2019年8月1日~4日、 WRC(世界ラリー選手権)第9戦ラリー フィンランドがユバスキラをベースに開催され、トヨタのオィット・タナックが優勝。2位にはシトロエンのエサペッカ・ラッピ、3位にはトヨタのヤリ-マティ・ラトバラが入った。クリス・ミークはリタイアとなった。
タナックがラリー フィンランド連覇
前戦ラリーイタリア・サルディーニャで首位を独走しながら、最終ステージのパワーステアリングトラブルで涙を呑んだタナックが、見事なリベンジを果たした。
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シーズン4勝目への大きな鍵となったのは実質的なラリー初日となる金曜日の走りだった。優勝は逃したものの前戦でポイントリーダーに立ったことで、ラリー フィンランドでのタナックの金曜日のスタート順はグラベルラリーではもっとも不利な1番手。しかし、2番手スタートのセバスチャン・オジェ(シトロエン)や3番手スタートのティエリー・ヌービル(ヒュンダイ)が予想どおりに砂利掻き役に苦しむ中、タナックはタイムロスを最小限に抑える見事なドライビングを披露して、SS11までを終えて首位にわずか2.6秒差の4番手につけた。優勝争いのライバルは、チームメイトのラトバラとクリス・ミーク、そして昨年までトヨタに所属していたシトロエンのラッピだ。
勝負の土曜日はまず、トヨタ勢の三つ巴で始まった。最初のふたつのステージを終え、首位ラトバラ、2番手に上がったタナック、そして3番手のミークがなんと0.6秒差の中にひしめく超接近戦。だが、この日3つ目のステージ、SS14でラリーは大きく動いた。
なんとコース上にあった同じ石に、ミークとラトバラが相次いでタイヤをぶつけてしまったのだ。リアサスペンションまで痛めたミークはここでストップ。ラトバラもパンクを喫して15秒近い遅れを取り、ここで優勝争いから脱落してしまった。
一方、このステージでベストタイムを出して首位に立ったタナックは、その後も追いすがるラッピを寄せ付けず、瞬く間にセーフティリードを築く。そのままラリー最終日の日曜日も危なげなく走りきり今季4勝目を達成した。
タナックは最終パワーステージでもベストタイムを刻み、ボーナスポイント5点を含むフルポイントの30点を獲得。ランキング2位のオジェに22点、3位のヌービルに25点の差をつけることとなった。
次戦は8月22~25日のラリー ドイチュランド。ドイツ西部のボスタルジー湖をベースに開催されるこのラリーでは、日本の勝田貴元がWRCで初めてトヨタ ヤリスWRCを駆ることが発表されている。昨年も優勝しているタナックの戦いぶりと併せて、トヨタファンは要注目だ。
WRC第9戦ラリー フィンランド 結果
優勝 8 O.タナック(トヨタ ヤリス WRC) 2h30m40.3s
2位 4 E.ラッピ(シトロエン C3 WRC)+25.6s
3位 K.ラトラバ(トヨタ ヤリス WRC)+33.2s
4位 89 A.ミケルセン(ヒュンダイ i20クーペ WRC) +53.4s
5位 1 S.オジエ(シトロエン C3 WRC) +56.1s
6位 11 T.ヌービル(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+1m32.4s
7位 42 C.ブリーン(ヒュンダイ i20クーペ WRC)+1m38.2s
8位 3 T.スニネン(フォード フィエスタ WRC) +2m33.8s
9位 22 K.ロバンペラ(シュコダ・ファビア R5エボ) +7m54.1s
10位 44 N.グリアジン(シュコダ・ファビア R5エボ)+10m28.7s
WRCドライバーズランキング
1位 O.タナック (トヨタ ヤリス WRC) 180ポイント
2位 S.オジエ(シトロエン C3 WRC) 158ポイント
3位 T.ヌービル (ヒュンダイ i20クーペ WRC) 155ポイント
4位 E.エバンス(フォード フィエスタ WRC) 78ポイント
5位 A.ミケルセン(ヒュンダイ i20クーペ WRC) 71ポイント
WRCマニュファクチャラーズランキング
1位 ヒュンダイ 262ポイント
2位 トヨタ 238ポイント
3位 シトロエン 198ポイント
4位 M スポーツ フォード 158ポイント
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