ボタンひとつで屋根を開閉することができます。
●ホンダ「S660」
軽自動車でありながら、本格的なスポーツカーとして根強いファンを獲得しているのがホンダ「S660」です。
2人乗りの軽オープンカーという点ではコペンと同じですが、ターボエンジンをリアミッドシップに搭載し、後輪を駆動するMRを採用しているのはS660だけです。
さらに、6速MTの搭載や、少ないステアリング操作でスムーズな車両挙動を実現する電子制御システム「アジャイルハンドリングアシスト」の採用など、軽自動車として初めての機能を取り入れた革新的なモデルでもあります。
低い着座位置でゴーカートに乗っているようなワクワクした感覚を味わえたり、ソフトトップを外して屋根を開けるとオープンエアを楽しめるなど、1台でさまざまなシチュエーションに対応できるのも、S660ならではの特徴でしょう。
●スズキ「ジムニー」
走りを極めた軽は、なにもスポーティに走れるモデルだけではありません。本格的な四駆走行を楽しめるのが、スズキ「ジムニー」です。
現行モデルは2018年に登場した4代目で、20年ぶりに全面改良がおこなわれました。
スクエアなフォルムに丸目のヘッドライトが特徴的で、無骨ながら愛嬌があるデザインは、女性からも支持を得ています。
初代から変わらず、ジムニーはFRレイアウトやラダーフレームを採用。
さらに、ターボエンジンに5速MTを組み合わせるとともに、機械式副変速機付きパートタイム4WDなどにより悪路走破性を高め、軽自動車の本格四駆として不動の地位を築いています。
※ ※ ※
一時は数を減らすと思われたMT車ですが、メーカーによっては設定車種を増やす動きも見られます。
その一方で、クルマの電動化が進み、トランスミッションが不要になりつつあります。
660ccという限られた排気量でありながら、力強い加速を実現するターボエンジンをMTで操れる軽自動車は、クルマ好きにとっては貴重な存在だといえるでしょう。
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