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鈴鹿サーキットで2秒速くなった2019年型「ホンダNSX」はパワーアップしていない?

掲載 更新

登場から2年、ついにホンダNSXがマイナーチェンジを発表した。日本では佐藤琢磨選手によるサーキットインプレッション動画などティザーサイトをオープンしたばかりで、詳細な進化ポイントや価格やスペックなどは未公表だが、2019年モデルのアキュラNSX(つまり北米仕様)については、日本よりも細かな情報が発表されている。

その発表において注目すべきはパフォーマンス向上の一例として、日本を代表するサーキットであり、ホンダのホームコースといえる鈴鹿サーキットにおいてラップタイムを2秒も短縮したと書かれていることだ。もともとのタイムが記されていないため伸びしろは分かりづらい面もあるが、マイナーチェンジでこれほどのタイムアップを果たしたと公式に発表するのは驚きだ。

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しかも、今回のマイナーチェンジを発表したニュースリリースを読み込んでいっても、明確なパワーアップはしたという表記は見当たらない。進化の内容として挙げられているのは、タイヤとシャシー。そしてNSXのキーデバイスとなる「SH-AWD」の制御を見直したこととなっている。

具体的には、スタビライザーを締め上げ(前26%増、後19%増)、リアハブの剛性を6%アップ、リアトーリンクのブッシュを21%剛性アップしているという。こうした進化はタイヤに合わせたものだと想像されるから、タイヤのグリップ性能も上がっているのだろうが、それにしてもボディ剛性を高めたという表記が見当たらないのは、さすがNSXといえよう。

経験を活かしたアルミ製スペースフレームによりボディのレベルが高いからこそ、シャシーのリセッティングを受け入れ、パフォーマンスアップにつながったと理解できる。それだけ素性を磨き上げたスーパースポーツというわけだ。

ちなみに、北米仕様となるアキュラNSXのベース価格は157,500ドルと発表されている。これは従来までのモデルに比べると1,500ドル高となるというが、2019年モデルでは4,700ドル相当のオプション(電動パワーシート、アルミスポーツペダルなど)を標準装備にしていることから、絶対的には高価であるにせよ、実質的にはお買い得になっているといえそうだ。よくに電動パワーシートの標準装備化は、NSXの車格を考えると当然といえる進化だ。果たして、日本での仕様や価格はどのようになるのだろうか。

文:山本晋也
自動車コミュニケータ・コラムニスト

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