コンパクトSUVの人気はとどまるところを知らない。2020年はトヨタのライズ、ヤリスクロスが大きな話題と販売台数を記録し、2021年は4月に発表されたホンダの新型ヴェゼルが好調な滑り出しを見せる。
これを追うように、今秋にはカローラクロスが日本導入されるという話も聞こえてきた。今年はヴェゼルとカローラクロスが主役の座を争うのだろうか。
売れまくり新型ハリアー 登場から1年たっても続く快進撃 大ヒットの要因は
新型ヴェゼルが登場した際、「デザインがマツダっぽい?」といった反応が多かったが、実車からは、シンプルでホンダらしいデザイン性を感じる。
ただ、ヴェゼルとカローラクロスでは、デザインの共通点が多く見られた。両車が似ている理由を考えながら、少々気が早いかもしれないが、ヴェゼルとカローラクロスがライバル関係になりえるのか、比較検証していく。
文/佐々木亘、写真/TOYOTA、HONDA
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■ヤリスクロスはヴェゼルに「真っ向勝負挑みにくい」
2020年7月にタイで公開され、世界各国に販売が拡大しているカローラクロス
2020年7月にタイで初公開、さらに世界各国で順次販売が拡大しているカローラクロス。対してヴェゼルは2021年4月にフルモデルチェンジをおこなっている。日本導入はヴェゼルが先行しているが、グローバル視点で見ると、カローラクロスの方が登場は早い。
両車のボディサイズを見ていこう。カローラクロス(タイ仕様)は、全長4460mm×全幅1825mm×全高1620mmで、ホイールベースは2640mmとなっている。
ヴェゼルは全長4330mm(-130mm)×全幅1790mm(-35mm)×全高1580mm(-40mm)、ホイールベースは2610mm(-30mm)だ。(カッコ内はカローラクロスとの差)
Cセグメントに属するカローラクロスと、Bセグメントのヴェゼルでは、ボディサイズに差が出るのは当然である。ヴェゼルのライバルは、同セグメントのヤリスクロスという見方もあると思うが、ヤリスクロスでは、ヴェゼルのもつ居住性に、真っ向勝負を挑みにくい。
2021年4月にフルモデルチェンジが行われたホンダ ヴェゼル。発表はカローラクロスのほうが早いが、日本デビューはヴェゼルのほうが早い
ヴェゼルの室内寸法は長さ2010mm×幅1445mm×高さ1225mmとなる。対してヤリスクロスは長さ1845mm×幅1430mm×高さ1205mmと、ヴェゼルの広さには及ばない。特に後席は圧倒的にヴェゼルが広く、ヴェゼルは、CセグメントSUV並みの居住空間を持っていると筆者は感じた。
売れ筋グレードでヴェゼルは、ヤリスクロスよりも30万円ほど価格が高い。BセグメントSUVとして戦うよりも、一つ階級を上げてCセグメントSUVと戦うほうが、価格が高いといったデメリットが隠れるだろう。
したがって、実質的な日本でのライバルは、ヤリスクロスではなく、今秋導入予定のカローラクロスになるのではないかと筆者は考える。
■ヴェゼルとカローラクロスはデザインにも共通点
フロントマスクがよく似ている両車。こちらはカローラクロス
ライバル関係になるかもしれない、この2台、デザイン面で似ている部分多い。特にフロントマスクは共通点だらけだ。
フロントグリルは大きく開く。カローラクロスは下が広い蒲鉾型の四角形、ヴェゼルは下が狭い六角形を採用した。フロントバンパーがグリル下部まで回り込み、その下に薄いグリルをもう一つ備える。
ヘッドランプユニットは薄型で、クリアランスランプがヘッドライトの上部に配置される。ヘッドライトの上に眉毛があるような状態だ。フロントマスク下部では、ボディサイドから回り込んでくるフロントバンパーの造形や、キャラクターラインの入れ方が似ている。
ホンダ ヴェゼル。大きく開いたフロントグリルや薄型のヘッドライトなど、共通点は多い
ヴェゼルはAピラーを立ち気味にし、Cピラーは寝かせることで、ボディ後方でルーフラインを大きく絞り込むデザインにしている。クーペルックをより強く印象付けるデザインだ。完全に都市部でのオンロード走行をメインのクルマに仕上がった。
カローラクロスに関しては、クーペルックというよりは、RVのような見た目に近い。トヨタでは、ハリアーよりもRAV4に近い系統となるだろう。フェンダーアーチ形状は、ヴェゼルが丸く乗用車的なのに対して、カローラクロスは角のあるデザインだ。
大枠としては、SUVで使われる主流のデザインを多く取り入れていて、他車とも共通する部分は多い。
ただ、気になるのはフロントマスクの類似度だ。グリルをボディ同色にすることで、個性を出しているヴェゼルだが、黒系のボディカラーで、ヴェゼルとカローラクロスを並べたら、ほとんど同じ顔が2つ並ぶことになってしまいそうである。
■「上を見た」ヴェゼルに「上から対抗する」カローラクロス
カテゴリではCセグメントとなるカローラクロス。最近のコンパクトSUVでは、上級グレードを選択するユーザーが多いので、Bセグメント内でも上級志向のヴェゼルとも価格面でも互角に戦えるだろう
最近のコンパクトSUVでは、上級グレードを選択するユーザーが多い。ここ数年で顕著にみられる特徴だ。クルマは小さくても、中身は良いものにしたいという、高級化傾向が進む。
タイでの販売価格から、カローラクロスの日本での販売価格を筆者が推測すると、ガソリンモデルが260万円前後~、ハイブリッドモデルが300万円を少し切る程度となるだろう。ヴェゼルはガソリンモデルが227万9200円~、ハイブリッドモデルは265万8700円~となる。
ただし、人気のグレードe:HEV Zが289万8500円であり、セグメントが上のカローラクロスでも、価格競争は可能だろう。
Bセグメント内の上級を意識して作られたヴェゼル。この成功に対して、カローラクロスが、一つ上のセグメントから攻勢をかける。高級化が進むコンパクトSUVの中で、上のクラスから人気車に対抗する方法は、今後の主流となりそうだ。
ただ、同セグメントでライバル対決をしてきたトヨタとホンダの歴史から考えると、この図式はレアケース。市場は、どのような結果を出すのか、非常に興味のある戦いが始まる。
* * *
群雄割拠のコンパクトSUV市場、昨年はライズ・ヤリスクロスと、トヨタの独り勝ちだったが、今年はどうだろう。新型ヴェゼルの勢いが2021年後半も続いていくか、はたまたカローラクロスがストップをかけるのか。力の入ったコンパクトSUVの戦いは、ますます熾烈になっていく。
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みんなのコメント
カローラクロスは発表から1年余り。
ホンダは色々パクったんですね。