2020年の全日本ラリー選手権でチャンピオンを獲得した新井大輝選手がBRZに試乗。
新井選手、実はBRZ開発の最終段階に試乗をしており、人生初の新型車としてBRZ購入を決断したのだという。
日本を代表するラリードライバーがディーラーに待ちを掛けてまで!? 購入したBRZの魅力はどこにあるのか? ご本人が解説!!!
※本稿は2021年8月のものです
文/新井大輝 写真/ベストカー編集部 撮影/池之平昌信
初出:『ベストカー』2021年9月26日号
【画像ギャラリー】プロはここに注目! 新型BRZの魅力とは?? サメ肌加工ってこういうことか!
■まずは外観をチェック
皆さんこんにちは、新井大輝です!
今回は、私が群馬サイクルスポーツセンターで主催したイベントで、新型BRZの走りをチェックしましたので、その詳細をお届けしたいと思います!
7月29日から発売された新型BRZ。
実は私は開発の最終段階の時にサーキットでドライブしていたんですが、路面のフラットなサーキットだけだったので、今回群馬サイクルスポーツセンターで走らせられるのは非常に興味深いものでした。
群サイは路面のうねりや荒れ、アップダウンが多い峠道のようなコースで、一般道でのインプレッションに近いものとなるからです。
2020年の全日本ラリー選手権でチャンピオンを獲得した新井大輝。「群サイ」はホームコースだ
さて、まずはデザインの注目点から触れていきたいと思います。
旧型からガラッと変わったエクステリアデザインですが、随所にスバルらしさを感じさせます。
特に私が気に入っているのが、サイドステップからリアフェンダーへと繋がる“くびれ”です。
フェラーリにも通じるところがありますが、女性的な印象を受けるこのくびれを取り入れたことで、セクシーさと力強さを感じさせてくれます!
「見よ、この曲線美を!」と言わんばかりの新井選手。このくびれについて語っている時の笑顔が眩しい
また今回の試乗車はフロントバンパーダクトの部分にLEDライトをオプション装着した関係で艶ありブラックの塗装のパーツを装着していましたが、ノーマル車は空力特性向上のためにダクトの側面に空力テクスチャー(サメ肌から着想を得た加工)が施されたパーツを装着しています。
こちらはスーパーGT300クラスのマシンにも採用されている、ハンドリング性能向上に寄与する注目の技術となっています。
サメ肌に着想を得て生まれた、オカルトではなくきちんと効果がある空力テクスチャー
パワートレーンに目を移すと、新たに搭載された2.4Lエンジン(235ps/25.5kgm)は、旧型の2Lエンジン(207ps/21.6kgm)に対して出力面で28ps/3.9kgmの向上を果たしています。
■旧型にあった「トルクの谷」が消滅 遙かにパワフルに
実際に乗ってみると、旧型で4500rpm付近にあったトルクの谷(落ち込み)がなくなっていて、どこから踏んでも加速するパワフルさを手に入れていました!
値以上にパワフルになった2.4Lエンジン。これを体感してしまったらもう戻れない!?
旧型ではパワーがもう少しあればもっと楽しいのに……というシーンがありましたが、新型ではこのままでも充分楽しめるなと感じさせる余裕があります。
レッドゾーンは7500rpmからですが、高回転までしっかり回るし、トルクもあるので、乗りやすいし楽しいです。
新型ではサウンドクリエーターも変わって、旧型で採用していたエンジンルーム内の音を取り入れる仕様ではなく、デジタルで作った音を流す「アクティブサウンドコントロール」になりました。
旧型よりもかなりいい音になっていて、エンターテイメント感がいっそう強くなっているので、ドライバーをやる気にさせてくれます。
新型BRZで群サイを走行したのは初めてですが、特筆すべきはクルマが跳ねてしまうような路面が多いにもかかわらず、本当にタイヤが路面を離さないことです。これには驚きました!
