2021年もあとわずか。先日の大寒波で大雪による交通障害の爪痕も残るなか、大晦日から元日にかけて、再び大寒波による大雪の予報が出ている。大晦日は、帰省やレジャーなど、クルマで出かける予定の方も多いことだろう。
首都圏や東海地方など、非降雪エリアの方は、スタッドレスタイヤなどの「冬用タイヤ」を装着していないケースも多い。高速道路での移動は、目的地までの間、降雪エリアの通行もあり得るため、冬用タイヤや、タイヤチェーンの準備が不可欠だ。
【車名当てクイズ】この名車、迷車、珍車、ご存じですか? 第54回
文/梅木智晴(ベストカー編集委員)、写真/ベストカー編集部
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■「チェーン規制」はスタッドレスタイヤでもタイヤチェーンが必要だ
降りたての新雪が深く積もると、4WDのSUVでもスタッドレスタイヤではトラクションが得られなく走行不能に陥るケースもある
2018年12月に規定が改正され、「チェーン規制」が発出された場合、当該区間ではたとえスタッドレスタイヤを装着していたとしても、タイヤチェーンの装着が必要となった。チェーン規制が発出されるのは、
・大雪特別警報
・大雪に対する緊急発表
などが発令された場合などで、過去にチェーン規制が発出された区間などは、その対象になる可能性が高いと思って警戒が必要だ。
国交省が定めるチェーン規制発出区間
2018年12月に改正以前、冬用タイヤやタイヤチェーンなどの滑り止め処置が必要な状況で「チェーン規制」とされたいたものは、現在では「冬用タイヤ規制」と変更されている。こちらはスタッドレスタイヤなどの「冬用タイヤ」であれば通行可能だ。
チェーン規制が発出された際などの緊急時に備え、タイヤチェーンを携行するのがベストだ。「冬用タイヤ規制」ではスタッドレスタイヤ全輪装着で走行可
■オールシーズンタイヤは万能ではない!!
その名のとおり、サマータイヤと冬用タイヤの特長を兼ね備えたタイヤ。スタッドレスタイヤが不得手とするドライ高速走行や、ヘビーウエット路での走行に強く、積雪路での走行にも一定の性能を有している。グッドイヤーが積極的に国内市場にオールシーズンタイヤを投入しており、最近ではヨコハマタイヤやダンロップ、トーヨータイヤなど国内タイヤメーカーもオールシーズンタイヤに新商品を投入している。
各タイヤメーカーではオールシーズンタイヤは積雪路面には有効だが、アイスバーンなどの凍結路での使用は推奨しない、としている。私の経験上、圧雪路でのトラクション、制動性能はスタッドレスタイヤには多少劣るものの必要充分と認識しているが、凍結路面では急激にグリップ性能が劣り、ヒヤリとしたこともある。外気温が氷点下になるような深夜や早朝は、圧雪路面に見えて実はガチガチに凍結していた、ということも珍しくない。山間部の峠越などが予定ルートにあるならば、やはりスタッドレスタイヤへの交換をおススメしたいのだ。
オールシーズンタイヤを装着したカローラツーリング。このような圧雪路ではしっかりとしたグリップを発揮し、安心感のあるドライブが可能だ
■「M+S」表示は冬用タイヤではない!!
SUV用タイヤなどではサイドウオールに「M+S」と表示されたタイヤが多い。MUD&SNOWを意味し、泥濘路や雪道に対応するタイヤ、という意味で、これが誤解を招くのだが、「M+S」の表示には雪道走行性能などに対する公的に明確な基準があるわけではなく、トレッドパターンや構造などからタイヤメーカーが自主的に表示しているものなのだ。そのため、SUV用のオールテレーンタイヤ(A/T)などは冬用タイヤとして使用することはできないので、重々お気を付けいただきたい。
国内で販売されるオールシーズンタイヤは「M+S」表示に加え、「スノーフレークマーク」と呼ばれる表示がサイドウオールに刻印されているものがほとんどだ。尖った山岳の中央に雪の結晶を模したマークがそれだ。
「M+S」表示には雪上走行に対する明確な基準があるわけではない。その左に記されているのが「スノーフレークマーク」で、こちらは厳格な雪上走行性能の基準をクリアした証となる
このスノーフレークマークは、アメリカの第三者機関「米国試験材料協会」が厳しい雪上性能の基準をクリアしたタイヤに付与するもので、冬用タイヤとしての一定基準を保証する証となる。日本国内の「冬用タイヤ規制」の場合、スタッドレスタイヤでなくとも、このスノーフレークマークの付与されたオールシーズンタイヤであれば通行可能となる。ただし前述のように、凍結などより厳しい路面コンディションが予測され区場合、スタッドレスタイヤを装着し、さらにタイヤチェーンを携行することが安心だ。
■タイヤチェーンは事前の装着練習を!!
スタッドレスタイヤを装着していても、目的地への最後のアプローチの坂道の雪が深く、タイヤチェーンの装着が必要になった、というケースも多い。現地で初めてチェーン装着をする、というのは極めて困難。タイヤ周辺には雪が詰まっており、汚れも凄い。車外は氷点下で手がかじかむ。このような状況で、初めてのチェーン装着など、まずできないと思ったほうがいい。
最低限、出発前に着脱をスムーズにできるよう練習しておくことだ。軍手や袖口の汚れを防ぐアームカバーなどの必要性も、この練習でわかるはずだ。現地のチェーン着脱エリアは除雪されていることが多いが、大雪が降っていれば路面に雪が積もっているだろうし、路面は濡れている。そこにしゃがみこんで、場合によっては膝をついての作業となる。ブルーシートなどを敷いて作業するといい。そんな準備も必要だ。
チェーン装着は事前にしっかりと練習しておきたい
■備えて空振りだったらラッキー!!
ここまで備えて、「たいした雪ではなかったよ~」ということになるかもしれない。それならそれで「よかった」ではないか。備えなしで大雪に挑んで、立ち往生の先頭車両になる……、くらいならまだいいが、交通量の少ない山間部で遭難などということにでもなったら命にかかわる。そのような場所は、携帯電話がつながらない場所だったりする。
充分な備えをして、安全確保を意識して、それでも危険な天候状況であれば引き返すことも考えて、年末年始のドライブ、事故のないことを願っています。
年末年始は大寒波、大雪の予報が出ている。充分な備えをして、安全に過ごして頂きたいです
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今日の天気は曇りのち晴れです。