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1.2L 3気筒ターボ「マイルドHV」登場! 3代目 プジョー3008へ試乗 快適志向の乗り心地と操縦性

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1.2L 3気筒ターボ「マイルドHV」登場! 3代目 プジョー3008へ試乗 快適志向の乗り心地と操縦性

1.2L 3気筒ターボのマイルドHVは136ps

先代から洗練度を一層高めた、3代目プジョー3008。バッテリーEV版のE-3008は現実的な価格で、支持を集めている。それより安価なハイブリッド版となれば、さらに人気を得そうなことは想像に難くない。

【画像】1.2L 3気筒ターボ「マイルドHV」登場! プジョー3008 競合クラスのSUVはコレ! 全126枚

今回試乗したマイルド・ハイブリッドの英国価格は、3万5000ポンド(約672万円)を切る。もうじき追加予定のプラグイン・ハイブリッドでも、4万ポンド(約768万円)前後になるようだ。

3008のマイルド・ハイブリッドは、1.2L 3気筒ガソリンターボと、22psの電気モーターを内蔵した6速デュアルクラッチATという構成。他のプジョーでも、お馴染みの内容といえる。最高出力は136psと控えめだが、充分に走るし経済的。訴求力は高い。

スタイリングは、E-3008とほぼ同じ。ホイールアーチの膨らみが若干弱くなり、マット仕上げになる程度。タイヤも、車重が軽くなるため10mm細い。

ボディパネルは共通。全長は4542mm、全幅は1895mmで、ホンダZR-VからマツダCX-5、フォルクスワーゲン・ティグアンまで、同クラスのライバルは多い。

基礎骨格をなすプラットフォームは、STLAミディアムと呼ばれるもの。ステランティス・グループの、同クラスのモデルに利用されている。駆動用バッテリーは積まないものの、高い衝突安全性を得ており、車重は重めだ。

サスペンションは、フロントがストラット式。リアは、EV版のマルチリンクからダウングレードされ、トーションビーム式になる。

インテリアが大きな強み 従来より自然な運転姿勢

インテリアは、3008の大きな強み。試乗車のエントリーグレード、アリュールでも素材は上質で雰囲気が好ましい。使い勝手を犠牲にすることなく、開放的で、見た目の印象も素晴らしい。

ダッシュボード上には、カーブを描くモニターパネル。インフォテイメント用とメーター用、2面のモニターが並び、合計のサイズは21インチある。

タッチモニターの反応は素早いが、グラフィックは凝りすぎている印象。文字も少し小さい。そのかわりショートカットキーが用意され、操作性を補っている。シートヒーターや自宅への電話など、任意に機能を割り当てることが可能だ。

運転姿勢は、小さなステアリングホイールが低い位置へ伸びる、プジョー独自のiコクピットと呼ばれるスタイル。3008はダッシュボードの位置が高く、ステアリングホイール・リムにメーター用モニターが隠れることがない。

この姿勢へ慣れるまで、少し時間は必要かもしれない。だが、従来より自然な位置関係にあると思う。シートはサポート性に優れ、調整域も広い。

後席側の空間は、このクラスで最大とはいえないが、大人でも長時間座れる余裕はある。荷室容量は、スタイリングの影響か広いとはいえない。

若干力不足なHV マイルドな乗り心地と操縦性

確認はこのくらいにして、いざ発進。1.2Lマイルド・ハイブリッドに、EVモードは備わらない。軽負荷時などにシステムが独自に判断し、電気だけで短距離がまかなわれる。

システムとしては、2代目3008の後期型にも載っていたもので、いくつかの気になる点も受け継いでいる。条件次第でパワー不足を感じることと、高負荷時に洗練度へ影響が出ることだ。

車重は1573kgあり、0-100km/h加速は10.2秒。これは、約100kg軽かった2代目より、0.2秒のビハインドとなる。

とはいえ、市街地での印象は良い。静かで滑らかに動作し、気を使うことなく混雑した流れへ交われる。エンジンの始動・停止は穏やかで、パワー感も終始スムーズといえる。

一方で郊外に出ると、英国の一般道の制限速度、96km/hを保つには、アクセルペダルを深めに踏むことに。エンジンからは、頑張っている様子がノイズで伝わってくる。

乗り心地や操縦性は、全般的にマイルド。特に乗り心地は、このクラスのベストの1つといえる。稀に衝撃を吸収しきれない場面はあるものの、路面との隔離性は高い。頭がグラつくような揺れは殆どない。

ただし、大径ホイールとサマータイヤの組み合わせでは少し悪化する。インチダウンした、オールシーズン・タイヤとの違いは明らかだった。

ステアリングは正確で、反応を予想しやすく扱いやすい。しかし、ドライバーを誘惑するような感触は乏しい。軽くない車重もあって、若干おっとりした印象を筆者は受けた。ダイナミックな見た目ながら、敏捷性は高くない。

E-3008と同等の静的魅力 充実装備でコスパ高し

燃費は、英国の公道を複合的に走らせて16.5km/Lほど。印象的な数字ではないが、悪くはないだろう。電気モーターの出番が多い低速域では伸びるものの、高速道路では振るわないようだ。

英国価格は、アリュール・グレードで3万4650ポンド(約665万円)から。GTグレードは約3500ポンド(約67万円)上昇するが、英国市場ではこちらの方が人気だと予想されている。このクラスの最安値ではないものの、優れた装備でコスパは高い。

ちなみに、21インチのモニターパネルは、市場によってはオプション。英国仕様では、他に19インチのアルミホイールとアンビエントライトが標準で付く。

E-3008と同等の静的な魅力を、マイルド・ハイブリッドの3008は備える。車内は快適で上質。車載技術は充実し、車内空間も充分広い。ただし、若干力不足な先代譲りのパワートレインは、さほどエネルギー効率が高いわけではない。

乗り心地や操縦性は快適至高。ファミリーSUVとして妥当な着地点にあるものの、ドライバーを惹きつける走りではないだろう。止まっている時の充足感は、間違いなく高いけれど。

◯:素晴らしいインテリア 便利で賢いショートカットキー 充実した標準装備
△:若干力不足のパワートレイン 平均点程度の燃費

プジョー3008 ハイブリッド136 e-DSC6 アリュール(英国仕様)のスペック

英国価格:3万4650ポンド(約665万円)
全長:4542mm
全幅:1895mm
全高:1641mm
最高速度:201km/h
0-100km/h加速:10.2秒
燃費:15.8-18.6km/L
CO2排出量:122-143g/km
車両重量:1573kg
パワートレイン:直列3気筒1199cc ターボチャージャー+電気モーター
使用燃料:ガソリン
最高出力:136ps/5500rpm
最大トルク:23.4kg-m/1750rpm
ギアボックス:6速デュアルクラッチ・オートマティック(前輪駆動)

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