目を三角にして高速で走らずとも、その楽しさを味わえるちょうどよさも、このクルマの魅力とも言える
旧型と比較すると、シャシーのレベルが、1段階どころではなく、何段階も上がっている印象です。
ボディ剛性が上がっているおかげで、サスペンションがきちんと仕事をしてくれていることが大きいんだと思います。
■ハンドリング性能も大幅に向上 その背景にあるもの
ハンドリング性能も旧型よりも大幅に向上していることを感じられます。
これにはいくつか要因があるのですが、ひとつ目は低重心かつ、ボディ中心から離れた場所にある重量物を徹底的に軽量化していることです。
ハンドルを握って少し走っただけでも軽快さを感じてもらえると思います。
カタログ数値では新型1270kg、旧型1240kgとなっていますが、重量物が外側にないので、慣性モーメントも減っています。
ハンドルを切ってから、ヨーモーメントが立ち上がるまでが早いので、数字とは違い、「あれっ、こんなにクルマ軽かったっけな?」と思うはずです。
旧型より重量が増えても、思わず「あれっ、こんなにクルマ軽かったっけな?」
ふたつ目は、新型BRZはアルミ製のフロントアクスルハウジングを採用していることです(新型GR86は鋳鉄製)。これによりばね下重量が従来比で1.5kgも軽減されています。
一般的に「バネ下1kgの軽量化は、バネ上(つまりボディ)10kgの軽量化に相当する」と言われていますから、新型はかなりの軽量化を果たしていると言えます。
三つ目が、リアのアンチロールバー(スタビライザー)をボディ直付けに変更したことです。この技術はSGP(スバル・グローバル・プラットフォーム)を採用したインプレッサやレヴォーグでも使われているスバル独自の技術になります。
旧型では樹脂製のブッシュが入っていたので、どうしても無駄な動きが発生してしまっていましたが、新型ではその点が改善され、しっかり耐えてくれるようになりました。
ここまで挙げた変更点のおかげで、ハンドリング性能、そして限界性能が飛躍的に向上していて、オーバーステアにもアンダーステアにもなりにくくなりました。
ステアリングに使っている革が凄く自然に手になじんでくるところがお気に入り!
路面も悪いし、夕方には雨も降る難しいコンディションのなかでも、ドライとウェットでペースが変わることなく走らせることができたのが、それを証明しています。
■FRを安全に楽しみたい人にオススメ!
お客さんを乗せた状態なので、一般的なスピードの領域で走りましたが(10段階でいうと6~7割くらい)、旧型だとすでにテールをコントロールするための操作が必要になる領域でも、新型はまだまだ余裕がありました。
それだけ限界性能が高いのです。ですので、「FR車を安全に楽しみたい」という方にもお薦めできます。
大きくなったナビは操作がしやすい! また水平基調のインパネデザインもGood!
ちなみに、私もアイスシルバー・メタリックの新型BRZを購入しました(人生初の新車です)!
受注開始の2時間前くらいからディーラーに並んで、グレードやオプションもすでに決めていたので担当ディーラーマンに「一番で出してくれ!」とお願いをしました(笑)。
その店で一番に登録してもらったので、8月末には納車される予定です。
すでに、あれやこれやと自分色に染め上げるメニューを考えているので、納車されたらBRZライフを満喫したいと思います!
旧型から大きく変わった新型はさすがの注目度。皆さん、食い入るようにチェックしていた
■スバル 新型BRZ(6MT/6AT)発表諸元
・全長:4265mm
・全幅:1775mm
・全高:1310mm
・ホイールベース:2575mm
・車重:1270kg/1290kg
・エンジン:水平対向4気筒DOHC
・総排気量:2387cc
・最高出力:235ps/7000rpm
・最大トルク:25.5kgm/3700rpm
・WLTCモード燃費:11.9km/L / 11.7km/L
■スバル 初代BRZ(6MT)発表諸元
・全長:4240mm
・全幅:1770mm
・全高:1320mm
・ホイールベース:2570mm
・車重:1240kg
・エンジン:水平対向4気筒DOHC
・総排気量:1998cc
・最高出力:207ps/7000rpm
・最大トルク:21.6kgm/6800rpm
・WLTCモード燃費:12.8km/L
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みんなのコメント
2.4よりターボじゃダメなのかな。
ヤリスみたいなエンジン搭載したらたのしそう。
って感じるのは俺だけかな。