「ティザーキャンペーン」でチラ見せして、「発表日」と「発売日」がかなり離れているというケース、ここ数年、特に目につきませんか。あのクルマ、CMではよく見るのにまだ売られてないの? と思うことも多いです。バンバンTVCMをやって、華やかな発表会も開いて、でもディーラーに行ってもそのクルマは売ってない……。なぜこんなややこしいことをしているのでしょうか? 何か理由があるのでしょうか? 「ティザーキャンペーン(事前宣伝展開)を早めに開始してユーザーの目を集め、さらに発売日も先送りにして初期受注数を増やす」という狙いでしょうか……? 販売の現場にも長けるおなじみの渡辺陽一郎氏に聞いてみました。
※ちなみにアイキャッチ画像は、最近では珍しく発表日(発表会開催日)と発売日が同じだったトヨタカムリです
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文:渡辺陽一郎、ベストカー編集部
■【ここ最近の、「発表日」と「発売日」が離れているクルマ】
◎スバルレヴォーグ 初披露2013年11月20日/発表日2014年4月15日/発売日同年6月20日
◎トヨタC-HR 初披露2016年9月28日/商談開始日(実質的な発表日)同年11月上旬/発売日同年12月14日
◎ホンダシビック 初披露2017年6月23日/発表日同年7月27日/発売日同年9月29日
◎マツダCX-8 初披露2017年7月25日/発表日同年9月24日/発売日同年12月14日
◎日産リーフ 初披露2017年8月4日/発表日同年9月6日/発売日同年10月2日
※「初披露」とはティザーキャンペーン開始日を指します
※2 レヴォーグの発売日に一部ミスタッチがございましたので訂正いたしました。申し訳ありませんでした(2017.10.20 12:00)
このように、いまや「発表日」と「発売日」が同じモデルのほうが少なく、またティザーキャンペーンを実施しない新車のほうが少ない状況となっています。
■ユーザーにとっても販売店にとっても痛手?
「今の新車発売スケジュールは、販売店だけに価格を明かす非公式な予約受注の開始→正式な発表→納車を伴う発売……という具合に3段階に分けることが多いです。予約受注段階ではユーザーは実物のクルマを見られず、発表されても販売店に展示されない場合もあります。試乗ができるのは“発売”の後ですね。
こんな具合にダラダラと売るのは自動車メーカーが生産計画を優先したいからです。予約受注開始から発売まで2~3カ月以上あれば、売れゆきや人気のグレード、オプションなどの傾向を把握したうえで生産を開始できる。部品の発注を含めて生産計画を立てやすく、ムダを省けることになります」
と渡辺陽一郎氏。
なるほど~。工場での効率のいい生産を狙ってのことだったんですね。
「はい。で、生産開始時には大量の受注をためているから、納車が早い。また、“発売後1カ月の受注台数が2万台を突破!”と人気をアピールするメリットもありますね」
でも、ユーザーにとっては発表日と発売日が違うとややこしいですよね?
「そうです。この売り方はユーザーにとってはメリットがない。【1】実車を見ないで契約をすることになる、もしくは【2】試乗した後で契約し長期の納車待ちを我慢する、という2つから選択を迫られることになります。
また、販売店にとってもこの制度は痛手です。ティザーが始まれば(フルモデルチェンジの場合)現行モデルが売れなくなり、超大幅値引きで叩き売る必要がありますから」
「発表日」と「発売日」が違うのは、主にメーカー側(生産側)の効率のよさを考えた“策”ともいえます。これにより市場の反応を見てから生産計画を練ることができると。ただ「発表と発売」の期日が開くのは、どうしても間延びした感じをユーザーに与えてしまうわけで、必ずしもメリットが高いとは思えないですね……。
ちなみに「ティザーキャンペーン(初披露)開始」、「発表日」、「発売日」のほかに、「店頭発表会」(ディーラーで顧客の皆さんに実車を見せる)という日もあったりします。うーん、ややこしい。
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