ミニバンの持つ広い車室内空間をスポイルすることなく高音質のためのユニット類を組み込んだ空ちゃんさんのトヨタ『ヴォクシー』。香川県のピットハウスコスギが手がけたインストールはシート下の利用やA周辺へのスピーカー取り付けなど見どころ満載の仕上がりとなった。
◆サウンド面&インストール面でキーとなる、Aピラー/ドアミラー裏の中高域スピーカー群
ヴォクシーをベースに、徹底してオーナー好みのサウンドを引き出したのが空ちゃんさん。サウンドの中心となったのはブラムのスピーカー群だった。フロントスピーカーに選んだのはブラムの各ユニット。中でもツイーター=TSM25MG 70HRとミッドレンジ=MS3 multixを用いた中高域のスピーカー群はサウンド面はもちろん、インストール面でもオーナーのお気に入りのポイントとなった。
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具体的な取り付けはミッドレンジをAピラーに埋め込み設置。80mmサイズのMS3 multixをピラーに違和感なく収めるスマートなデザイン処理も見事に決まっている。さらにドアミラー裏にはツイーターであるTSM25MG 70HRをブラケットをワンオフして取り付ける。アルミのリング状のフロントプレートを持つ同モデルを美しく収めているのもこのインストールの見どころでもある。
取り付けられたスピーカー群は、いずれもブラムのSignature multixシリーズのユニットであり、同ブランドのフラッグシップシリーズ。サウンド面でもオーナーが欲しかったサウンドを再現。立体的でクリアなサウンドを引き出すことに成功した。
◆シート下にパワードサブウーファーを設置、スペース効率も兼ね備えた高音質システムを導入
ミッドバスは実用性も考えてドアにインナー取り付けされる。ユニットはブラムのWS6 multixをチョイス。シリーズ名の通りマルチマグネット(ネオジウム)を備え中低域の質の高さを誇るブラムのハイエンドスピーカーだ。中高域と同シリーズのスピーカーユニットを用いることでサウンド面の統一感も引き出す。
一方、低音をサポートするのがブラムのパワードサブウーファーであるMSA25Pだ。強固なボックスに250mmのサブウーファーユニットを備えたモデルは50Hz~の低音再生を可能にするのが魅力。またスクエアでコンパクトなボディ形状を持ち、シート下への取り付けも可能でスマートに収まっているのも見どころ。ラゲッジスペースをオーディオインストールでスポイルしたくなかったオーナーの望み通り、フロント&シート下スペースですべてを完結できるオーディオ取り付けとなった。
◆ディスプレイオーディオで動画配信の視聴も可能、多彩なコンテンツ再生をフォローするシステムとした
システム的には純正ディスプレイオーディオを用いるシンプルな構成としたヴォクシー。VISIT(通信にはスマホテザリングなどを利用)を接続することでディスプレイオーディオの画面上でYouTubeや動画配信のサブスクなどの映像コンテンツを視聴可能にしているのも特徴。純正ディスプレイオーディオを利用しつつ、好みのコンテンツ再生ができる環境を作り上げている。
さらに音声信号はオーディソンのDSPアンプであるプリマのAFM12.14bitに入力し、DSP処理+パワーアンプによる増幅をこなした上でスピーカーへと出力されるシステム。ミニマムなシステムデザインながら、DSPによる調整機能に加えて外部パワーアンプを使った充実のサウンドが魅力。ユニット数をむやみに増やすことなく、適材適所に必要なユニットを取り入れたシンプル志向のシステムデザインを完成させた。
好みのサウンドに加えて音の立体感を高めることをテーマとしたヴォクシー。車内空間を犠牲にしないコンパクトな取り付けにも徹底してこだわって、ミニバンの広い車室内&使い勝手はそのままに、見事にサウンドの向上を果たした。オーナーの思いを全方位で叶えたインストールが施されることとなった。
土田康弘|ライター
デジタル音声に関わるエンジニアを経験した後に出版社の編集者に転職。バイク雑誌や4WD雑誌の編集部で勤務。独立後はカーオーディオ、クルマ、腕時計、モノ系、インテリア、アウトドア関連などのライティングを手がけ、カーオーディオ雑誌の編集長も請負。現在もカーオーディオをはじめとしたライティング中心に活動中。
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